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アマゾンの返品を全店舗で受け付け。型破りの発想で店舗集客を行う米大手百貨店|Kohl’s

【一言で言うと】モバイルアプリの活用や、アマゾン商品返品の受けつけなどをきっかけにオンラインで買い物をする顧客の呼び込みに成功した企業

基本情報

主に展開する国:アメリカ
設立:1962年
店舗数:1158店舗(2019年10月時点)
ジャンル:百貨店
売上高:2,023億円

なにが特徴か

Kohl’s(コールズ)は、米国全州1100店舗以上(2019年10月現在)を展開する大手百貨店(もしくは製販直結型の小売店舗)である。Kohl’sは、日用品、家具、衣類、玩具、化粧品まで店舗内&オンラインで販売している。EC企業の台頭で小売店舗が苦戦しているにも関わらず、Kohl’sは業績を伸ばし続けている。その背景には、Kohl’sのモバイルアプリの活用やアマゾン商品の返品を全店舗で受け付けるなどのKohl’s独自のオンラインとオフライン戦略により、オンラインで買い物をする顧客を店舗内に呼び込み、またオフラインの顧客をオンラインでも捕捉することに成功している。

1. Kohl’s モバイルアプリ
Kohl’sが業績を伸ばす要因の1つが、Kohl’sのモバイルアプリである。現在、約2,100万ダウンロードされるなど、顧客満足度も高く、App Storeのレビューが4.8(2019年10月現在)と非常に高い。Kohl’s モバイルアプリはYES2YOU(ポイントカード)、オンラインストア、クーポン、購入履歴、Kohl’s Cash、決済システムを搭載している。Kohl’s Cashは、$50の買い物をすると、$10がキャッシュバックとして貰えるシステムで、Kohl’s店舗であればどこでも使用可能。店舗内でQRコードをKohl’sモバイルアプリで読み込んだ上で買い物する事により、顧客は$150の買い物であれば、特典でKohl’s Cash($30)とYES2YOU(150ポイント)を受け取る事が出来る。さらに、アプリ内にあるクーポンを組み合わせれば、顧客はもっと商品を安く購入することも可能だ。

※YES2YOUは$1の買い物で1ポイント貰え、100ポイントで$5として使える

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実際のアプリの画面、バーコードをスキャンして貰えばKohl’s Cashを使える/Photo by Kohls

2. アマゾンの返品を全店舗で受け付け
Kohl’sの来店促進手法の一つがアマゾン商品の全店舗での返品受付である。2019年4月にKohl’sは全店舗でアマゾン商品の返品の受付をする事を発表した。さらに、Kohl’sの店舗内でアマゾン商品(Kindle、Fire Tablets、Alexiaなど)を販売する。顧客は、商品を箱に入れなおす必要もなく、Kohl’sの店員にアマゾンで発行した専用のQRコードを見せ、商品を渡し、簡易な質問にいくつか答えるだけで返品が完了となる。返品は全て無料で、返品した顧客はKohl’sで使えるクーポン券を店員から受け取る。返品の負担をよりシンプルにしKohl’sのクーポンを渡すことにより、Kohl’sはオンラインで買い物をする顧客をKohl’s店舗内に上手く呼び込む事に成功した。

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Kohl’sの店舗内にあるアマゾン商品の返品カウンター/Photo by RetailWire

Banner Photo by Alexander Kovacs on Unsplash

関連ニュース

Lauren Conrad Celebrates the 10-Year Anniversary of Her Kohl's Clothing Line: 'It's a Very Big Deal'
https://people.com/style/lauren-conrad-celebrates-10-year-anniversary-lc-lauren-conrad-for-kohls-clothing-line/

参考




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