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2022年までに200店舗閉鎖を決断した英老舗スーパーが、復活をかけて取り組むOMO戦略とは。|Marks & Spencer

【一言で言うと】ロボット技術などの最先端システムを利用し、宅配サービスに活路を見出す老舗スーパー

基本情報

主に展開する国:イギリス
設立:1884年
店舗数:1463店舗(2019年10月時点)
ジャンル:スーパーマーケット
売上高:1.3兆円

なにが特徴か

イギリス国内に300店舗以上を展開する老舗スーパー Marks & Spencer(M&S)はネット通販の普及により苦戦を強いられている。M&Sによれば、2022年まで100店舗以上を閉鎖する予定であり、2019年9月には、ロンドン市場のFTSE100構成銘柄から脱落した。英国のネット通販普及率は中国に次ぐ世界2位であり、英国の全ての商取引におけるEC(電子商取引)の割合は19.3%になる。そんな中、M&Sは英ネット専業スーパーのオカドと共同出資会社を立ち上げ、2019年2月にオカド・ドットコムとしてサービスを展開し新たな顧客の開拓に挑んでいる。

1. 食品デリバリサービスの展開

オカド・ドットコムでは、M&Sの食料品をオンラインで販売、配送をおこなっている。食料品だけでなく、日用品、キッチン用品、玩具、生鮮食品などを販売している。配送時間は1時間単位の指定ができ、配送料金は2.99ユーロから6.99ユーロの間で、さらに水曜日に75ユーロ以上購入すれば配送料金無料などのオファーも行っている。

2. メンバーシップ制度Smarty Passの拡充

オカド・ドットコムは、ブランドロイヤルティを高める狙いでSmarty Passと呼ばれるメンバーシップ制度の提供を始めている。メンバーであればイベントシーズン以外は配送料金が無料で、イベントシーズンであっても割安の配送料金で利用できる。また、大半の商品が10%引きとなることに加え、在庫処分予定の商品を更に安く買う事ができる。

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ロボットが商品を運び、梱包する/Photo by  Proactive Investors

3. 最先端の設備で配送時間の効率化

オカド・ドットコムの倉庫は約600台のロボットが稼働しており、繊細な生鮮食品なども取り扱うことができるほか、注文が入れば自動でロボットが梱包作業まで担っている。尚、以前ご紹介したクローガーはオカド・グループ株式を一部取得し、このシステムを取り入れ配送作業の効率化をおこなっている。

Banner Photo by Unsplash

関連ニュース

"I play for the long term" - Ocado's Tim Steiner on M&S, vertical farming and making Brexit work
https://www.managementtoday.co.uk/i-play-long-term-ocados-tim-steiner-m-s-vertical-farming-making-brexit-work/leadership-lessons/article/1596252

参考




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