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顧客の気分に応じたファッションリコメンドを実現。ユニクロが実証するニューロマーケティングの活用法とは|UMOOD

【一言で言うと】顧客の脳波を読み取って新しい購買体験を提供する、ユニクロの店舗内における先進技術

基本情報

(UMOOD)
主に展開する国:オーストラリア
サービス開始:2015年 10月
店舗数:1店舗
ジャンル:アパレル・スポーツ
(ユニクロ)
主に展開する国:グローバル
設立:1974年
店舗数:3445店舗(全世界)
ジャンル:アパレル・スポーツ
売上高:2.13兆円

なにが特徴か

ユニクロ(UNIQLO)は、オーストラリアピットストリートにあるユニクロ店舗内で新しい取り組み、ユームード(UMOOD)を始めた。UMOODはヒトの脳から生じる電気(脳波)を利用し消費者に合ったTシャツをレコメンドしてくれる。脳科学の技術を用いたマーケティングは、ニューロマーケティングとも言われ、Google、Facebookなどが脳波の研究を始めたこともあり、近年注目を集めている。ニューロマーケティングは、言語化される前の感情を可視化し、アンケートやインタビューなどの従来のリサーチ手法では捉えきれない人の無意識から生じる行動原理を、脳の活動から明らかにするアプローチだ。UMOODは、ヘッドセットで顧客の脳波を測定しながら、顧客のその日の気分に応じたTシャツを推薦する。

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画面の前に座り、脳波を計測する/Photo by Dentsu ScienceJam

1. 顧客が気に入りそうなシャツを選定

まず、顧客は店内にあるUMOODスクリーンの前で、感性アナライザ(ヘッドセット)を装着し指定された所に座る。顧客はスクリーン上に映る数秒のビデオを見た後、UMOODが顧客の額から発する1つの脳波を基にTシャツを選んでくれる仕組みだ。Mashableによれば、このテクノロジーは、興味、好み、集中、ストレス、眠気などの指標を使用し、数秒のビデオに対する顧客の反応を測定した後に、顧客の気分にマッチしたTシャツのデザインをレコメンドする。UMOODは600種類もののTシャツのスタイルと色のバリエーションの中から推薦。さらに、他の店舗に無い目新しさや新しい購買体験を提供する事で、PR施策等にも活用する狙いだ。

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リアルタイムにグラフで脳波の計測結果がでる/Photo by Dentsu ScienceJam

2. 感性アナライザ

UMOODで使用されている感性アナライザは、脳信号処理を研究する日本企業である電通サイエンスジャムが設計したヘッドセットだ。ヘッドセットとiPadで実施可能で、計測結果をリアルタイムにグラフで確認し、CSV形式で書き出す事も可能である。脳波から計測の出来る感性としては「興味関心」、「好き」、「ストレス」、「集中」、「沈静」、「嫌」、「快適」、「爽快β」、「食べたいβ」などを揃えている。電通サイエンスジャムによると、測定結果により、商品開発、ベネフィット創造、エビデンス構築、PR施策 等に活用できるそうだ。現在、感性アナライザはUMOODだけではなく、日本情報経済社会推進協会ブリヂストンタイヤジャパンサイゼリアなどに使用されている。

Banner Photo by Unsplash

関連ニュース

ニューロマーケティングとは?消費者の無意識を客観的に分析する注目の手法を解説
https://ferret-plus.com/9618

参考

https://www.uniqlo.com/au/store/umood



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