その土地のもので、家具をつくる
古民家をリデザインするということ
千葉の南房総から北に入った山間部(奥房総と呼ばれています)、大多喜にある養老渓谷という場所に縁があり、古民家を使って一棟貸しの宿(貸別荘)を運営することにしました。
この古民家に足を踏み入れたとき、近くを流れる養老川からの心地いい風が家の中を流れ、とても心地よかったのです。
その心地よい自然に囲まれた空間を、たくさんの人とシェアできたらいいね、というところから、「自分達や仲間が心地よく楽しく過ごせるスペースを作ろう」「それには何が必要?」「どんなコンセプトだったら楽しんでもらえる?」
コンセプト作りからミーティングを繰り返しました。自分達で空間をデザインし、リノベーションし、漆喰などを塗り塗り・・・DIYもたくさんすることに。
地元で育った木で、家具を手作りする
家具を手作りするという経験に、憧れていました。
住みながら家を育てるように、使いながら家具を育てていく。
自分で作った家具を、丁寧に育てていけたらいいな、と思っていました。
大多喜は山に囲まれていて、東京大学の演習林もあります。こんなに山に囲まれているなら、大多喜で育った木を使って、自分達で家具をつくりたい。それを、OMOSHIROに訪れてくださった方と一緒に育てていけたらとっても素敵なのでは・・・。そんな思いがフツフツと湧いてきました。
製材屋さんの職人技
大多喜にある製材屋さんを紹介していただきました。大多喜にある旧老川小学校(無印良品さんが現在管理されています)は国産の木材をふんだんに使用して作られているのですが、その企画にも関わられていたという凄腕の製材屋さん。たくさん積み重なっている木材の中から、ねかせ具合、反り具合などをチェックしていただき、使いやすそうなものを選んでいただきました。なんと、その東大演習林の立派な杉板を譲っていただけることに。また、同じく大多喜の兄弟板と言って、同じ一本の木からとれた2本の板をいただきました。
板をコンマ何ミリよりも細かい単位で真っ直ぐに製材していくその職人技は、とてもとても美しいものでした。
しめ縄もご自身の育てた稲藁で作るというこだわり。こういうところが息づいているのが大多喜なのです。
一枚板のDIY(1:板を削る)
まずはいただいてきた板を使う長さにカットして、カンナで削っていきました。なかなかフラットにならず、途中から電気カンナをご近所さんに借りて行うことに。カンナで削ると美しい木目があらわれました。これぞ、一枚板!
一枚板のDIY(2:塗装する)
表面が滑らかに綺麗になったら、次はコーティングのため塗装をしていきます。OMOSHIROが今回使ったのは、TURNER'SのOLD WOOD WAX。天然素材ミツロウで作られていて、塗りむらが少なく、薄ーく重ねて塗り込むようにしていくと綺麗にしっとりした表面に。立てかけるなどして充分に乾燥させます。
TURNER'S WEB
Amazonでも買えます。
TURNER'S OLD WOOD WAX
一枚板のDIY(3:脚をつける)
一枚板は反る可能性があるので、反り防止になるような脚の形を選びました。板目に垂直にアイアンの棒が固定されるような形状をチョイス。
地元の木材で作った家具たち
三枚の板から、今回はデスクを2台、ローテーブル1台、洗面台1台を作りました。
ローカルの材質の魅力
今回、ローカルの大多喜で育った木材で作った板を通して、さまざまな人との出会いや、この土地の文化を伺うことができました。
元々集落で屋根用に萱を植えていたが、萱を使わなくなって瓦屋根に変わり、みんなで杉の木を植えるようになったこと。
この土地には、林業がとても盛んだったこと。
などなど・・・。
このデスクやテーブルなどを通して、この土地に触れていただけたら嬉しく思います。
ロードバイクと田舎暮らしを楽しめる一棟貸しの宿 OMOSHIRO
https://omoshiro.space/index.html/
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