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また本買いすぎた

先日のこと。その日は奥さんが青山で仕事があるというので、朝食をまだ食べていなかった僕は青山まで付いて行って朝活(奥さんの出勤前に二人でカフェでコーヒーを飲むこと。時間に余裕があるときたまにする)ついでに久しぶりに青山ブックセンターでも見てこようかなと思い立った。

朝食を済ませ、奥さんと別れたのち、予定通り青山ブックセンターに向かった。ここには1ヶ月以内にも来ていたような気もするが、最近ではいつも奥さんか場合によっては娘もいるので、雑誌コーナーと絵本コーナーをサッと流し見するくらいの時間しかとれず、店の奥側までほとんど回れていないという状況だった。久しぶりの一人青山ブックセンターである。今日はじっくり見て回ろう、あ、でも今月は娘の誕生日もあって既に出費が結構嵩んでるからなるべく買い物は控えようという気持ちで臨んだのだが、それは儚い希望であった。自分がじっくりとABCを見て回ったらどうなるかなんて本当は分かっていた、最初から。

そんなJ-POPの歌詞みたいな結果がこれです。

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良い本沢山ある〜。さすがABC。
途中で箍(たが)が完全に外れたので、以前から気になっていたんだよね系の本も遠慮なくバンバン手にとってしまった。

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この日一番最初に手にとったのはこちら。ジョン・バーニンガムさんの「ガンピーさんのサイ」。
ジョン・バーニンガムさんが今年の1月に亡くなったのだとこの絵本の帯を見て初めて知った。享年82歳。作家としてとても勇気付けられる偉大な年齢だ。この本はガンピーさんシリーズの3冊目にして、ジョン・バーニンガムさんの最後の絵本ということだった。
僕は度々あちこちで言ってるのでご存知の方もいるかもしれないけど、僕が今のように自分の絵を描こうと思ったきっかけはこのジョン・バーニンガムさんの絵に出会ったからだった(そういえばその自伝のような画集を買ったのもここABCだった)。その自由さが画面から溢れ出さんばかりの絵は、僕が今まで抱いていた「絵を描くのはこうしなければいけないんだ(だから好きになれない)」という固定観念を完全に吹っ飛ばしてくれた。
ジョン・バーニンガムさんの絵のスタイルはある時期からガラリと変わっていて、最初の頃は絵の具を何回も塗り重ねてどんどん奥行きが出て行くような絵だったが、段々とボールペンの線が主体で色はフワっと乗せるような絵になっていった(でも写真にあるようにたまに絵の具で描いた絵もあり嬉しくなってしまう)。見た目はまるで違うのだけど僕が一番魅かれた型に囚われないモノの見方は共通している。
またジョン・バーニンガム作品の魅力は絵だけでなくお話にもある。特に優しさとユーモアで包まれた最後の1ページの表現が僕はとても好きだ。「ガンピーさんのサイ」も読後感最高なオチになっている。

それにしてもディック・ブルーナぶりに憧れの巨星墜つという感じだ。僕はただのいち読者でしかないけれど、そして今更かもしれないけどご冥福をお祈りします。

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鬼頭祈さんの「こびとのおうち」。絵もお話もとても軽やかで可愛らしい。わざわざ「おうち」を作った端から少し楽しんですぐ次に行っちゃうこびとの自由奔放さが素敵だった。

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きくちちきさんのこぶたが完全に可愛い。小野寺悦子さんのお話も見事。

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「みなとまちから」と「とおいまちのこと」は共に絵描き・絵本作家であるnakabanさんと植田真さんの二人が、お互いに相手の書いたお話に絵を描くという形で制作された絵本だ。絵はまるで違うのだけど同じ世界の中でのお話になっており、それぞれ途中に一枚、相手の絵が入るという変わった作りになっている(それがきちんとお話の必然性に合った形で入っているのが見事な構成だ)。

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またnakabanさんの絵の「ランベルマイユコーヒー店」。nakabanさんは色んなスタイルで絵を描かれるけど、この本は好みの絵が凝縮されていて震えた。nakabanさんの描く街の絵にいつも魅かれる。(というか最近分かってきたんだけど僕はジオラマを見てるような引いた視点の絵がとにかく好きみたいだ)

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木内達郎さんの作品集。物凄いボリュームで圧巻。。追々じっくり堪能するとしてまずパラパラとページを捲っていたら懐かしい絵を見つけた。多分まだ学生時代だったと思うけど、YouTubeやVimeoで上質なアニメーションを色々と漁っていた頃、スターバックスのCMのアニメーションがとても可愛らしくて好きになり、何度も繰り返し観ていた(スタバのアニメーションCMは結構良いのが多かった)。確か当時も「スタバのCMで日本人が絵を描いている」ということまでは驚きと共に知っていたと思うんだけど、そうか、これは木内さんの絵だったんだ。

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森もり子さんとトミムラコタさんの「ギャルと恐竜」買えた〜。でも1巻が無い。。どうしようかと悩んだけど、我慢できず2巻先に読んでしまいました。お茶漬けのようにサラサラと読める。線が綺麗。。そして恐竜は可愛い。。
久野遥子さんの「甘木唯子のツノと愛」は数年前に出てる本だけどやっと買えた。久野さんは素晴らしいアニメーションを作る作家さんだけど、漫画もこんなに良いんだな〜。絵にも独特の詩情があるし、ストーリーも不思議な後味を残してくれる映画のような作品ばかり。特に掲題作品が素晴らしかった。甘木兄妹好きだわ〜。

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最後は荻窪の有名書店Titleの店主辻山良雄さんの「本屋、はじめました」。「お店こんな感じでやってます」ジャンルの本が好きで(多分自分と違う世界だけど自分のやりたいことを追求してるという点でシンパシーを感じるから)中でも「本屋さんの本」は特にワクワクする。Titleさんにはまだ行ったことがないんだけど雑誌の本屋特集では必ずと言っていいほど見かけるし、ギャラリーもあるから知り合いや有名な作家さんで関わりのある人がとにかく多い印象(店名のロゴもnakabanさんだし)。良い評判しか聞かないので早く行きたいなとは常々思っている(でも荻窪に出かけるきっかけがなかなか無い・・・)。お店に行ってから読んだ方が良い気もするけど、まあ別腹と思って多分先に読む。

さて、あと一冊絵を描く資料用に窓の本を買ったけどそれはまあいいか。めちゃくちゃ長くなってしまった。全部で約2万。「これだけの実りがあって2万は安い!」という気もするし「ちょっと出費かさみ過ぎてやばい。。」という気持ちもある。でも本は出会ったら、出会わせてくれたそのお店で買いたいと思っている。

作品制作に繋げていきたいと思いますので是非よろしくお願いします。