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まさか私がアミグルミを買うとは

こんにちは。アミグルミ作家をしています、オムニベリー(omni-berry)と申します。

タイトルの「まさか私がアミグルミを買うとは」は、何年か前に私がお客さんから言われた言葉です。

いつだったか忘れましたが、デパートの企画展で追加納品に行った際、ちょうど店頭で作品を購入してくださった若い女性のお客さんがいらしたので、お礼も兼ねて話しかけてみました。

お客さんは少しうつむき加減で「実は今日が初めてじゃなくて、何度か買いに来ています。」と言うではありませんか。

嬉しくてすぐにお礼の言葉を伝えると、その方はさらに節目がちになり、小声でこんな風におっしゃったのです。

「まさか…私がアミグルミを買うとは…」

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私はちょっとだけ笑いそうになるのを堪えながら、軽く会話をして、お会計を済まされたそのお客さんを見送りました。


この「まさか…私がアミグルミを買うとは…」という言葉はずーっと忘れられずに、心の奥深くに刻まれています。

なぜなら、私がお客さんから言われた言葉の中で一番うれしかったから。
あと、すごく共感したから。


「気がついたらアミグルミ作家になっていた話」でも書きましたが、私は自らこころざして始めたわけではありません。
まさしく私自身も、まさか私がアミグルミを作る人になるとは...なのです。


そのお客さんはパッと見た感じ、洋服とかオシャレに興味がある感じで、もしかしたらアミグルミというものに触れたのも初めてだったかもしれません。だから「まさか…私がアミグルミを買うとは…」という言葉からは、純粋に作品を好きになってくれたんだなというのが伝わってきました。

そう言えばよくよく思い返してみると、このお客さんに限らず実際に私の作品を買ってくれる方は、割とこういう(アミグルミとは無縁の)方が多い印象です。

あ、もしかしたら作者とそのお客さんってなんとなく価値観が近い者同士なのかも。同じものが好きなわけだから当たり前かと言えば当たり前か。


全く興味がなかった(買うなんて想像もしていなかった)方が購入に至るまでには、いくつもの高い心のハードルがあると思います。

だからこそ、この言葉は本当にうれしくて、忘れられないのです。


omni-berry
https://omni-berry.com

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