
なつかしいアミグルミの写真を見つけたので当時を振り返ってみる
むかーし使っていたパソコン(Windows)が壊れた時に、メーカーにデータの救出をお願いしたHDDがあったのを先日ふと思い出してMacに繋げてみたら、懐かしい写真がたくさん見つかったのでnoteにまとめておこうと思います。(インスタに投稿したものを加筆・修正したものです)
ちなみに、なぜこんなに長い間(約13年間)しまい込んでたかというと、WindowsフォーマットのHDDはMacでは読み込めないと勝手に思い込んでたのと、データの救出に4〜5万円かかったショックでHDDの存在自体を忘れたかったためです。
写真は2005年の1月〜なので、たぶん2004年の年末にデジカメを買ったようです。
撮影日:2005/01/01
デジカメで撮ったアミグルミの写真の中で、これが一番古いものと思われます。
制作を始めた頃から作っている鳥のキャラクター「トリーニョス」の原型です。
アミグルミを作り始めてから数ヶ月の頃の作品で、少々不安定ですが自立します。(その頃からアミグルミを自立させようとしてたのか…)
撮影日:2005/5/3
まだ友達とブースシェアしていた頃のイベント出展の様子です。
このイベントは「アートマンモス」という、クリエーターズマーケットと同じポートメッセ名古屋で開催される、フリーマーケットの一画にクリエイター専用のブースがある大きなイベント。
アミグルミたちの表情もゆるくてかわいい。
撮影日:2005/11/26
1人でイベントに出展するようになって2回目の様子です。
こちらも秋のアートマンモス。色が今よりカラフルで、まだ各キャラクターの定番色が定まってないので色違いをいくつか作って楽しんでいる様子がうかがえます。
撮影日:2005年秋
2005年の11月〜2008年の4月まで使っていた、Webデザイナーの友人が作ってくれたホームページのトップ画像を今回再現したものです。
確か、このクロネンコの顔がキョロキョロ動いて、マウスオーバーで振り向く仕掛けになっていたと思います。
トップ、ニュース、ブログ、お気に入りの音楽紹介、BBS、といった構成で、自分で更新できるように作ってくれてたのですが、だんだんとBBSがスパムだらけになってしまい、このホームページは残念ながら2年半で終了となりました。
撮影日:2006/05/20
アートマンモスから半年後、初めての東京ビッグサイト、デザフェスに出展した日の様子です。色使いが今とほとんど変わらなくなって、編み目がどんどんこまかくなってきました。
アミグルミを制作開始してから2年、地元の名古屋ではそこそこ手応えを感じ始めていた頃で意気揚々と東京へ向かったのですが…、 結果は見事に撃沈。
会場の端っこのほとんど人が通らない場所で(もう二度と東京へは来るまい…)と震えながら2日間を過ごし、帰りのゆりかもめから夕陽に向かって(東京のバカヤロー!)と心の中で叫んだのは今となっては良い思い出です。
撮影日:2006/06/03
デザフェスから1ヶ月後に開催されたクリマの様子です。
どうやらこのあたりで、ディスプレイがショボすぎることに気づいたようです。
お部屋に飾った時のイメージがしやすい木箱や小物類をいろいろと調達してきた模様。パネルの一番上にケロチョフの可愛い看板も登場しています。
そして、この日のクリマのパンフレットに作品が掲載されたこともあり、デザフェスでの苦い思い出が吹き飛ぶくらい忙しい2日間となりました。
撮影日:2006/09/10
今は作っていませんが「コケシ」という作品です。
この頃、遠方のお店へ作品だけ送って出品する機会が多く、ストラップや後ろに壁がないと座れない作品など、ディスプレイの難しい作品が多いことが悩みの種でした。
そこで、箱から出して平らな場所へ置けばすぐにディスプレイ完了となる作品を作ろうと思い、できたのがこのコケシです。
それと、この何ヶ月か前に企画展に参加したお店の人から「値段が高い」と言われたこともショックでした。(当時は1万円を超えるアミグルミは珍しかった)
今後 他のお店でも同じように値段が理由で作品の取り扱いを敬遠されることが予想できたため、顔から下を簡略化して小さくすることで、値段をおさえた作品を作ろうとしたのもコケシが誕生したきっかけでもありました。
撮影日:2006年11月
前回のクリマから半年後、冬のクリマの様子です。
「ブースをお部屋のようにしたい」という希望を叶えるべく、2面を覆い尽くせる量のパネルを借りて「くの字」に配置し、お部屋型ブースを実現。
ところが角ブースではなかったため、通路からかなり離れた奥の方に作品を展示するハメになり、結果 お客さんはブースの奥へ入るのを警戒して「なんとなく見たいけど奥まで入るのこわいからブース前を横目でスルー」現象が勃発。
めちゃくちゃお金をかけて自己満足を叶えたけどそんなに手応えはなかった、ちょっぴり苦い思い出のブース写真です。
撮影日:2006年10月
Cafeからお声がけいただき、初のミニ個展を開催した時のDM用の写真を撮影した時の様子です。
「どうぶつたちの冬ごもり」をテーマに、お家を作ってジオラマ風にしました。
撮影日:2007年1月
その後の作品にもつながる、念願の自立型が完成した瞬間です。
今見ると足がかなり心細いですが、なんとかへっぴりごしで立ってますね。
物を持つことができるのも嬉しくて、松ぼっくりを持たせています。まるで茶運び人形のよう。
初めてアミグルミを作った日からちょうど丸3年経ったぐらいの頃です。
撮影日:2007年5月
手探りでPhotoshopを駆使し、紙ものグッズのみでデパートの祭事に出た時の様子です。
ポストカード、メッセージカードが全部でおよそ80種類、手製ノート、レターセット、マッチ…と、とにかくアイテム数をたくさん(ロット数は少なく)用意したので、印刷屋さんには頼らず、全て1人で家のプリンターで刷って切って貼って…、納品前は完全徹夜で、ヘロヘロになって作ったのをよく覚えています。
撮影日:2007年5月、2007年6月
前回のリベンジで挑んだ2度目のデザフェスと、その翌月のクリマの様子です。
だいぶ什器も充実してきました。
とにかく何も考えずにオセオセ&ノリノリ。
1日の制作時間は10時間以上、ほとんどお休みも取らず徹夜もばっちこいで、まさにアミグルミ・ハイ状態の頃です。
撮影日:2007年いろいろ
なんとなく見つけた時にフフッとなった写真です。
撮影日:2007年10月
家具・インテリア雑貨のセレクトショップからお声がけいただき、初の本格的な個展を開催した時の様子です。
インテリアのお店なので、”お部屋に溶け込むアミグルミ”をテーマに『どうぶつたちと暮らす』というタイトルにしました。
ミッドセンチュリーテイストの家具にアミグルミを展示できてとてもうれしかったです。
撮影日:2008年12月
2008年12月のクリマの様子です。
ギャラリーブースという、2/3が展示スペースになっているブースを借りて、クリスマスの街の一角をジオラマ風にして展示しました。
おうちの中を覗くとアミグルミたちがクリスマスパーティをしている様子が見えて、ブースを訪れた子供達に大好評でした。
... ということで、今回古いHDDから見つかったのは、2005年1月〜2008年12月までの約4年間のなつかしい写真だったわけですが、せっかくなのでこの4年間の終わり頃から起こった出来事も綴っておきます。
実はこの年(2008年)、それまでノリノリだったアミグルミ・ハイがついに終わりを迎えます。
2008年5月、売上の大半を占めていたとある委託ショップからの度重なる納品催促のプレッシャーにメンタルが追い込まれてしまいました。
想像以上に制作に時間がかかることを理解してもらえない上に、全てを手作業でやる以上どう頑張っても人並みには稼げないことに気付いた瞬間「もう辞めよう」と思いました。(この頃の平均手取り額を制作時間で割ると時給300円以下。ちょっとずつ切り崩していた正社員時代の貯金は、気がついたときには底をついていました。)
「今ある在庫が無くなり次第、販売は終了します」
12月のギャラリーブースでのクリマが終わって、やり切った感ととともにスッキリとした気持ちでブログを更新。バイトをやり始めると同時に委託店からは作品を回収、自分が持っていた見本用の作品も全て手放すことに決め、このあとの2年間は既存作品の在庫処分のためだけにクリマへ出たり、展示即売会をしたりしていました。
ただ、裏ではブログを見たお客さんからのお問い合わせやオーダーのメールが毎日のように届き、クリマではお客さんから「辞めないでください」と声をかけてもらい、なぜかタイミングの悪いことに(短いローカル放送ですが)テレビ出演のオファーが舞い込んだことでさらにお問い合わせが増えるなど、辞める意思をこれでもかとグラグラ揺さぶられる日々でした。
さらに1年ほどしてから販売目的ではない自分の作りたい作品をマイペースで作り始めると、プレッシャーから解放されたことで再び作ることが楽しいと思えるようになり、もう少しだけ続けてみようかなという気持ちに変化していきました。
2011年春、思い切って既存の作品と少しの新作を連れて東京で個展を開催すると、ありがたいことに作家の友人が1週間ずっと在廊に付き合ってくれ、遠方からお客さんが何人も駆けつけてくれました。
そして、この東京の個展から今年で早10年。
これだけ長く続けていると山あり谷あり(谷多め)です。
この間あちこちのイベントに飛び回ったり、途中 腕を痛めて編めない期間があったり、仕事でほぼ制作を休止したり。(マルチタスクが苦手なので、結局いまだにバイトや派遣など他の仕事との両立がうまくいきません。他の仕事をしだすと全く制作ができなくなります。)
これからもうれしいことや凹むこと、いろいろあると思うけど、肩の力を抜いて飄々と続けていけたらいいなと思います。
omni-berry (オムニベリー)
アミグルミ作家をしています。短大の美術コースを卒業して10年ほど中古レコードショップで働いていました。音楽とライブと海とビールが大好き。
https://omni-berry.com
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