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21世紀のペーパードライバーと地方移住

自分の車がレッカーで運ばれていく姿を見送りつつ、ふと頭を過ったことの話。
都市部から地方へと移ってから思うことを車との関係性を元に綴ります。

地方移住に興味がありつつも車生活に壁を感じる方には少しばかりはタメになる話になるかと思います。または混んでいる電車に嫌気がさしている方へ贈ります。

私は2016年に長野県小諸市のアパートに引っ越しのち、その半年後に同市に隣接する東御市(とうみし)にある畑付き古民家(築100年)に引っ越しをしてきました。現在は用途別に車を二台所有しています。
マニュアルの軽トラック(主に畑用)
オートマの軽バン(主に宿の送迎や買い物用)

今となっては、車なしでは''ほぼ''生きていけない地方移住生活者です。

運転免許のレベルはゴールデンペーパードライバー

少し昔に遡ってみます。
2001年に運転免許書を取得。これは必要に駆られてと言うよりかは親に薦められてひとまず取っておいたくらいの事でした。その後免許書はほぼ証明書としての利活用。
そして2005年に中型二輪免許を取得。それ以降はずっとバイクには乗っていました。横浜は坂道が多く細い道も多いのでバイクの利便性がとても高い街でもあります、この時点では車の必要性は全く感じておりませんでした。
ですので車に関しては21世紀からずっとゴールデンペーパードライバーでした。
車は税金かかる、駐車場代かかる、総じてお金がかかる。もはや何のために必要ですか?くらいの代物でしかありませんでした。

さて、時は移り変わって現在長野県の東御市(とうみし)に住む者ですが、これから地方移住しようかな?と思う方にとって考えなければならない要素として『自らの移動手段どうする?』が出てきます。
日本全国津々浦々、住む環境により移動手段は様々かと思いますが、ここは1番多いであろう選択肢のひとつ【自動車】について進めます。

シンプルな質問。
あなたはどれ?

「車がない」→都会暮らしな人
「自信がない」→ペーパードライバーな人
「免許がない」→運転できない人

さぁどうですか?
順番に追って見ていきましょう。

車がない さぁどうする?

「車なくても自転車でも生活できますか?」と問われる事がたまにあります。
その答えはYesであってNoです。
地域や住む場所を選べば今までの都市部の生活とほぼほぼ変わらない生活を過ごせます。アシスト自転車などであれば不便に思うことはないでしょう。
しかしNoと言っておきたい点が多いのも事実です。

私の住む長野県の場合、
冬は雪が降るのでNO.
美味しい飲食店、または友人知人の家まで行けないからNO.
せっかく近くにある大自然、または数ある天然温泉に気軽にいけないのでNO.

車なくても生活はなんとか〜出来るかもしれないけれど、それが足枷となって自由に移住生活を楽しめないと感じてしまうならば自分の車は持って好きなところに自由にいく状態を作ることを強くお勧めします。
行きたい時に動けないのは辛いです。
でもあれです、夫やパートナーが運転してくれるから私は自転車や徒歩でいいの。と言う方は別ですけどね。

ちなみに私が買った自動車で1番安かったのは
コミコミ現金一括 6万円! といのもありました。
田舎暮らしは車が身近な分、安くて手ごろな車も見つかりやすいのです。

自分でメンテナンスして自分で修理することがほとんど出来ない方は、
長く付き合える近所の車屋さんを探すのも田舎暮らしのコツかもしれません。

自信がない さぁどうする?

「車はしばらく運転していないから不安です。」
時々そのような移住相談の方の話を聞きます。

はっきり言いますがこれは「慣れ」です。
上手い下手の個人差色々ありますが慣れです。
聞くと先輩移住者の方で元ペーパードライバーだった方結構います。
大丈夫。駐車場もだだっぴろいので簡単だし、道は単純だし、
70-80歳のおばあちゃんが軽トラック運転している世界ですのでご安心を。
(それはそれで危ないかもしれない)

免許がない さぁどうする?

これが1番時間を要することは想像通りです。
地方移住を考える中で、様々な場所を検討し現地に赴き調査すると思います。
訪れた時に交通で不便を感じた土地はハッキリ言って車必須です。
逆に『そのような場所は選ばない』と決めて移住先を考えるならまた話は別です。
それはそれでどうにかなるのかも知れない。

でもまてよ?
車の要らない生活を考えての移住?
それって今までとの暮らしに対して変化がないのでは?
それはそれでいいの?

『はい。いいです問題ありません。』
の方はそれでこちらもOKです。自信持って移住先に飛び込んでください。
その決心があれば、きっとどうにかなります。

『やっぱそうだよな。車あった方が良いよね。』
と少しでも頭よぎった方は、もう出来るだけ早く免許とった方が楽になれます。
そもそも免許代が無い。と言う方はひとまず置いといて。

免許は有るに越した事はない

それだけです。

車を買う

実際に車を買う時の話をしましょう。
新車から中古、軽から大型、と車種様々。
あまり今までの人生で車に興味を持っていなかった人からすれば「結局何を選べばいいのさ?」といったことになります。

そんな方へポイントひとつ

あまり車種などを深く考えずに車屋さんに行ってみましょう。
その時に考える事は、靴屋で靴を選ぶ時と一緒で欲しい靴のそれを明確にイメージしてください。

例えば、歩くのが好き、たまに走りもする、たまに軽いトレッキングにも使えれば嬉しい、おしゃれさより機能性、白はよごれるから避けたい、安い方がいいけど長く使えるなら少しお金出せるなどなど。
つまりは、

どのような靴を履きたいのか 

それさえ伝われば、あいてもプロなのであなたにあった一足を提案してくれるでしょう。分からない人がちょっと調べてNIKEがいいと思うんだけど、、なんて言ってしまった日には、靴屋さんはNIKEの中で探してしまいがちです。それは遠回りの話で時間の無駄。まずは用途をつたえましょう。車選びは靴選びと同じです。

メンテナンスはどうするか

私は整備メンテナンスがどうやら性に合わなかったようで、基本は乗って運転することが好きでした。
それでは冒頭のレッカーされていくシーンの話。
12/10レッカー前日。
車を冬タイヤに交換しようとして、エンジンかけたけどもかからない。。
ん?おや?あれれ?
何度試してみても動かない。
「あぁまじか。。」と声が漏れる。

車に故障と事故はつきものです。避けようと思っても完璧に避けられるわけではありません。その時々でどのように対応していくかがポイントだと思います。
この話は自動車保険のセールスではありませんw

昔バイクに乗っている頃から分かっていたのですが、整備メンテナンスなどのメカニック的な事はどうやら性に合わないようで、基本は乗って運転することが好きでした。

でもどうせ田舎で百姓やるならば、自分の道具のメンテナンスだけは最低限自分で出来るようになりたいと思っているので、苦手ながらもここまでいくつかスキルを積みました。作業レベルは問わず。
・タイヤ交換
・オイル交換
・ワイパー交換
・バッテリー交換
・電球バルブ交換
・脱輪救出
・バッテリ上がり救出
です。やりたくてやった事とやらざる終えずやった事。

人間一度やってみると覚えるものでへっぽこながらに小さな自信にはなりますが、車の大きな構造や仕組みを分かっていないので小手先メンテナンスくらいのことしか出来ません。それでも都会にいた頃に比べると少しは逞しくはなりました。

機械に故障はつきものです。

本当にその通り。
故障した→まじか困った→お金がふわぁっと消えていく
この流れで「あぁまじか。。」の声が漏れるわけですが、なんと言いますか出来ないことを人にやってもらう時点でお金は必要で、それもコミで車との関係性を築くのであって【車=金のかかるもの】とだけ考えないようにしています。

金のかかるものは悪。そう考えたら他のすべてのことがネガティブになってしまい移住希望すらままならない。
やめだやめだ!諦めも肝心、
そこから学びも大事。
ぐるっと回っていつか自分の役に立つ。
そう信じて、様々なトラブル、事故や故障と折り合いをつけること。

地方移住と車の関係性

地方移住と車の関係性、
そこから見える、
「挑戦」と「諦め」のバランス。
「委ねる」と「やり遂げる」のバランス。
自分の中での線引きを一本スッと引くことを考える時間。

都会にいた頃はそんなこと考えることも少なかったように思う。
任せっきりでも電車は動き、
寝たきりでも目的地には着く。

車を運転して目的地に向かう。
自分自身の地図を開いて、
自分自身の意思で道を決める。

問題に遭遇した場合は
自分が「できること」と「できないこと」に気が付く。

行きたい高さに手をかける。自分の筋力だけでなくて、先に行った人に助けてもらえば乗り越えられる。

人に助けてもらえばいい。

助けて下さいと声を出そう。自分の筋肉鍛えまくっている間に死んでしまうよ。
さっさと壁超えて、余裕があったら後ろ振り返って次の人に手を差し伸べよう。

移り変わり動く「移動」
移り変わり住む「移住」
移り変わり心変わる「移心」

移住することを考える、今の暮らしから次の暮らしへと移り変わる。
自分自身の心のありようも次第に移り変わるようになると、
車がどうとか免許がどうとか関係ない話だと後々になって気が付くのです。

そんな気付きがたくさん訪れる毎日が新鮮で刺激的で何をやっていても楽しい人生かと思います。甘えよう、委ねよう、楽しもう、動こう、変えよう。
今いる場所からちょっと外に出るだけで、今までの自分に変化を加える事が出来るはず。

結局のところ〇〇じゃなきゃいけないなんて決まりはないのだから。

最後に
これは黒ずくめのおじさんたちに囲まれた京浜東北線内の写真です。2013年に撮影されたものでしたが、奇しくも今日のちょうど7年前の12月11日でした。
(facebookが過去の思い出を見せつけてくれました)

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今思えば、まるでミヒャエルエンデの灰色の男達のよう光景です。

7年前、電車で運ばれていくだけの体。
今日、故障して運ばれていく車。
これは、ここに至るまでの変化の象徴か、それとも人生の教訓か。
自分の車を見送りつつ様々な想いが漂う。

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