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どうしても、のうしたい。

日頃、土に触ることない生活の方も多くいるかもしれない。土に触れること、農することへと関心が移ってきている時代だと感じます。

私が運営しています長野県東御市(とうみし)にある小さな宿、民泊おみやど。
8月は観光宿泊の繁忙期。しかしながらコロナショックの煽りを受けて宿の収入は7割減でした。
そんな中、宿泊予約は少ないながらも『農業体験』を希望される方の率が上がっています。

危機感は人の本能呼び覚ます

ヤバい時代に突入しました。
空を見れば大型台風に集中豪雨。
隣を見ればアルコール消毒に顔マスク。
下を見れば直下型地震気配。
これ不安を煽られる。

真実か否かより、不安を煽る情報がわんさかわんさかと降ってくる日常に恐怖や不安を感じつつ、心奥底でフツフツ湧いてくる「生き抜いてやる」といった生への執着。危機感は人の本能をよびさます。

生きるために必要なこととなんでしょう?
資産運用、名誉、社会的地位の獲得?

いや違う。
まずは衣食住の確保。
太陽と水、食物採集と厚さ寒さをしのぐ場所。
これに何よりの価値がある。


生活のクオリティ上げるよりもっと、生活のベース変える事で手に入れる物。デスクワークで社会的地位を100%確保していた世界を切り分けて、数十パーセント自然に還る時間を作る事が生き抜く本能だと感じます。

本能に言わせれば「どうしても農がしたいんだ」

畑に出ればどっちもへっぽこ

おみやどで実施している農業体験についてお話しします。

体験する方が初心者で、教える方がその道のプロ。
これが農業体験。
おみやどはちょっと違う。
教わる方も教える方もへっぽこです。
畑始めて4年経過。
自然農法に切り替えて3年目。
おみやど農夫は自称へっぽこ農夫です。まだまだまだ教えるなんてレベルではありません。

''ビギナーズマインド''とおしゃれに言えばそれっぽくなりますが畑に立てば誰もが1年生。教わるなら全ては自然から。の心持ちでやっています。
うまく行くこともあれば、失敗することもたくさんある。人間の思惑通りには全て進まないことを自然が教えてくれる。決して驕るなかれ。

農業体験は基本2時間です。
畝作り、種蒔き、苗植えなどなど、2時間あれば結構出来ちゃいます。
余談ですがこれ良く聞く話ですが、
1人だと1人前。
2人だと3人前。
3人だと5人前。
本当にこんな感じです。
人数が多いほど比例して作業効率がめちゃ上がるのが農作業です。

さて話を戻します。農作業体験してみて何が身に付くの?あなたは何を求めて農作業をやってみたいと思いますか?

野菜作りの手段とか方法は本を読み返せば分かること。そこに関しては私が習ってる先生達がもっと詳しく教えてくれます。
それよりへっぽこ農夫が伝えたい大事なのことは

『畑に立つことを体に覚えさせること』

農することが当たり前

農を畑を暮らしのなかに取り入れて当たり前にやるがちょうどいい。

なぜ無肥料無農薬なのか。
なぜ有機栽培ではないのか。
なぜお店で販売しないのか。
なぜ畑をするのか。
なぜ田舎暮らしを選ぶか。

これを全て口頭で説明するだけじゃ『農家やれてる感』が出すぎて自分で自分にウザイ。全部伝えるには一緒に畑に出て作業をするくらがちょうどいい。
農家やれてない感がちょうどいい。畑のど真ん中でYoutube観ながら作業の確認とかやってるくらがちょうどいい。
毎回植えるたびにポカッと忘れて本を開いて復習くらいがちょうどいい。


今度はなに植えよう?
今年はこうやって見よう!
今何が蒔けるかな?
来年はこれを作ろう!
そうやって明日のこと、明後日のこと、来月のこと、来年のことへ繋げていけば、
きっと上からの不安も隣からの不安も地面から不安も少し和らぐはず。

これは特別じゃないんだ。当たり前なんだ。

もちろん農を暮らしの軸に置くことで生計成り立たせている尊敬しちゃう立派な農家さんもたくさんいます。
そちらの暮らし望むならいつでも農のプロを紹介致します。やる気あれば大歓迎。

ベランダ菜園でもいい。市民菜園でもいい。家庭菜園でもいい。お米に麦に豆に野菜。綿に麻に藍もある。全ての人がこれら全て物が土から出来ることを畑に立って実感すればきっと世界は変わる。

withコロナと呼ばれる時代へ突入しても、不変的な農は強い。

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