さゆり奥様ストーリー【4】
目的地は決まっていなかった。
近所のコンビニの駐車場に車をとめ、軽食とホットコーヒーを買った。
「コーヒー……、旨いな」
朝に俺が淹れたコーヒーとコンビニのコーヒーを比べる。
今、手に持っているホットコーヒーは口にした途端、苦みのほかにフルーティな味がする。段違いに美味しい。
買った軽食を平らげ、俺はドライブ先をどこにしようか考えていた。
県外にドライブしたいな。
来週、仕事で県外に向かう予定があったから、下調べついでに行ってみようか。
目的地が趣味でもなく、仕事に関係する場所というのが虚しく思えたが、俺はカーナビに目的地を入力し、車を走らせる。
のんびり走りたいと思った俺は、高速道路に入らず、下の道を選んだ。
道路沿いには飲食チェーン店とラブホテルが並んでいる。
「……そういや、最後にラブホに行ったのいつだっけ」
普段考えないことが口に出た。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?