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押し込まれる理由(やられているのか?)

勝ち切れないですね。

今回はなぜ押し込まれてしまうのか。そして本当にやられているのか。この辺りについて考えていきたいと思います。

1 やられたように見える守備

図1

山形戦守備基本

今回大宮は慣れ親しんだ541のシステムで守備をしていました。よく感じるのは前半はうまくいっていたが、後半はうまくいかなくなり、押し込まれてしまう。なぜなのでしょうか。少し考えてみました。そしてどうすればいいのか。

図2

山形戦守備1

CFの脇が使われるのはしょうがないです。ただ山形戦もですが、ほとんど毎回やられるパターンが図2ですね。小島選手のコメントにもありましたが、相手SHが内よりの高い位置を取ることで、WBを釘付けにし、さらにシャドーの選手に後ろを気にさせることで、前に行きにくい状況を作っていました。

図3

山形戦守備2

それを嫌って、シャドーの選手がSBにプレスに行く場合、無理をしてるため連動しにくく、ボランチが遅れる。狙ってたかのように、ボールウォッチャーになるWB(仕方ない)の裏をSHがよくねらっていました。畑尾が対応のため、やられないですが、何回もありましたね。

ただ、見返していて感じたことは、しっかり対応できているということ。侵入されても、しっかりコースが切れており、クリャイッチが止めやすい形になっていたので、やっぱり最後はやらせない守備はきちんとできtりました。

もう一つ気づいたのは、序盤のような純粋な541というよりも、少しカウンターを意識してか543気味でSBにプレッシャーに行っている点。おそらく取りどころをサイドに設定しているので、外にもプレスに行くようにした。だからこそ、スライドの仕方を変えたのではないかと思います。ただその代償に、中が締めきれないため、ボランチ経由で中を崩されることが増えました。ただクロスは減りましたよね。

図4

山形戦守備3

もう一つは、山形がよくやっていましたが、とにかくCFが裏を狙い、541の5のラインを下げさせにいってました。その結果、541の「5」と「4」に瞬間的に空くスペースをよく使っていました

2 押し返せない理由

取り切れない、ビルドアップが引っかかるなど、当たり前のことは置いといて、感じたことを書きます。どこかで言いましたが、スプリントと連動性だと思います。

図5

山形戦守備4

例えばの一例です。出足が早く、ボランチのところで後ろ向きにさせるシーンが結構ありますよね。ブロック敷いてるから当然ですが…。

図6

山形戦守備5

そうなると、相手はボールを下げます。この時、イバは結構プレッシャーに行ってくれます。ただここまでfしか連動していません。図にもありますが、この場合、守備のセオリーは後ろ向きかつバックパスだからこそ、ラインを上げなくてはいけないんです。特にシャドーとWBは体力がきつくても、スプリントしてくれないと、プレスではボールは絶対に取れません。子スプリントとラインの上げ下げが本当に遅い。昨年までいたキクさんや塩さんなどはこの上げ下げを良くコントロールしていました。河本と畑尾は少しはやっていましたが、このコントロールをこまめにやってくれないと困る。ラインコントロールでシャドーやWBを押し出すイメージですね。
そうすればおのずと、取りどころはサイドですよね。ただ今回は後半から少し、中のボランチへのリターンを狙う意識を感じました。おそらく修正したと思います。だから、SB→ボランチのラインでつぶす機会が多かったですよね。運動量、連動性もそうですが、最終的には取りどころの明確化。試合中は選手が判断しないといけないと思います。

もう一つは、正直裏を気にしすぎているとは思います。もし出されても思ったよりやられていない。やっぱり大宮の最終ラインは対人に非常に強い。だからこそ、シャドーの選手はSHを気にせず、コースをできるだけ切ることを意識して、もっと前目に守備にいってもいいのではないかと思います。それでもやられないと思います。

〇大宮のサポーターが考えなければいけないこと(ゾーン守備の根本的なところ)

いろんなところでいわれている、ミドルを打たれること。山形の選手もコメントでありましたが、中央が固く、ミドルを打てば選手をつり出すことができる。また前述しましたが、SHが内に入るとSBには来ないということを言われていました。だからパスで崩す。できなければミドルを打つといわれています。これに対してなんちゃって守備とかいう方がいて正直ショックでした。しかもそのサッカーを引きこもりサッカーといっていました。本当にそうなのでしょうか?

以前記事のもしましたが、大宮の守備は中を締めて一番危険なペナルティエリア内を締めています。だからこそ一番やってはいけないのは、中にパスを通されることです。そのかわり、ある程度ミドルゾーンは打たせていいんです。山形の選手も言っているミドルゾーンから狙うのは作戦として当たり前ですが、中を崩せないならミドルは当たり前ですよね?いくら作戦といっても大宮の守備を考えれば、ミドルを「打たせている」のです。忘れてはいけないのは、守備時の主導権は大宮が握っています。失点シーンの多くは、クリアミスなど非常時が多く、山形戦は注目していましたが、クリアミスの失点シーン以外、ほとんど有効なミドルを打たせていませんでした。試合を何度も見返しましたが、しっかりペナ周辺ではプレスがかかっていました。

もう一つ言いたいのは、ゾーン守備についです。以前の記事でも書きましたが、基本的には「網にかける守備」なんです。大宮の場合はある程度、ミドルは打たせても(ここのところプレスに行きますが…)、はじいて回収すること、縦パスをひっかけさせる守備をします。これをみなさんはサンドバックとか侮辱しますが、そうではありません。こちらの想定通りの守備なんです。そのあと昨年は回収したあとに、フアンマ頼みでしたが、そこをつないではがすことで自分のリズムをつくる練習をしています。そこがひっかかるから押し込まれるんです。決して守備の問題ではありません。

3 押し込まれる根本的な理由

ここまで述べたことは改善は、実は自信をもって前に!というメンタル的なことをするだけでなんとかなるし、連戦なので、序盤のような中を締める541にすればある程度改善できます。むしろ問題はこの形にさせてしまうことだと思います。どうしてこうなるか。基本的には能動的にブロックを敷くパターンと非常時にブロックを敷くパターン。特に後者がまずい。

〇能動的なブロック

相手陣でプレスをかけても取り切れないとわかり切っている場合に、いち早く帰陣してブロックを敷くパターン。これ、かなり批判している人も多いし、北九州みたいにガンガン前からプレス行けという人がいますが、これに関しては一言言わせてください。絶対に大宮のほうがこの対応はうまい…というか使い分けがとてもうまい。理由はいろいろですが、昨年の大宮や石井サッカーみたいにこれに偏重する場合、失点も多くなり、波の激しいサッカーになる。見てるほうは楽しいと思います。頑張りが見て取りやすいから。ただ大宮はこのサッカーを目指してはいけない。昨年まででわかっているはずです。これでは勝てない。J1で戦えない。戻ってはいけないんです。使い分けできることを武器にしているんですから。

準備してこちら主導でブロックを敷いた場合の大宮は本当に硬い。この場合取りに行くよりも、網にかける守備を意識すれば、対応ももっと簡単になるようにみえます。

〇非常時の守備

いわゆるカウンター。攻撃のミスからポジトラで奪回できなパターン。これが多い。ポジトラに負けてるのではないんです。サイドの浅い位置やCBの苦し紛れの縦パスからのセカンド回収など、選手間の距離が遠いor予測しないところで取られる。特に後者が本当に多い。メンタルといわれている部分ですよね。とにかくシュートやクロスで終われないこと。これにつきます。これだけ追われないと、カウンターでばたばたでブロックを敷くことになりますので厳しい。それだけ言っても仕方ないので、ここ数試合で気になっている攻撃について触れていきたいと思います。

〇CHのCB化(三門選手のCB化)

序盤より逆サイドに展開少ないですよね。何故でしょう。少し考えたときに疑問なのが、CHのCB化です(4141みたいな形)。

図7

大宮のビルドアップ

大宮のビルドアップで一番再現性の高い攻撃が図7です。CB、WB、CHの連携でシャドーまでボールをダイレクトプレーでつなぐこと。今まではここからうまくいかないこともあったけど、この後にイバに預けてさらに展開など、とにかく図7のようなビルドアップを何度も見るしかも、簡単にはがせている。確実に仕込んでいますよね。ただこの後に逆サイドへ展開がほとんどなくなりましたよね。

そこで疑問なのはCHのCB化です。三門選手のパスセンスもあると思いますが、問題はそこではありません。大宮の得意な上記のようなビルドアップにまったく関与していないことが問題です。しかも相手選手は降りていくボランチにほぼついていこない。おそらく上記のビルドアップに加えて、ボランチからパスをだすことで、ビルドアップをする場所を増やす目的でしょうが、全く意味がない。というか、この形をするのに必要なポジションチェンジや出し入れが絶望的にできない。今年の大宮は自分のゾーンを基本崩さないので、悪手ではないかと思います。であれば、大宮のボランチの展開力を生かして、ボランチが降りていかず、逆サイド展開を狙ったほうが効果的ではないかと思います。またボランチが二枚高い位置にいることで、取られた際の切り替えからの奪取を狙いやすいのではないかと思います。そうすれば必然的に押し込まれにくくなると思います。

4 最後に

まず、イバ選手について。加入したんだから戦術イバ、ロングボールをすればいいとかいう意見を聞きますが待ってほしい。彼を取ったのはそのためですか?絶対違うと思います。当然その役割もあると思います。ただ取った理由は「決定力」ではないですか?最後のゴールのところを添えるだけ。そのために取ったと思います。ここでロングフィードとプレスのみのサッカーでは昨年とまったく同じです。勝ち点は取れるけど、未来はない。そう思います。

次に戸島のシャドーについて。現地に行って気づきましたが、セカンドボールとターゲットマンの役割だと思います。守備がダメすぎてすぐ変わりましたが…。ただ現地で見ていて気付きましたが、CFが競り勝っても、ボランチのところで回収できない。どうにもならないですが、小野選手の身長の部分でミスマッチが生まれてしまい、まったく浮き球が回収できていませんでした。

最後に、大宮の至宝である高田選手のCF起用です。アーセナルを見ててもそうですが、フィジカルで収める選手は多くない、コントロールや置き所でしっかり収めている。小島選手がやっていますよね。高田君は置き所もそうですが、ワンタッチでドリブル開始して流れることで、収めていました。この形の収めるのはなかなかできない。素直にすごいと思いました。これは将来有望ですね。守備に関してはいろいろありますが、小島選手がかなり指示して修正させてました。少し感動しました。

色々言われていますが、内容は好転してると思いますし、相変わらず面白いサッカーをしていると思います。勝ち点はついてきてないけど、難しく、完成したら強い力を発揮できるサッカーをしていると思います。頑張ってプレスする、点を打ち合う、守備してないのを目をつぶって攻撃だけ見てそのチームだけほめる。結果も大事ですが、もう少し内容や進歩を見てみませんか?選手は考えてるし、変化もある。見ようとしていない人が多いように思います。最後にみんなで笑いあうために、確かな土台を作るために、今までの大宮を変えるために、罵倒や中傷だけではなく、後押ししてみませんか?

では今回はこの辺で!


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