大宮アルディージャのゲームプラン
連敗脱出!
今回は前回見たいと言っていた、リスクを負わないこと。ではどこでエンジンかけているのか。そのあたりに触れながら、攻撃パターンを見ていきたいと思います。
基本的なことは上記の記事に書いてあるので、ご一読を!
ここからの記事を見るときに、絶対に抑えておきたいのは、とにかくリスクを負わないということです。
その前に、まずは守備から…特に縦パスを入れられた理由に関して考えてみましょう。
1 HVの持ち上がりによるスペース創出
大宮の守備の弱点をおさらいしましょう。
これは4バックの例ですが、CFの脇が基本的には空きます。考えやすいのはここをどう崩すかが一番簡単なポイントですよね。
松本がボール保持している場合、HVとWBが一列ずつ上がって、244を構成してました。
その状態で、ボランチとのパス交換でマークをのずれを生んでから縦パスを入れること。またCBのフィードがうまいので、バックパスにつり出された前線の選手をまくるように、裏へフィードを蹴っていました。
大宮の場合、外はある程度やらせるスタイルなので、HVにはある程度やらせる必要があります。そうでなければWBが前目に守備するか…。ただ高木監督は前者を選択しそうですね。
2 攻撃の変化1 前半飲水前後の攻撃(25分前後~後半65くらいまで)
飲水タイムまでは、ある程度各々がポジションを守り、いつも通り大宮はリスク負わないため、守備ブロックを崩せないいつも通りの展開になりました。変化があったのは飲水タイムからですかね。
ブロックを敷いている相手を崩す場合、上記の記事でもいろいろ書いた中で、ポジションチェンジを繰り返すことで、守備ブロックを崩すこと。これがリスクを負わない攻撃の答えの一つではないかと思いました。
有効な攻撃が少しずつ出始めて、その中で狙いとして見えたことに、2つあります。
〇試合を通して
ここから先を話す上でもそうですが、基本的に大宮のビルドアップはシャドー及びCFに縦パスを通すことが狙いということが一貫しています。実は今回、HVからHVへのパスが結構多かったですよね。目立たないですが、ここで触れておこうと思います。
〇疑似的4バック(リスク負わないパターン)
※すみません、下の図のボールホルダーはHVです…。
一つ目は疑似4バックや疑似サイドバックといわれるパターンです。シンプルに言うなら、HVが上がったスペースをDHが埋めることで、その時だけ4バックを形成しているということです。
特に上記の図のようにWBが内に入り、シャドーが落ちて菱形を作るパターンですね。ポジションチェンジを繰り返すことでマークをずらそうとしていますね。特にこのパターンの場合、大きいのはポジションチェンジを繰り返すだけで、自陣の人数にほぼ変化がないので、ほとんどノーリスクで行うことができる点です。
このパターンの場合、渡部選手・翁長選手の運動量を生かした裏抜けで空いたスペースに斜めのパスでCFに預ける。これが一番多いパターンでしたね。ただビルドアップに人数を割いている分、逆サイドのWBが斜めに入る+逆シャドーがCFの近くによることが鉄則で、それがどこか一つでもかけると、前線に人数が足りず、バックパスになり、ゴール前が怖くないということになってしまいます。
そのため、人数が足りない中で崩すためには「個人技」が少なからず必要になると思います。だからこそ、奥抜・ハスキッチ・イッペイのスタメンではチャンスができていましたよね。特にイッペイはアイディアもありフリックなどもうまいので、このパターンでは必要不可欠ですね。
〇疑似的4バック(リスク負うパターン)
もう一つのパターンは、リスクを多少負う形の攻撃ですね。
上記の図のようにHVがDHの横に持ち出すことは変わりません。大きく違うのは、ボランチが落ちてこないこと。二列目の人数を多くする形の4バック…というか疑似2バックのような形をとっていることです。
その場合、先ほどと違い、三角形を形成してビルドアップすることになります。ではどのような変化が考えられるだろう。一番の変化は前線に人数をかけられるということです。
前線に人数がいるだけでこれだけ選択肢ができます。当然ですよね。複雑な説明は今回省きますが、数多くの選択肢があるということを覚えておければいいでしょう。
ただこの攻撃にはリスクがります。当然、ボランチが高い位置を取るため、例えばHVが出ていったスペースなどを使われればピンチになってしまいます。
3 76~70分以降(スペースを狙う攻撃)
後半顕著だったのは、WB、シャドー、CFの裏抜けと縦パスの本数ですよね。疑似的4バック(リスク負うパターン)。これを取り入れた攻撃をしていました。
次の試合も見ないとわかりませんが、これはゲームプランではないかと思います。ブロックを敷く守備「だけ」をする場合、かなり後ろに運動量が求められます。しかも前線からもプレッシャーに来ていたので余計ですね。だからこそ、スライドがずれてスペースが生まれます。疲れさせるということですね。そのため、リスクを負うビルドアップもリスクにはならなかったことがわかります。
だからこそ、前線二枚投入後にはすでにスペースがかなりあった。戸島がよく見えたけど、それだけでなくハスキッチ・奥抜・イッペイがリスクを負わなくても攻撃を成立させてたことが1得点目につながったと思います。
ただ惜しむらくはこの展開では、最低2得点以上が必須でしょう。これは課題ですよね。
4 最後に
色々考えて複雑になりましたが、「リスク」を負わないを試合中に見る簡単な方法はないか。大宮は基本的にポジションをずらしても誰かがそのポジションを埋めるように攻撃してますよね。だからこそ、
誰かがそのポジションを埋めなかったときが攻撃のスイッチ
おそらくこうなのではないでしょうか。もう一試合見てみたいので、その時答え合わせになると思いますが、ぜひここ観点をもって見てみたいと思います。
最後にハスキッチは前半いい仕事してました。球際クールだし、周りとずれてるように見えたけど、それは反復だし、あれだけ密集される前半はだれでも難しいです。それでも攻撃を成立させていたことはすごいことです。
またリスクを負わなくても点が取れれば理想。そのためにはイッペイ奥抜(+黒川)ハスキッチを前半から使って、最後は三枚(+WB)で完結させるほうがいいかもしれません。正直、そのバランスがとれる菊池選手がいないのは誤算ですが、前半は個、後半は連動性がいいのではと思いました。相手ありきですが。ただ忘れてはいけないのは、どっちにしても縦パスを入れる設計はかなりされていると思います。もう一つですね!
では今回はこの辺で!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?