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「嘘つきなふたり 」を読んで

 今日は、嘘つきなふたりを読んだので感想文を書こうと思う。

 この作品は、武田綾乃さんによって書かれ角川書店から出版された作品だ。以下に公式サイトの紹介文を載せる。

『私が先生を殺したの』 “正解を選ぶだけの人生”からの逃避行がはじまる
誰か教えてほしい
恋愛や親友の定義を、人生の模範解答を――

親元から離れ寮で生活する19歳・朝日光は、小学校の同級生だった長谷川琴葉と偶然再会する。
当時の担任が川に転落したニュースが飛び込んできて動揺していると、
琴葉が「私が先生を殺したの」と告白、そのうえ一緒に逃げてほしいと言う。
しかし光は先生を殺した犯人は琴葉ではないと確信していた。なぜなら――。
互いに秘密を抱えながら、ふたりは小学校の修学旅行先だった京都に向かう。

『愛されなくても別に』の著者が描く、愛と友情と嘘だらけの衝撃作!

KADOKAWA

 私は以前、武田綾乃さんの作品「可哀想な蠅」を読み、自分の感覚に合っていると感じたので今回「嘘つきなふたり」を選んだ。
光と琴葉が修学旅行先だった京都を巡りながら会話が進んでいくのだが、その中で小学校時代に経験した事を回想していく。

 この物語を通して、私自身も修学旅行を思い出した。
会津若松、東京、大阪京都と修学旅行に行った。
自由行動の時間もあったし、集団行動は詰め込まれたスケジュールだった。
その当時の担任のことはうっすらとしか覚えていない。
逆に、「嘘つきなふたり」に出てくる担任教師の中山の様な人物がいたことを覚えている。子供たちから人気で、保護者からの評判も良かった。ただ、私は眼鏡の奥に潜む闇の様なものを感じていたのでなるべく近付かないようにしていた。実際どんな人物だったかは不明だ。

 人間誰しも人に言えないことはある。そんな事を二人が少しずつ話していくのは、小学生時代にしっかりと友達としての関係が築けていたからだと思う。私自身は、その場限りの友達しか作らなかったので現在続いている相手は誰もいない。どこで生きているかもわからない。
 また同窓会のシーンについての表現方法は、こういうのものなんだろうなと理解することができた。私は一度も同窓会に呼ばれたこともないし、これから呼ばれることもないだろう。万が一会ったとしても、参加するつもりはない。何を話せばいいのかわからないし、誰も私のことを覚えている人はいないはずだからだ。

 最終的にはお互いの嘘を理解してそれぞれの道を進む。
終わり方は綺麗で心もすっきりとした。
登場人物をわかりやすい文体で書いているので、どの年代も安心して読むことのできる作品だと思う。
これから少しずつ、武田綾乃さんの作品を読んでいきたい。

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