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つぼ焼き芋のつぼをつくって

ユニクロ針金 16×60m 1kg ¥558
ヒートン(ニッケルメッキ)#8 ¥128
駄音 浅鉢 10号 ¥1,316

 レジでもらったレシートにはそう記されていた。合計2002円也。

 これらの素材を使って、つぼ焼き芋の「つぼ」づくりをしようと、今日は動いてみた。ちなみに、参考にしたサイトはこちらでござい。

 記事を見ればわかるけど、至極簡単な作業手順で、つぼができてしまう。インパクトを使って、鉢に穴を空け、ヒートンを通し、針金で芋を吊るすための細工をつくればいいだけである。わりとすぐに出来ちゃうのに、なんで今までやってこなかったんだ? と我ながらびっくりするレベル。

 つぼは買おうとすると高いけど、DIYでクオリティを気にしなければ、3000円もかからないのだ。飲み会一回分以下でつくれてしまう。消費ではなく生産手段を持ててしまうのが長期的魅力であり、投資とも言える。こういう遊びが増えていくと、日々はどんどん面白いほうに転がっていく。

 サイトを見ながら実際につくっていくと、簡単ながらも「あれ?」と思うことがたくさんあった。つくり方でなんとなく分かったつもりになっていたものも、「この部分ってどう形にすんの?」と疑問が湧くし、そこに汗をかく。普段使っていない”ものづくり思考”が求められるし、普段やらない所作を繰り返しながら手を動かしていく。このときにぽうっと生まれ出る感覚が、狂おしいほどに愛おしい。

「よくわからんけど、とりあえずやってみる(つくってみる)」

 どうせ2000円ちょっとの出費である。いろいろ失敗して次に生かせるならそれで全然いいじゃないか。どんな形でも一通りやってみて、プロトタイプをつくることで、本番へのシュミレーションをこなせる。そのくらいの尻軽な気持ちでいいじゃないか。そういうフッ軽さはわりと好きだ。

 そうそう、このつぼをつくったことで、実際に焼き芋も焼いてみることができた。すると、火を入れる時間、どのくらいの温度で芋を入れるのがベストなのか、などテストができる。1時間、1時間半、2時間とパターンを変えてやってみると、確かに芋の状態は微妙に違う。その中から「これがつくりたかった!」という絶妙なあんばいを探っていく。自分に合うレシピは自分でつくる。この実験工程がじつは一番楽しめるんじゃないだろうか。

 それに、自分で実際にやってみることで、”あの味”を出すための手間を実感することもでき、「焼き芋屋さんがなんであの値段で焼き芋を売っているんだろう?」の謎も解けてくる。自分の手でやって、汗をかかなければわからない感覚ってのが世の中にはありすぎる。

 焼芋つぼでzineでも料理でもイスでも何でもいいけど、何か一つをDIYしてみることは、自分の暮らしをどれだけDIYしていけるのか、っていう可能性を考え探るきっかけの一つでしかない。

「次、いってみよー」

 そういえばザ・ドリフターズのいかりや長介さんは、そんな名文句を持っていたけど、その楽し気なノリに乗っかって、「次、どんどん、やってみよー」の精神で、あまり難しいことは考えず、フッと動けるくらいがゆるやかに生きていくには丁度いい気もする。頭だけで考えているより、実際に動いて、身体で考えるほうが、スッキリすること、納得できることも多いわけだしね。

 そうそう、スッキリの逆でモヤモヤを焼き芋を通して扱えるなぁ、とふと思ったので、そういう企画もどっかでやってみるよ。お気楽にはじめて、とりあえずやってみてから、後先は考えるとして。死ななきゃ何したっていいよ、と自分自身に許可を与えてみる。


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