見出し画像

売り手の″情″も価格に組み込む

過去日記でも触れることのあった「大山崎 COFFEE ROASTERS」の中村さんのnoteを読んでいて、ふと思ったことがあったので、Facebookに覚書き程度にぐだぐだ書いていました。

【価格に余白を】生活と仕事のどちらであっても、つねに数十%くらいは余白をもたせて、どうにかやっていきたいと考えてる身としては、お金のこと、とりわけ”値付け”について関心がある。自分の基本的な思想は、恩送り的なもんに基づいているっぽくって、いろいろと調べてたどりついたのは「贈与経済」をもうちょい掘り下げて学んで(実践して)みようかというもの。価格を決めることは、それによって近づける/遠ざけるものがあるけど、逆に、価格を決めないことで、広がっていくものもある。「あなたが感じたもので」で価格幅がでてくる、投げ銭スタイルのおもしろいところはそこにあるんだろうなーと思っていて、だからとりあえず今は、な〇の宿もそれで実験していくことにした。(実際には、3層に分けた価格設定で試してみようかと思っているんだけど、それについては別途書きまとめてみる)

あらためて振り返ってみても、中村さんのnote記事は、「商売をはじめる」、あるいはそこまでいなくても「お金をもらって何かをする/つくる」ことを意識的にやっている人にとって、良い問いだよなぁと感じるんですよね。

あと、「3層に分けた価格設定~別途書きまとめてみる」の部分について、ここで整理してみようかと思いまして、今こうやって打ち込んでおります。

お金はフィルター

「高い!」とか「安い!」とか、はたまた「妥当だ!」だとか、いろいろな反応があり、どこが一番いいあんばいなのか?と不安もあるなか、どうやって自分のつくるものの価格を決めていくかって、やっぱり考えこんじゃうことだと思うんです。

自分の商いをつぶさない程度でやっていくためには、「最低このくらいもらわないとなぁ」とか原価なり家賃なりを考え、逆算してみて、この価格にしよう!と決めたりしますよね。

経済性だけを考えちゃえば、そういう考え方で決めていくのがいいと思うんですけど、ぼくはそれに対して違和感がずっとありました。

それは、メディアづくりに関わった経験が一つあったかもしれません。読者(ターゲット)に合わせて、企画やら文章・デザインのトンマナやらを考えて、記事づくりをやっていくじゃないですか。そこで、”絞ること(最適化してくこと)”が大事じゃないかと感じていたんですよね。

情報発信は、人を「引き寄せるため」にすることもあれば、(ターゲットじゃない)人を「遠ざけるため」にもやっている。人と人、商品と人をうまくマッチングするためには、遠ざけるための仕組みってやっぱり必要です。

地方のとあるゲストハウスの取材をしたときに、「意識的に、宿料金を高めに設定してる」という話がありました。それは、「『ゲストハウス=安宿』と思っている人(わりかし日本人)は、うちの宿に合わないと感じたから」というものでした。

実際に、そのゲストハウスは、海外のお客さんがユーザーの半数を占めており、旅慣れしていて、ただ「泊まれればいい」というよりも、良質な宿泊体験をしたいと思っている人が多いようでした。

お店のテイスト/思想/哲学と合わないお客さんにムリに来てもらう必要はない。むしろ、それによって辛いレビューを付けられるくらいなら、この場を好んでくれたり、楽しんでくれる人をより引き寄せたほうがいい。

そう考えてみると、お金というのは人をフィルタリングするためのものでもあるんだと思ったわけです。「○○な人に来てもらって、△△な体験をしてもらいたい」というイメージがあればあるほどに、価格設定はめちゃくちゃ意識するべきだよなぁと。

少なくても、地方の田舎でやっていくぼくとしては、都心部の「宿泊人数最大?00人超えます」という大量生産大量消費的な、顔の見えづらく、コミュニケーションのうすくなりがちな宿を目指してもしょうがないし、安宿でマナーのわるい(めんどうくさい)お客さんを自ら引き寄せるドMなことはしなくてもいいとも感じます。

「お金はフィルター」

よくよく考えてみれば超当たり前のことなんですけど、数字の計算だけじゃはじき出せない、お客さんの宿泊体験を想像してみたり、宿の運営する側の”情”を汲むと、やっぱりそういう考え方で値付けをやれたらいいよね、って思うんです。

関係性が近い人ほど振れ幅があってもいいのかも

そういったなかで、「3層に分けた価格設定」に進んでいきたいと思うんですが、わりと前段が長くなっちゃたので、、これについてはまた書いてみます。ってことで、次は「関係性が近い人ほど振れ幅があってもいいのかも」という話から!

この記事が参加している募集

もしも投げ銭もらったら、もっとnoteをつくったり、他の人のnoteを購入するために使わせてもらいます。