認定NPO法人大阪精神医療人権センター

精神医療および社会生活における精神障害者の人権を擁護する活動を行い、精神障害者に対する社会の理解を促進し、障害の有無にかかわらず、人間が安心して暮らせる社会に一歩でも前進させるべく貢献することを目的としています。https://www.psy-jinken-osaka.org/

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精神医療および社会生活における精神障害者の人権を擁護する活動を行い、精神障害者に対する社会の理解を促進し、障害の有無にかかわらず、人間が安心して暮らせる社会に一歩でも前進させるべく貢献することを目的としています。https://www.psy-jinken-osaka.org/

    最近の記事

    北海道で活動開始!精神科アドボケイト

    なぜ、アドボケイトが必要か神戸の神出病院、八王子の滝山病院など、報道されている精神科病院における虐待事件はほんの一部です。なぜならば、病院内からSOSを発信することがとても難しく、職員の内部通報も簡単ではないからです。 精神科病院は、密室性が高く、閉鎖的で、虐待が起こりやすい性質であるにもかかわらず、外部からモニタリングするしくみもまだできていません。 つまり、病棟内での出来事は簡単に隠蔽され改ざんされます。 また、入院中の方の側に徹底して味方し代弁する「アドボケイト(権利擁

      • 2022年630調査-精神保健福祉資料からグラフで考える精神科病院への入院

        精神保健福祉資料630(ロクサンマル)調査とは、毎年6月30日を基準日に全国の精神科病院等の状況について厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部精神・障害保健課が実施し公開する資料です。 2022年度の資料に基づき、とくに強制入院(非自発的入院)にかかわるデータを図表化しました。 調査では、長期入院、身体拘束、強制入院といった基本的人権を侵害する現状に劇的な変化がなく、法や政策が機能していない状況が浮き彫りです。 私たちは、精神科病院をとりまく様々な問題に「人権」をキーワードと

        • 精神科入院中の方の電話相談│兵庫

          精神科病院入院中の方の権利擁護や虐待相談の問題は、大阪に限ったものではなく、各地で人権侵害のニュースが相次いでいます。 兵庫県では神出病院の虐待事件について、兵庫県精神医療人権センターが現在も真相解明へ向けた活動を行っており、電話での相談も受け付けています。(木曜・午後1時~午後4時・078-612-0876) 精神科病院入院中の方から寄せられる相談2022年に実施された、精神科病院に入院中の方向けの全国一斉電話相談キャンペーンの成果報告によると、「入院に納得がいかない、退

          • 神出病院事件を風化させてはいけない

            神出病院事件問題の解決を目指す緊急市民集会 事件発覚から3年 2020年に発覚した入院中の方への虐待事件は、第三者委員会による調査報告書が提出され、本日の集会は第三者委員会委員からの報告を中心に開催されました。 報告内容はとてもショッキングなもので、メディアで報道された内容も惨いものでしたが、それでもソフトな表現になっています。集会で報告されたことは、実際の性的虐待の様子や暴行の描写などたいへん生々しく、サディスティックで嫌悪感を抱くものでした。しかも報道された虐待事例は

            神出病院事件は解決に向かうのだろうか

            神出病院(かんでびょういん)は、兵庫県西区にある465床の精神科病院です。 2020年に発覚した入院中の方への虐待事件は、第三者委員会による調査報告よると、2009年以降で84件の虐待があり、27人の看護職員が関わっていました。組織のもつ「患者の人権を軽視する風土」は前理事長らの過度な利益追求が生みだしたと結論を出しました。 報告書はそれまで伝えられていたところを超える事態の深刻さ、根深さを伝え大きな衝撃を与えましたが、問題は解決に向かおうとしていません。 事件の風化をゆるさ

            精神障害者の「お金」と「権利」

            精神障害のために働くことができなくても、経済的に保障されることは「生きるための権利」です。 厚生労働省の調査によると精神障害がある3割の人は1か月の平均収入が6~9万円でした。2割の人は0~1万円未満です。 例えば、障害者年金と生活保護は生活を支えるため大きな柱となる制度です。他にも、様々なお金にまつわる支援を受けることができるかもしれません。 2019年の年金支給額は、55兆円でした。ほとんどは、高齢者が受け取る年金ですが、20人に一人は障害年金を受給していています。

            入院中の方からテレカが届きました!?

            大阪精神医療人権センターの活動にご参加くださるみなさま いかがおすごしでしょうか。 いつも当センターの活動にいろいろなかたちで ご参加、ご支援をくださいましてまことにありがとうございます。 新年度の始まりの時期なので環境が変わった方、 お忙しくされている方もいらっしゃるのではないでしょうか? いつも事務局からの連絡はお願いがほとんどなのですが 今日は少し近況のご報告です。 実は今日、入院中の方から100度のテレホンカードが届きました。 コロナの前から面会にいっている方

            精神科病院へ訪問してレポートを公開する活動は今どうなっているか

            精神科病院での差別的な感染症対策や閉鎖空間での虐待報道が増加しています。現在多くの病院や施設で面会が禁止され、以前にもまして閉鎖的な環境となっています。精神科病院に訪問する大阪での活動は23年継続されていましたが・・・現在の病院訪問活動の現在をお知らせします。 クラウドファンディングから約1年 大阪精神医療人権センターの病院訪問は、大阪府内の約59ヶ所の精神科病院、毎月1か所、約5年かけて一巡し、公開されたレポート一冊にまとめて発行しています。 2020年には8冊目になる「

            暴れた理由をきかれていたら~講演会をふりかえって ~

            2021年11月28日講演会が開催されました、実際に精神科病院への入院を体験した精神医療ユーザーが登壇。参加者のアンケートでは、この体験談へのリアクションが多くあつまり、現役の医療機関勤務スタッフからの感想もありました。 シンポジウム当日に語り切れなかったことをnoteで公開します。 webサイトでは、質疑応答とアンケートの声を公開中です。 まとまらない言葉も聞いてほしかった普段から主治医は「言いたいことはノートにまとめて下さい」とおっしゃっていました。決して「上手にまとめ

            【マンガ】法律を変えた!大和川病院事件を知っていますか?

            メディアにより、報徳会宇都宮病院での新たな不正が報道されました。大阪精神医療人権センターは、1984年に発覚した宇都宮病院看護者による傷害致死事件に衝撃を受けた精神障害当事者、家族、医療従事者、弁護士、一般市民などが集まり、1985年に設立した団体です。 2月8日、宇都宮地裁に訴状が提出され、この度の事件は裁判で争われることになります。 38年前より改善することのなかった精神科病院の「構造的問題」は、特別な医療機関だけのものではなく、日本各地において現在進行形で権利侵害や虐

            精神科入院中の人権侵害、誰に相談すべきか│電話相談開催

            何度退院したいと申し出ても、退院に向けた動きが始まらずに1年が経過。信用できるスタッフもおらず、外出が制限され、電話と手紙がSOS発信できる残された手段…2020年の調査では精神科に長期入院中の方が16万7124人存在しています。長期間の入院は人生の時間を奪う幸福追求権の侵害です。 2月に精神科病院に入院中の方とそのご家族を対象に権利侵害に関する全国一斉電話相談を実施します。 親の同意で医療保護入院になりました。退院したいです。 入院の必要性がない場合や、任意入院できる状態

            総額5,317,120円、NPOへの寄付で世の中を変える活動に参加する

            大阪精神医療人権センターは認定NPO法人です。ご寄付をしていただいた場合、確定申告によって『税額控除』を受けることが出来ます。12月末日までに頂いた寄付金について、1月に領収証を発行し、確定申告を行うことで控除を受けられます。 私たちの活動・運営はみなさまのご寄付によって支えられています。 ご寄付は、精神科病院に入院している患者さんの権利擁護活動のために有効に活用させて頂きます。 どのような寄付が集まっているでしょう 2019年にお寄せいただいた寄付は、総額5,317,1

            精神医療と人権│Mental Health and Human Rights

            We are an advocacy group for mental health in Osaka. It is said that psychiatric care in Japan lags 50 years behind the rest of the world. Japan has the largest number of hospital beds in the world and about 20% of the world's psychiatric b

            大阪精神医療人権センターの活動に同行して

            2021年10月18日、大阪精神医療人権センターの活動の視察に来られた堀合悠一郎さん(神奈川精神医療人権センター)に感想をお聞きしました。 大阪の病院長へのインタビュー~いい意味での緊張感~浜寺病院の野木渡院長へのインタビューに同行させてもらいました。大阪での病院と精神医療人権センターの間についての経験をもとに、第三者が病院の中に入っていくことへの心配や気を付けてほしいことをお聞きできました。 オフィシャルの話とオフレコな話(本音や個人としての思いのようなこと)が自由自在

            精神科職員からの告発も簡単ではない

            大阪精神医療人権センターには、入院中の方だけではなく、勤務している職員からの相談も寄せられます。しかし電話やメールといった手軽な手段でさえ、そこまでに至る不安と葛藤によって簡単な行動ではありません。 看護倫理や組織の壁を前に燃え尽きる専門職、家族依存を前提の医療福祉体制。精神医療の人権侵害による傷つきは入院中の方だけではなく、ケアにあたるスタッフやともに生活する家族にも深く爪痕(心的外傷)を残します。 この春、勤務する医療機関で起こった問題に関することで、大阪精神医療人権セ

            2020年度630調査-精神保健福祉資料からグラフで考える精神科病院への入院

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