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good night

「冬眠中のクマのお尻ってガビガビなんだって。
寝てる間に排泄しないように松脂を食べてお尻に栓して寝て、寝床を綺麗に、栄養が蓄えられたままになるようにしてるんだって。それで起きたら薬草だったか繊維質のもの食べてしっかり出して綺麗にスッキリするらしい。」

「あとね、眠る前のクマのうんちは、芳醇なワインみたいな香りらしいよ。いっぱい栄養とってるからかな。それでね、冬眠してる間、自分の中で栄養循環させられるんだって。すごいよね。」

深夜の電話。クマについてひとしきり話すと安心したのか「それじゃあ、おやすみ。あたたかくしてね」と言って切れた。

もしかしたらどこかの穴蔵からの電話だったかもしれない。クマと暖かそうに寝支度をする彼の姿を想像しながら、私も眠りについた。

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