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甘やかされて生きている

取材で地方出張した夜は、ホテルの部屋に一人きり。

静寂の中で、自分のことだけしたら良い時間って贅沢だ。(と言いつつ、出張前に仕上げられなかった宿題を持ち込んでいたので結局粛々と仕事していただけなのだけれど)

1日に数件の取材を詰め込むと、帰ってくるころには頭がパンパンになっていて、ホッとした瞬間に体のこわばりに気づく。

臆病な私は、ものすごく楽しみにしていた場所に行って会いたかった人に取材できたとしてもとても緊張している。貴重な時間を相手にとってもらっての取材。慎重であることは良いことなのだろうけれど、聞き逃し撮りこぼしはないだろうか?粗相はないだろうか?この内容で記事は本当におもしろくできるだろうかもっと良くならないだろうか・・・気になる事が次から次に頭をよぎり高速回転する。嬉しくて興奮しつつも胃痛がする。

その存在は、それが解ける瞬間までわからないのだけれど。

・・・・

二日間の徳島取材を終えて、今日は夫の両親の家にいる。

本当は昨日そのまま横浜に帰るはずだったのだけど、最後の取材先さんが遅くまでお話を聞かせてくだることになったので、家には帰らず香川へ。

夫のいない夫の実家。

この字面だけ見ると、結構な「緊張スポット」感がある。

だけど駅の改札を出たところまで迎えに来てくれていたお母さんの顔を見たら、ホッとして鞄が急に重くなった。

緊張の糸がゆるんで体が柔らかくなる瞬間。夫レスでやってきたのに喜んでくれるのも嬉しい。

家に着くと、すでに暖められたふかふかのお布団が用意されていた。昨年から体を壊したり怪我をしていたお母さんのお見舞いにきたのに(だいぶ元気になっていてホッとした)、私がお世話してもらってしまっている・・・。

ゆっくりと眠って、今朝はお父さんと3人で瀬戸内海を眺められるカフェで一緒にお昼ご飯を食べてきた。

緊張状態だと感じない、筋肉痛と肩こりをしっかりと感じる。
ああ、わたし今とてもリラックスしている。ゆるゆるしすぎてまた眠ってしまいそう。


瀬戸内海には私の母の田舎があり、子供の頃から馴染みのある場所。
そこにまた新たな自分の居場所ができたこと、安心できる場所が増えたことが嬉しい。

実は最近、都内にも新たにホッとできる場所ができた。こちらはとあるオフィス。
この場所も夫が運んできてくれた。

優しい人に囲まれて、今日も甘やかされて生きている。

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