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カールじいさんの空飛ぶ家(2009) 「人生という名の冒険」
愛する妻に先立たれた孤独な老人カールが、少年ラッセル、そして「空飛ぶ家」と共に、幼い頃に夢見た伝説の滝を目指すロードムービー。切ないメロディーと美しい色使いで、人生という冒険を鮮やかに描く。現ピクサーのCCOピート・ドクターが送る、老若男女楽しめる優しいファンタジー映画です。
何と言ってもこの映画の代名詞は、カールじいさんの半生を描いた冒頭のサイレントシーンでしょう。この「至高の4分20秒」は、
アナと雪の女王(2013) 「愛と恐れを育むもの」
ディズニー初のダブルヒロインに、強めのミュージカル演出、華やかな絵面と強いメッセージ性で、新生ディズニーを世界に知らしめた記念碑的作品。過去のディズニー映画のエッセンスを汲み取りつつも、「愛」という伝統的なテーマの新しい解釈に挑戦した見応えのある作品です。
言わずもがな、主題歌の「Let It Go」が日本でも大ヒットし、映画館で歌いながら見る「応援上映」がちょっとしたブームになるくらい、その音
ノートルダムの鐘(1996) 「あの鐘を鳴らすのは」
全篇を通して哀愁と切なさが渦巻く異色作。鐘つき堂の中に囚われた「怪物」が、愛を知ってしまったが故に苦しみながらも、大きな一歩を踏み出す姿をアラン・メンケンの荘厳な楽曲に乗せて描く。巧みな演出とキャラクター描写によって、観た人に一歩踏み出す勇気と優しさを与える傑作です。
この作品は、ディズニー映画好きにとっては特別な作品であることが多いイメージで、あの風間俊介さんも「音楽も映画も一番のお気に入り」
プリンセスと魔法のキス(2009) 「二つの星が輝く理由」
ジョン・ラセターがディズニー復活をかけて送り出した、渾身の「胸熱」映画。ディズニーの名作モチーフ使いながら、敢えて手書き風のアニメーション表現にこだわり、王道のミュージカルを蘇らせることでかつての輝きを取り戻した、新「星」ディズニーの記念碑的作品。作り手の魂の叫びが、気持ちよく、そして真っ直ぐに心に届く、味わい深いディズニー映画です。
正直この作品は、ディズニー好きとそうじゃない人で、もっとも温
リメンバー・ミー(2017) 「人が家族で生きる意味」
ディズニーの柱とも言える要素「音楽」をテーマに、家族の絆の価値を問いかけたディズニーピクサー渾身の一本。美しい映像と素晴らしい音楽、確実に観客の琴線に触れるストーリーテリング、映画単体の完成度で言えば、ディズニー映画の中でもベストと言えるかもしれません。王道のテーマを「トイ・ストーリー3(2010)」のリー・アンクリッチ監督が真っすぐに描き切った、アニメーション映画史に残る至極の一本です。
まず
ズートピア(2016) 「皮肉と真実のアンチディズニー」
可愛いキャラクター、練り込まれたプロット、美しい映像、時代に沿った強いテーマとメッセージ、どれを取っても非常にクオリティの高い、大人も子供も楽しめる素晴らしいアニメーション映画。
と、表向きはそうなっており、実際文句のつけようもない面白い映画なのですが、これをディズニーが作るのかという、ファンとしては心を蝕まれ続ける要素満載、ディズニートップクラスの「エグい映画」でもあるのです。ムーランやラプン
アラジン(1992) 「本当の自由とは何か」
音楽・ストーリー・全てのキャラクター、どれをとってもディズニーの良さが詰まった不朽の名作。
もしディズニー映画を一回も見たことない人がいて、まず一つ勧められるとしたら、僕は間違いなくこのアラジンを推します。誰が見ても楽しめる純粋なエンタテイメント作品であると同時に、見れば見るほど、考えれば考えるほど、隙のなさに感動してしまう。「昔は良かった」では決してない、今なお輝きを放ち続ける傑作です。
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ディズニーの民主主義的構造分析による、暇つぶしの勧め
皆様こんにちは。
僕は広告代理店で働く独身男です。僕はディズニーが大好きなんですけども、その前に、映画を見るのが大好きです。
映画って、一見つまんないなと思うものでも、見方を変えれば発見があったり、色んな楽しみ方ができるじゃないですか。
「みうらじゅんの映画ってそこがいいんじゃない!」っていう本があるのですが、その本は「面白さが見出せなかったのは、己の力量のなさではないのか?」という信念のも