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お寺でビブリオバトル⑬

2022年1月30日(日)

20時30分から22時30分

参加者9名

【紹介作品】

『月刊同朋 2018年6月』(東本願寺)

仏教がみちびく、あらたな人生

『暗幕のゲルニカ』原田マハ著 (新潮社)

ピカソの「ゲルニカ」の行方は!

◎『もっとにぎやかな外国語の世界』黒田龍之助著(白水社)

世界に数えきれないほどある「言語」。文字の形や数の表記の仕方、名前のつけ方などに始まり、言語のルーツ、他言語同士の繋がり、また、新しく生まれてくる言葉があれば、変化していく言葉もある。途方もないほど多様性を見せるのが「言語」である。

その多様性こそ、「にぎやかな世界」が生まれてくる大切な要素なのである。言葉が異なることで、物事の捉え方や、文化、生き方にまでも千差万別に影響を与えるのが「言語」なのであるということを教えてくれる一冊。

『有頂天家族』森見登美彦著 (幻冬舎)

ひとつの大きなサヨナラが、遺された者たちをつなぐこともある

『ちゃぶ台』⑺特集:ふれる、もれる、すくわれる 伊藤亜沙、藤原辰史、土井善晴、榎本俊二など。(ミシマ社)

「わたしの生活を考える」

『物語の役割』小川洋子著 (ちくまプリマー新書)

物語は本の中にあるのではなく、私たちの身近にある。

「私たちは現実をそのままに受け入れることはできない。そのとき現実を、どうにかして受け入れられる形に転換していく。その働きが、私は物語であると思うのです。」

『チョンキンマンションのボスは知っている -アングラ経済の人類学』小川さやか著 (春秋社)

著者はアフリカ系商人の交易活動を研究する文化人類学者の女性。アフリカ系移民によるインフォーマルな経済を研究しようと、香港で長期滞在した「チョンキンマンション(重慶大厦)」という宿。そこで出会ったのが、タンザニア人のボス、カラマである。ブローカーとしてアジア系ともアフリカ系ともしたたかにネットワークを築き、誰もが信用できるし誰も信用できない世界観・人間観を持つ。「あれもこれも出たとこ勝負だし、驚くほど適当だし、怠け者だし、格好つけたがりだし(「おわりに」より)」。なのに、とても人間的魅力にあふれているカラマ。文化人類学の学術書ではなく、人タラシのカラマについてのエッセイとしてどうぞ。

『オシムの言葉』木村元彦著 (集英社インターナショナル)

旧ユーゴのボスニア出身のオシム。数々のオシム語録にも惹かれるが、ユーゴ崩壊が始まった年のワールドカップでユーゴ代表を率いたときの重圧や葛藤、選手たちの苦悩がリアルに胸に迫る。

◎今回のチャンプ本

「分からない」「アート」「言葉」「境界線」「ふれる もれる すくわれる」「物語」「文化人類学」「紛争とスポーツ」

人を通して本と出会い、本を通して人と出会い、そしてテーマに出会っていく。そのテーマはお互いに深く関連し合い、その後もずっと考えていくものとなる

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