第2章: 追跡者たち

第2章: 追跡者たち

地下の暗闇でリュウは息を潜めていた。都市の地上では、魔法使いの評議会がクリスタルを探しているという情報が広まりつつあった。そして、リュウの存在も危険視されていることは明らかだった。彼の追跡者たちは増えていく一方で、逃げ延びることはますます困難になっていた。

リュウは評議会の動きを監視するために、地上に出ることを決意した。地下の隠れ家を出て、夜の闇に紛れて街を歩き回る。ガス燈の明かりが微かに照らす中、彼は評議会の建物に近づいた。

評議会の建物は厳重に警備されていたが、リュウはその隙をついて内部に侵入することができた。彼は影の中を潜り抜け、会議室の外で耳を澄ませた。

「クリスタルの行方を追わなければならない。」評議会のリーダー、エリオットの声が響いた。「それがなければ、我々の力は完全には戻らない。あの若い魔法使いの弟子、リュウが鍵を握っているはずだ。」

リュウは息を飲んだ。彼が追われている理由は、そのクリスタルにあった。師匠が守り続けたそのクリスタルには、何か重要な秘密が隠されているのだろう。

「リュウを見つけ次第、彼を捕らえ、クリスタルの在りかを聞き出すのだ。」エリオットの命令に、他の評議会のメンバーたちがうなずく音が聞こえた。

リュウはその場を離れ、再び地下へと戻った。彼の心には、評議会のリーダーたちの言葉が重くのしかかっていた。彼らが自分を見つけるのも時間の問題だ。

さらに問題は、評議会だけではなかった。師匠を殺した刺客も、リュウを追っていた。その男は、リュウが地下で隠れ住んでいることを突き止め、彼を追跡していた。

ある夜、リュウは地下の隠れ家で静かに瞑想していた。突然、静寂を破るように鋭い金属音が響いた。リュウはすぐに立ち上がり、魔法の防御を張った。

「出てこい、リュウ。」暗闇の中から低い声が響いた。その声の主は、師匠を殺した刺客だった。

リュウは慎重にその声の方向を見つめた。暗闇の中から姿を現した男は、冷たい目をしていた。リュウの心臓は激しく鼓動していたが、彼は冷静さを保とうと努めた。

「お前が師匠を殺したんだな。」リュウは鋭い声で問いかけた。

刺客は笑った。「そうだ。そして次はお前だ。クリスタルの在りかを教えてもらう。」

リュウは魔法の力を集中させ、周囲の空気が震え始めた。「クリスタルは渡さない。師匠の仇は必ず討つ。」

二人の間で激しい戦いが繰り広げられた。魔法と剣が交錯し、地下の闇を照らし出した。リュウは全力で戦い、刺客の攻撃をかわしながら反撃を続けた。

最後に、リュウは強力な魔法を解き放ち、刺客を倒した。刺客は地面に倒れ、息絶えた。

リュウは息を整えながら、その場に立ち尽くした。彼の心には、師匠の仇を討った満足感と、さらに強まる使命感が渦巻いていた。

---