見出し画像

2回目の大学病院(エコー検査編)

2020年2月17日。
ついにこの日がやってきた。

一年で一番寒い時期だというのに、なんでこんなに穏やかなんだろう。
この病院に行く日は毎回、冬だというのに春のような、太陽が大地を朗らかに温め、私の心も包んでくれるようなそんな気がした。

この日は、2回目の大学病院の診療の日。
初診専門の先生から今後長いお付き合いになるかもしれない専門医に初対面し、先日8本採取された血液検査の結果とエコー診断が下される日だった。

午前中はソワソワする自分を抑え自宅でテレワーク。午後から病院へと出向いた。

14時からエコー診断の予約。ランチは食べず、飲み物も極力控えるようにとの指示をきちんと守った私は偉い。そう自分で自分に言い聞かせ、今日何を言われるんだろうと不安と緊張が入り混じる心をなだめていた。
医師の指示を守ったくらい、全然偉くもかゆくもないのに。

心が急いていたんだろう。
予約よりも30分も前に、私は超音波検査室の前にいた。

椅子はほぼ埋まっていて、混んでたから早くきて、これまた私は偉いね。運がいいね。勝手にまた自分で自分を褒めていた。

14時。予約時間ジャストに私は名前を呼ばれた。

男性の検査技師さんから呼ばれたことにちょっとだけ驚いた。部屋で女性に変わるのかと思ったのも覆され、そのままその方に診ていただくことに少しだけ戸惑った。何があるわけでもないのに、なんとなく戸惑ってしまう自分は、どれだけ自分を褒めても、どれだけ歳をとっても、心が乙女なんだなと気づく。

「息を大きく吸って、そこで止めて、、、、、、、ラクにして」

そんな合図が小さな部屋に幾度も響いた。
呼吸のたびに、ヨガで腹式呼吸の練習しててよかったと思っていた。

エコーは痛くもかゆくもない検査だということは、過去に受けた健診から知っていた。お腹に塗られた生ぬるいゼリーの上を、ローラーが行ったり来たりして、ひたすら腹式呼吸をするだけ。

なのに、みぞおちを何度もローラーが行き来をするたび、鈍い痛みを感じていた。日常生活でもここはよく痛くなるところ。たまたまなのか、検査技師さんの素晴らしい着眼点なのか、エコー検査であまり触れられることのないこの部分を、ローラーは何度も往復し、私はその都度違和感を感じていた。

「お疲れさまでした。この後は診断ですので、ご準備して診察室の前でお待ちください。」

いよいよこの後、本日のメインイベントがやってくる。
ヨガで腹式呼吸をすれば心が落ち着くはずなのに、空腹と緊張のはざまの疾走感が、どんどん前に進みたがっていたこの時の私は、この曲の進行に似ていたのかもしれない。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?