Courseraでプロダクトマネジメントを学ぶ
私は現在、プログラムマネージャーとして働きながら、キャリアの幅を広げるためにEMBAをオンラインで受講中です。夏休み中で少し時間があるのでCouseraでプロダクトマネジメントを学びはじめました。私が通っているビジネススクールがCouseraと契約しているので、学生はCouseraのコースを無料で利用できるのです。
プロダクトマネジメントといえば、その歴史は意外にもとても古く、その概念は1931年にP&Gで誕生したと言われています。しかし、テクノロジー業界でプロダクトマネジメントが本格的に採用されたのは比較的最近のことです。1980年代後半から1990年代にかけて、Microsoft、Oracle、Intuitなどのソフトウェア企業がこの役割を取り入れ始めました。
テック企業ではプロジェクトマネージャーもプログラムマネージャーもプロダクトマネージャーもPMと呼ばれることが多く、PMという名称からは区別が付きづらいですが、それぞれの役割は違います。便宜上この記事のなかではプロダクトマネージャーをPMと書くことにします。
最初はCouseraの「Google Project Management: Professional Certificate」コースでプロジェクトマネジメントを学んでいたのですが、よりプロダクトそのものにフォーカスして学びたいと思い、Advancing Women in Techの「Real-World Product Management Specialization」コースを受講することにしました。以下の4つのコースで構成されるカリキュラムです。1週間あたり約10時間で、4週間で完了するコースです。
The Business of Product Management I
The Business of Product Management II
The Art & Science of Product Management
Acing the Product Management Interview
まだ「The Business of Product Management I」を見始めたばかりですが、わかりやすくてとても良いです。プロダクト戦略の立て方、ユーザー中心設計の重要性、市場分析の手法など、PMに必要なスキルを学んでいます。
コースのなかではプロジェクトマネジメントとプロダクトマネジメントの違いについても触れていました。コースで薦めていたプロダクトマネジメントの本「High Growth Handbook(リンク先のサイトでは全文が読めます)」でも、Elad Gil氏はプロダクトマネージャーとプロジェクトマネージャーを明確に区別しています。
プロジェクトマネージャーはスケジュール管理に焦点を当てるのに対し、プロダクトマネージャーは製品戦略、顧客ニーズの理解、優先順位付け、そして全体的な製品の成功に責任を持ちます。Gil氏は、単なるプロジェクトマネジメントではなく、戦略的思考と製品ビジョンを持つプロダクトマネージャーの重要性を強調しています。
Chapter 7「Product Management」では、プロダクトマネジメントの本質と、急成長する企業におけるその重要性について深く掘り下げています。
PMの役割:Gilは、PMを「製品の成功に直接責任を持つクロスファンクショナルなオーナー」と定義しています。優れたPMは、単なるプロジェクトマネジメントではなく、製品定義、トレードオフの優先順位付け、顧客との時間、そして様々な部門との協働に時間を費やします。
優れたPMの特性:
製品への洞察力と直感
優先順位付けの能力
実行力
戦略的感覚
優れたコミュニケーション能力
データドリブンのアプローチ
著名なプロダクトマネージャーの例:
Marissa Mayer: GoogleのPMとして活躍し、後にYahoo!のCEOに
Sundar Pichai: GoogleのChromeのPMを務め、現在はGoogle(Alphabet)のCEO
Ken Norton: GoogleのモバイルマップのPMを務め、現在はGVのパートナー
日本語版は「爆速成長マネジメント」というタイトルです。こちらは購入したので、早めに読んでみようと思います。
また、コースでは企業ごとに異なるPMの役割の違いについても説明があり、興味深かったです。VMwareやAWSのPMは技術者で、FacebookやLinkedIn、AirbnbのPMはジェネラリスト(ビジネスに精通していて、技術の知識もある)、SalesforceのPMはビジネスオリエンテッド(ビジネス指標を最大化することにフォーカス)。AmazonとGoogleは技術者とジェネラリストのミックスである(扱うプロダクトによっても異なる)など。これですね(Product managers for the digital world McKinsey & Company)。
そのため、一口にPMといってもそのプロファイルは様々なので、自分にあったPMロールはどんなものか、求人を見るときに求められている主な資質やスキルを確認する必要があるということです。
そのほかにコースで学んだ具体的な知識やツールについて、新たな発見があればまた共有できればと思います。