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教育系における研究の大まかな方向

はじめに言い訳をば

前回の投稿から2ヶ月空いてしまいました…まさかこんなすぐに放置することになるとは思わなかったです。(自分の中では意外とショック)

今回の投稿は実はGWに大体は書き上げていたのですが、そうしているうちに大学院生活が始まってしまい、忙殺されているうちにこんなに時間が経ってしまいました。このことはいずれ書ければと思います、本当にいろいろあった2ヶ月なので!

教育の研究者たち

さて、今日は教育系の研究のoverviewについて進めていこうと思います。そもそも教育にも研究ってあるんですよ!というのも、前回(2ヶ月前…)お話しした通り教育学部って「教員になるための学部」っていうイメージが強すぎるので、研究やっているのかって思われちゃっているような気がして…(笑)ですが、教育の研究をやっているのは大学教員に限らず、現場の教員も教育実践で得た見識を論文にして学会発表しています(詳しくはJ-STAGEの全国英語教育学会紀要などを覗いてみてください)。大学の研究者の理論に基づいた発表もあれば、現場教師による生徒たちの生の反応を生かした教育実践をもとにした発表もあります。他の分野に比べてボリュームや大きな進展こそ少ないですが、生き生きとした論文が多いんじゃないかと思っています。私個人の目標としては、その少しずつ進んでいく研究に自分のアイデアを盛り込んで検証していくのが教育研究の醍醐味なんじゃないかなって思っています。これは私が行っている研究分野の話ですので、少し分野が変わるとまた違ってくると思います。

教育系の研究分野

ここからはどんな研究分野があるか話していこうと思います。あくまでざっくりとしたものですので(特に専門の方は)ご容赦ください。

教科教育学
→各教科ごとに指導内容・方法等を多く研究しています。

 特別支援教育学
→特別支援教育(昔の特殊教育)に関する研究。近年は「インクルーシブ教育」や「ユニバーサル・デザイン」など全ての児童・生徒に関する支援方法として注目を集めています。

教育学
教育哲学
教育史
教育方法学
比較教育学
教育心理学
→教育学は主に教育全体を研究対象にしています(この表現が正しいかは少し疑問が残りますが…)。

etc…

どの学問でもそうですが、教育系でもこれらをクロスオーバーした研究が多いです。個人的には「よくこの2つを結びつけたなー」と感心することがしばしば。

My Major & Interests

ここでは一例として、私の分野と興味のあることについてお話ししたいと思います。

英語科教育

メインとなるのは英語科教育です。一文字違いの言葉に「英語教育」という言葉もありますが、少し意味が異なるようです。久村(2012)は以下のように違いを述べています。

英語教育は、英語科教育を包含しているといってもよい。英語教育は、学校、塾、英会話教室、放送番組、大学の英語講座、社内研修などの機関や機会で行われる教育をすべて含む大きな枠組みである。一方、英語科教育は、教育基本法、学校教育法、そして学習指導要領に基づいて、学校教育の教科の一環として行われるものである。

つまり学校の英語の授業について研究する分野です。私は中学校を専門にしています。英語の授業をより良くするためにはどのような方法が有効なのか、英語が苦手な生徒が意欲的に学ぶにはどのように指導すればよいのかを研究するのが究極的な目標といえるでしょう。
トピックの例として、4技能の指導方法や、SLA(第二言語習得論;もしかしたら英語学に含まれるかも)、教室内言語であったり、この4月から本格実施する小学校外国語科・外国語活動があります。

ICT利用/CALL

ご存知の方も多いとは思いますが、ICTとは、「情報通信技術(Information Communication Technology)」のこと。最近巷で多く言われている(であろう)授業でICTを活用するための方法を研究する分野です。「教育工学」の一分野として分類する人もいるのですが、私の場合は英語教育寄りなので項目づけさせていただきました。英語教育でのコンピュータ利用のことをCALL (Computer-Assisted Language Learning;コンピュータ支援型言語学習)と呼んでいます。私の最大の専門分野はCALLだと考えています。

統計分析

これは分野というより研究手法になるのですが、今年に入って外国語教育研究に用いられる統計分析にも興味を持つようになりました。きっかけは卒論で単語テストを統計で分析したことでした。そしてその時、外国語教育研究には統計分析を含めた量的研究を用いたものが多いということを知りました(竹内・水本(2014)より参照)。高校は文系で大学でも統計学の授業がなかったので、卒論提出1ヶ月前の年末年始に死に物狂いで勉強しました…(笑)その分、心理統計における結果の考察の難しさを味わうことになりました。

これ以外にも指導教員の先生と一緒に行っている研究もありますが、ここでは割愛します。

終わりに

今回は教育系の研究について、そして私自身の研究分野についての説明を少しさせていただきました。

本編では触れなかったのですが、教育現場では教師の肌感覚で授業が行われていることがあります。そのことを否定することは全くなく、むしろその肌感覚を現場経験で培ってきたことは尊敬に値します。しかしその肌感覚を掴むには10年以上経験をしなければ得られないはずです。教育研究の役目はそれを科学的に解析し多くの教員に共有していくことで、教育の質を保証することだと思います。特に教科教育学に関してはその要素が大きいです。

ここまで読んでくれた皆さん、ありがとうございました。もし良かったらスキしていただけるとモチベーションの維持になりますので、よろしくお願いします!

<参考文献>

JACET教育問題研究会編(2012)『新しい時代の英語科教育の基礎と実践:成長する英語教師を目指して』三修社.

竹内理,水本篤編(2014)『外国語教育研究ハンドブック【改訂版】:研究手法のより良い理解のために』松柏社.

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