VTuber記録誌『風とバーチャル』第三集発行のお知らせ
この度「風とバーチャル」編集部は、VTuberに関する文芸・歴史編纂・研究を主題とした書籍「風とバーチャル」の続巻”第三集”を12月30日に東京ビックサイトにて開催予定の「コミックマーケット105」2日目 東7ホール “s” ブロック 48abで頒布いたします。
「風とバーチャル」は、これまで/これからのVTuberについてを記録し、歴史を編纂することを目的にしたVTuber歴史編纂・記録誌です。VTuberに詳しいライターや専門家のコラムやエッセイなどの寄稿文、VTuberや関係者からの証言をインタビュー、そしてVTuberに関する出来事を幅広く掲載したVTuber年表を中心に掲載しています。
2023年12月に発売した第一弾となる「風とバーチャル」第一集は、約400ページという圧巻たるボリューム。うち300ページ以上を紀元前から2019年までのVTuberに関する出来事などを抑えた年表を掲載。また、多数ウェブメディアで取り上げられ、「コミケ」当日は約1時間で売り切れるほどの盛況に。通算発行部数は800部を超えるVTuberに関する同人誌としては異例の人気シリーズとなっております。
「風とバーチャル」第一集はVTuberじゃらんリサーチセンター(JRC)の機関紙「とーりまかし」に引用されたほか、岩波書店から早くも第三刷まで刊行されている人気書籍『VTuber学』でも紹介され、各大学の講師陣からも好評をいただくなどアカデミックにも評価をいただいており、VTuber研究におけるマイルストーンになっております。
今回12月30日開催の「コミックマーケット105」で頒布する”第三集”は、これまでのVTuberの記録活動の集大成として制作。今号をもって、『風とバーチャル』の発行は無期限休止となります。なぜ『風とバーチャル』はVTuberの歴史を記録しようとしたのか、なぜここで一区切りをするのかなどについては、本誌の最後に語られています。
また、”第三集”はこれまで発行してきた内容とは異なり、すべて最新情報を盛り込んだ書き下ろし原稿になっており、VTuberのライターをはじめ、様々な方々がVTuberについて解説しています。
寄稿者には、VN3ライセンスの主幹をし、内閣府「メタバース上のコンテンツ等をめぐる新たな法的課題への対応に関する官民連携会議」にも参加された、あしやまひろこさん。立命館大学 先端総合学術研究科 研究指導助手の根岸貴哉さんなどが参加しています。
「VTuberの移籍・独立時における名称の権利処理について」では、弁護士の関真也さん(関真也法律事務所、第一東京弁護士会 所属)にVTuberの名義問題について解説いただき、過去の裁判例などから法的論点を整理。移籍・独立等の後も、引き続き同じVTuber名
を使用し続けることができるかどうか焦点をあてています。
インタビューでは、元フジテレビで日本のテレビ業界でコンピューター・グラフィックスをけん引したひとりである、坂本浩さんに特別取材。「VTuber」という言葉が生まれる以前に制作をしていた世界初のリアルタイムで動く3DCGキャラクター「ノケゾリーナ」を使った特別番組『FNSスーパースペシャル 1億人のテレビ夢列島'88』をはじめ、様々な先進的な取り組みについて伺いました。
なお、”第三集”の冒頭には、バンド・貝と蜃気楼のボーカリストとしても活躍するバーチャルアーティスト、小宵さんに作詞を依頼。『風とバーチャル』をイメージしたオリジナルの詩が掲載されています。どうぞこちらもお楽しみください。
今回も“第三集”には、シリーズ馴染みの『分厚すぎる』と話題のVTuber年表を収録。本誌では2022年から2023年までの年表を掲載しています。新型コロナウイルス感染症流行後のVTuberの出来事を今回も約100ページ超の大ボリュームで振り返ることができます。
我々の取り組みは、世界各所で行われているVTuberの知の記録と試みの中の一つとして、非常に意欲的かつ本格的な特異点になることを編集部一同確信しております。是非、発刊の際にはお手に取って頂き、ご一読頂ければ幸いです。
「第三集」概要
書籍名:「風とバーチャル」第三集
編集長:古月(@ran_koga_mas)
題字:八坂天(@10V_tkc)
イラスト: 河地りん(@gingatrain814)
DTP: EMA(@ema_zakiyama)、ぷる
協力: TAG、FG
ページ数: 220ページ
サイズ: B5
イベント価格: 2000円
通販販売:
目次
小宵「旅する文学」(『風とバーチャル』イメージ詩)
古月「はじめに」
特別インタビュー
古月「最古のVTuber(?)ノケゾリーナを生み出した坂本浩 独占インタビュー 」
コラム/エッセイ
八坂天「『バーチャルWalke』」のはじまりと変化を振り返る ~VR・VTuberを観測してきた6年間とこれから」
SRVTオーディションWiki管理人「SHOWROOMのバーチャルジャンルとオーディション概説」
安倉儀たたた「パレードで、いつか。」
ヒガキユウカ「ホロスターズは如何にして今日の人気を獲得したのか」
かなた「VTuberはいかにしてリアルを表現してきたか」
あしやまひろこ「Vの身体」
根岸 貴哉「あなたはVTuberをみていますか?――ゲーム実況とワイプの観点から考えるVTuber」
泉信行「アニメキャラクターに見た夢、VTuber前史とアニメが交差した先に――石ダテコー太郎アニメから魔法少女ホロウィッチ!まで」
弁護士解説
関真也「VTuberの移籍・独立時における名称の権利処理について」
VTuber年表(108ページ)
古月「おわりに」