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人生の岐路での難しい意思決定をする時に考えておきたいこと

誰しも、人生の岐路が存在していて、その時々で意思決定をしてきたと思います。それは、進学や就職、結婚など人生のターニングポイントだと思いますが、今回は僕の実体験を踏まえるので、就職についてです。しかしながら、この考え方はどの場面でも使うことができると思います。

自分について

まずは、自分についてです。僕がどのような人間なのかを踏まえないと、何も説得力がない一般論をただ書いているだけになってしまいます。

僕は、現在クラシルというレシピ動画サービスを開発・運営しているdely, Inc.に所属しています。入社したのは、クラシルが立ち上がった2016年2月からまもない、2016年9月1日です。当時は社員が5~6人しかおらず、しかもほとんどが23~25歳で学生もちらほらという感じでまさに学生スタートアップの延長にいる状態でした。

dely, Inc.に入社を決意した時は早稲田大学先進理工学研究科の修士課程に在籍しており、入学して半年経ったころでした。フルタイムでジョインする予定だったので、2016年8月31日に大学院を自主退学して、次の日には出社するというスピード感でした。

この頃は、大学の卒業を待たずしてスタートアップにジョインする人が多くてコモディティ化してるかなと思っていたのですが、最近はスタートアップでも大学に所属しながら関われる機会が増えたのと、普通に卒業してから新卒して入学する人が増えたので、敢えて自主退学してフルタイムでジョインするなんてリスクを背負う人は少なくなったような気がします。

難しい選択とは

僕は大学時代もwebアプリケーションの受託会社で4年弱エンジニアとしてアルバイトをしていたので、エンジニアとしての就職する選択を持っていました。また、大学院に在籍していれば、どこか企業での研究職に就くという未来があった可能性が高かったので、次のような選択肢を持っていました。

・大学院を卒業して企業の研究職
・大学院を卒業あるいは退学してベンチャーでエンジニア職

どちらも、とても素晴らしい職業だと思います。一方で、どちらの職業にもメリットとデメリットが存在します。以下はあくまで僕が考えている範囲のことなので、ツッコミどころが満載かと思いますが容赦ください。

「企業の研究職」でメリットは、生活を良くするオフライン商品の発明です。家で使ってる洗剤、歯ブラシ、化粧品などは先人が開拓してきた研究成果の賜物です。その巨人の肩にのり、自分も次の時代を創っていく研究をして、世の中の役に立ちたいと思っていました。しかしながら、デメリットとしては研究生活は長い長い旅です。結果が出るまでには長い時間がかかります。芽が出るとは限らず、自分の研究が間接的に世の中の役に立っていくことや、芽が出たとしても自分が歳をとってからわかることなど、インターネットという急速に発達して世の中の役に立っていることを知ってる僕からしたら、それがデメリットとして見えてしまいました。

「エンジニア職」でのメリットは、急速に発達するプロダクトを自分たちが開発していくという圧倒的な自分事化と直接的に社会の役に立つことができるという魅力があります。これは、結果論ですが、僕らが開発しているクラシルもこの数年で1,700万DLを迎えて、多くの方に使っていただけていると思います。一方でデメリットは、変化が激しすぎてキャリアの形成が難しいという点です。エンジニアのキャリア論はいつでもホットな話題ですが、いつまでこの技術を学んでいればいいのか、次はどれを習得すればいいのか、いつまで手を動かしていればいいのかなどキャリア形成はとても難しいかなと感じると思うことがあります。

上記だけではなく、全ての職業にメリットとデメリットが存在すると思いますが、一例としておきます。

僕が伝えたいことは、どの選択にもメリットとデメリットが存在していて、それらを定量化して、優劣をつけることは難しいということです。神様がいて、「こっちの道を進んだ方が数年後、いい結果になるよ」と教えてくれるわけではないので、必ず不確実性が存在します。どちらも経験してなければ、不確実性を落とすのは難しいので、どっちの選択をするか考えれば考えるほど、思考は平行線になると思います。

僕のオススメは以下の考え方を持つことです。

・一度、本気でトライしてから決める
・期間を決めて無心でやってみる
・自分の内部から理由を見つける

一度、本気でトライしてから決める

難しい意思決定の選択肢がトライ可能な場合は、一度トライしてみることをおすすめします。その時に大事なことは「自分は本気でやった」と心から思えるくらいコミットしてみることです。中途半端が一番よくないです。もし職業を決める場合は、一度就いてみて一生懸命やってみるといのが意思決定の不確実性を減らす方法だと思います。

自分がプレイヤーなのかマネージャーなのかなど迷った時は、自分が試したことがない方を本気でやってみれば、自分の特性を把握することができると思います。どの職業にも向き不向きがあるので、自分は本気でやった、だけど向いてなかったと諦めがつくと思いますし、何事も一度やってみないと得心がいかないものです。

僕の経験談ですが、外部の人から具体的な話を聞いても自分でやったことがないので、得心がいかないのです。「でも、〜なんじゃないか」など、自分で試してないことはなんでもツッコミを入れることができるので、その場合は一度チャレンジしてみるのが手っ取り早いです。

期間を決めて無心でやってみる

先日、吉田 行宏さんの著書「成長マインドセット」を読んだのですが、まさになことが書いてありました。

詳しくは書籍を見ていただきたいのですが、かいつまんで説明します。成長マインドセットにおいて、この会社に残るか転職するかという難しい意思決定をする場合、以下の考えを持つことをおすすめしています。

・結果は変えることはできないが、行動は変えることができる
・意思決定をしたなら、期間を決めて思いっきり進む

どれだけ頑張ったとしても、ヒットする商品を作ることは難しいです。その方法論があるならば、誰しもヒットする商品を作ることができます。そのように、結果を変えることは自分の範疇におくことはできないけれども、それに至るまでの行動は自分で変えていくことができます。この考え方は、一見結果を自分の外として捉えて、責任感がないと思われてしまうかも知れませんが、良い結果出すために行動することは変わりないです。結果は自分では変えることができないものと考えるだけで、ちょっとだけ心が軽くなりますし、そのための行動にフォーカスすることでできます。

もう一つが意思決定したら、期間を決めて思いっきり行動しまくることです。一つの意思決定をしたということは、その時にあった選択肢は取らなかったことになります。つまり、その選択を取った時に自分が進んであろう未来の不確実性を下げることはできなかったということで、自分が苦しい時に「嗚呼、あっちの選択をしておけばよかったなー」など思ってしまいがちです。しかしながら、その考えをしたとしても結果は自分で変えることはできないので、もしも違う選択をしたとしても苦難は待ち受けているかも知れません。そのため、自分が取り得なかった選択肢について考えを膨らますのではなくて、自分が取った選択で絶対に成功しおうと頑張ることが結果として良い結果を生むことに繋がります。しかしながら、どれだけ頑張っても良い結果が出ない場合は、もしかしたら選択を見誤った可能性もあるので、期間を決めておくことが重要で、例えば二年間は絶対のこの道を突き進むと心に決めておけば、頑張ることができると思います。二年間は本当に頑張ってみて、そのあとにまた考えれば良いわけです。

自分の内部から理由を見つける

難しい意思決定をする時によくみるRuth Chang氏のTEDを紹介します。

Ruth Chang氏が言うには、そういう難しい決断を迫られた時、どっちにもメリット・デメリットがあるのだから、優劣を考えるのではなく、自分がその選択に適応すればいい。自分の内部から、理由を見つければいい。つまり、答えは自分の中にあるんだと。難しい選択をする時は、自分が何者であるか、どのようなことをしたい人間なのかを考える良いキッカケだと言います。

このTEDでは、難しい選択をする場合に、どちらを選択するかというより、自分が取った選択において、それを選択した理由を自分の中に見つけることが良いと伝えていると思います。素晴らしい考え方だなと思う一方で、そうは言っても、どちらかを選択しなければいけないことは変わらないので、僕は、一度トライしてみることや、期間を決めて無心でやってみることを大事にしています。あとは、無責任かも知れないですが、自分がワクワクするかなどの直感も大事です。もしも難しい選択をした場合には、自分をその選択に順応させるための考えをすることが良いと思います。

まとめ

もしも、選択肢に迷ってる場合は、どっちにもメリットとデメリットが存在しているからだと思います。選択をした場合の不確実性は簡単には減ることはないので、まずはトライできることから始める、期間を決めて本気でやってみる、決めたなら理由を自分の中に持つことが大切です。

この記事を読んで、難しい選択をする時の意思決定の助けになれたら幸いです。

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