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死にたいと思った時の話

昨日は見に行きたい映画があったのだけど、日曜日だし人が多そうだからと9時からの上映回に足を運んだ。
そして次に行くつもりだったお店の開店時間は19時。

しばらく外に出てなかったし、そのくらいの時間差など埋められるだろうとタカをくくって意気込んで朝から出掛けたものの、見事に時間を持て余した。

映画が終わってからの1時間半ほどでもともと欲しいと思っていた買い物は全部済んでしまい、そこからなにをしたらいいかもう帰ろうかと何度となく時計とにらめっこした。

ファミレスに昼食をとりにいっても、後が並んでるのが目に見えてるし居心地もそんなに良くないので食べるもの食べてすぐ外に出る。

駅の方になんとなく向かったのが午後16時。
あと3時間、なんとかならなくもなさそうだけどなにをしたらいいかわからないなーと思ってたところ、献血の看板が目に入った。

「時間がつぶせそうだ」

そう思い足を踏み入れ、「初めてです」と受付に言っていくつかの書類を記入し、問診後検査を受けたところで「今日は献血お休みです。」と告げられた。

「お休みです」ってなに?

と言い方に疑問を覚えたものの、多少血も抜いているので休憩して行くようにという言葉をありがたく受け止めその場で時間をつぶさせてもらった。

前にもこんなことがあったな、と思い出しながら。

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20歳になるかならないかの頃、まだ上京する前だった。

当時いた場所からなんとか逃げ出したくて、多分大学を休んで行き場がないまま同じようにふらっと献血に足を踏み入れた。

そこで今日と同様に「今日は献血出来ません」と告げられた時、自分は無能なのだと思った。

こんなに役立たずな人間は死んでしまえばいい

と、その時持っていた薬をあおった。

多分風邪薬か頭痛薬だったと思う。
白くて大きな錠剤がとにかく飲みづらく、喉に引っかかって苦かったのを覚えている。

その後の記憶は曖昧で、倒れてたのか帰ったのか覚えていない。

搬送された病院での医者や看護師のとても冷やかな対応と、当時いた施設の指導員から言われた言葉なんかがぼんやりと思い出されるだけだ。

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今また死にたいと思ったわけじゃない。

ただ、そんなことがあったなと自分のことを思い出したのだった。

ちゃんと19時に行きたかったお店に行って、常連さんたちとお話をして、自宅近くまで送っていただいて帰宅した。

そして今日は体調を崩し死んだように寝ていたが、ちゃんとわたしは生きている。

何があるか分からないけど、そんなことがあったという事を思い出したので書いてみたかった。

また、おめにかかれますように。

2020.09.14 Kao Tan

p.s
今日付を記載していてふと思い出した。
今日は母の誕生日だ。

サポートありがとうございます。