(株)おくりバントのHow to 接待・第2回
ゲスト:たけもこ(ライター・SNSプランナー・モデル)
●前回までのあらすじ
「ガンガン接待しまくって儲けたい。ついでに俺らも美味いもの食いたい」と、よこしまな動機で始まった『おくりバントのHow to 接待』第2回。
舞台は、渋谷の会員制レストラン・capovoro(カポボロ)。会員制といいながらも、レンタルビデオ店なみの気軽さで利用でき、コースを中心に納得の料理をリーズナブルな料金で提供している。美味しい料理に舌鼓を打ちつつ、ゲストとともに「接待の極意」を語るこの企画。今回のゲストは?
入会希望の方は、capovoro公式InstagramよりDMをお送りください。
高山:西久保さん、今回は誰を接待します? あの大企業の社長さん?
西久保:今回は、たけもこさんでいきましょう!
高山:ほう、意外な人選ですね?
西久保:いや、ほら……たけもこさんは今年フリーとして独立したじゃないですか。でも俺たち、お金なくて、なんのお祝いもしてなかったでしょ。お祝いを兼ねて、ね?
高山:たけもこさんを接待したら、俺らに仕事を回してくれますかね?
西久保:そんな目先のことだけ考えてちゃダメ! 彼女は〝接待の達人〟だと俺は踏んでるんですよ。今回は、彼女から俺たちが学ぶ機会です!
高山:そんなすごいの? じゃあ、さっそくお呼びしましょう!
●景気が爆アゲになる乾杯のしかた
高山・西久保:たけもこさん、独立おめでとうございます!
たけもこ:今日はお招きいただいて、ありがとうございます!
高山・西久保:とりあえず乾杯しましょう!
一同:カンパ~~~~イ!
高山:あっ、ちょっと待って、待って。低い、低いよ、乾杯の位置!
たけもこ:えっ?
高山:乾杯はもっと景気よく、高くいかないとね!
西久保:低い位置の乾杯は時代遅れも甚だしい、悪しき風習です。みんなが元気のない乾杯してるせいで日本の国力は衰退し、円安になってるんですよ。
たけもこ:なるほど! 勉強になります!
高山:とにかくグラスを高々と上げて乾杯。これが世間に広まったら、日本の景気もよくなります!
西久保:高く上げれば、上げるほど、いいんです。まあ、そうなってくると背の高い人が有利になっちゃうけど、今日は我々、接待しに来てますから。たけもこさんの高さに合わせていきますから。ってことで、もう一回、乾杯しましょう!
たけもこ:わかりました!
一同:じゃ、改めて……カンパ~~~~イ!
高山:まだイケます!(席から立ち上がりながら)
西久保:まだまだ! もっと高く!(爪先立ちしながら)
たけもこ:まっ、まだですか!? うっ、腕が……
高山:これで景気爆アゲです。たけもこさんにも仕事がバンバン来るようになりますから、いつか今日の恩返ししてくださいね?
●まるでファーストクラスのおもてなし
capovoroのメニューは、全6品にデザート(ドルチェ)と食後のドリンクがつく「フルコース」(8000円)、前菜2品がお得に味わえる「前菜コース」(2000円)、一品ごとに自由にオーダーする「アラカルト」がある。
高山:このフルコースがお得で、最高ですよ。パンはお代わりし放題だし、パスタの大盛りまで無料でしてくれて、めっちゃ食えますから!
たけもこ:けっこうボリューミーですね! でも食べきれるか心配です。
西久保:じゃあ、今回は前菜コースを注文して、あとはアラカルトで好きなものを頼みましょうか。奢りなんで、もうジャンジャン行っちゃってください!
たけもこ:わ~、うれしい。こういう注文のしかたができると、男性と女性で食べる量が違うとか、いろいろ食べてみたい場合にもいいですよね。
高山:たけもこさん、目の付け所がさすがですね!
西久保:えーと、この「選べる前菜」ってのは……前菜ですでに「肉」か「魚」かを選べるんだ? いきなり酷な選択だな~!
高山:飛行機みたいですよね。「ミートorフィッシュ?」って。ファーストクラスのおもてなしですね!
たけもこ:いや、レストランって普通そういうものじゃないですか? あ、私「真鯛のカルッパチョ」にします。
高山:そんな即決で大丈夫? 後悔しない?
西久保:「このまま30分迷いました……」ってくだりをやる予定だったのに。
たけもこ:いや、もう、一刻も早く食べさせてくださいよ!
そうこうするうちに、一品目の料理が運ばれてきた。
高山:おっ、野菜の前菜だけでこんなにあるんだ?
たけもこ:めっちゃ美味しそう!
●ままごとレベルな「おくりバント」の実態
一同:いただきま~~~~す!
たけもこ:うん、美味しい!
高山:イタリアンなんて食べたことないでしょ?
西久保:独立して半年くらいでしたっけ? まだまだ、こんなの食べられないでしょ?
たけもこ:あははは……マウントの取り方が下手すぎて全然ムカつきませんね!
高山:で、どうですか、仕事のほうは?
たけもこ:独立直後は張り切って仕事を受けすぎて、大変だったので、今は少しペースを控えめにした感じです。
西久保:えっ、そんなに仕事が来るの? 俺たちに回せる仕事ないの?
高山:儲かってんの? 貯金いくらあるの?
たけもこ:畳みかけ、怖すぎます。そう言うおくりバントさんはどうなんですか?
高山:いやあ、最近ヤバかったね。よくわかってなくて、めちゃくちゃ予算を使ってたから、目標未達どころか、赤字になりかけて。慌てて営業かけて、なんとか売上を立てたけど、それでも200万足りない……って騒いでたら、西久保さんがウソついてたの!
西久保:ウソっていうか、実際の目標額より200万高く、高山さんに言ってたの。必ず遅刻してくる人に、30分早い集合時間を伝えるようなもんで。
高山:会長にウソつくなんて、ありえないでしょ?
西久保:いやいや、会長が自社の予算を知らないほうがありえないでしょ!
たけもこ:会長と社長って、会長のほうが偉いんですか?
高山:そりゃ会長のほうが偉いに決まってるよ!
西久保:変わんねーよ。どうせ俺らの役職なんて、ままごとみたいなもんだし!
たけもこ:『ままごと経営』ってビジネス本を出しましょうよ。あっ、このサツマイモのスープ、美味しい。季節や食材の旬も考えられてるんでしょうね。
西久保:おっ、さっき選んだ次の前菜も来ましたね!
●押し売りした恩が300倍になって返ってきた!
たけもこ:ほんとに、どのお料理も美味しいです。内装も素敵ですね。「会員制」と聞いて、ちょっとギラついた感じを想像したんですけど、かわいくて、仲がいい人ほど気軽に誘いたいお店だと思いました。
高山:気がついたんだけど、接待も肩ひじ張ったお店じゃなくて、普段から行ってる気軽なお店に連れて行ったほうがいいね。居酒屋とか。接待だと感じさせないし。で、相手が偉い人、お金を持ってる人であればあるほど、こっちが払ったほうがいい。偉い人は自分が奢るのが当たり前だから、逆に、奢られると新鮮なんだよ。それが効果的なの!
西久保:お会計のとき、向こうは当然「出す」って言うけど、「いやいや、僕らが奢りますから!」って。高い店じゃないからこそ、「そう? 悪いね」となるでしょ? そこですかさず「でも、この恩を忘れないでくださいね!」とアピールするんですよ。
たけもこ:恩の押し売りじゃないですか。
西久保:でも最近、そのおかげでマジで助かったんだよね。経営危機を乗り越えられた。
高山:1年くらい前に上場企業の社長さんと中野の居酒屋で飲んで、大した額じゃないけど「奢ります!」ってやったことがあって。それ思い出して、具体的な提案もないのに、その企業に菓子折り持って営業に行ったんですよ。「あのときのこと覚えてます?」って。
西久保:「今ちょっと苦しくて……どうにかならないですかね?」と相談したら、すごい考えてくれてね。グループ企業のいろんなところに聞いて、「1個あったよ」って仕事を紹介してくれた。あれがなかったら、おくりバント潰れてたよ。
高山:まあ、俺たちが居酒屋で奢った額の300倍の売上になったよね。
たけもこ:すごい。もう投資ですね!
高山:そう、接待はめちゃくちゃリターンのいい投資なんですよ!
たけもこ:もしかして今、私も恩を売られてます?
高山:300倍にして返してください!
たけもこ:今日のことは忘れません! ところで、そもそも、どうやってそんな偉い人たちと知り合うんですか?
西久保:意外と俺たちも企業のパーティーに顔出したりもするんですよ。あと、ベンチャー企業向けのカンファレンスで知り合った人もいたな。高山さんは風貌が目立つから、興味持って話しかけてくれる人もいたり。
高山:とにかく、そういう場で「お金」とかギラついた話はいっさいしないで、普段どおりにヘラヘラしてることだよね。
たけもこ:たしかに偉い人たちって、そういう場で血まなこで出会おうとしている人を嫌いそうですもんね。
高山:あと、そういう会場の喫煙所が出会いポイントだね。タバコ吸いながら「どうも〜」みたいな感じで自然と雑談に持ち込んで、友だちできるから!
たけもこ:なるほど~。たしかに高山さんや西久保さんは「お友達感」ありますもんね。
●お酒も初心者から上級者まで満足の品揃え
高山:ところで、料理どんどん頼んじゃっていい?
西久保:お酒もどんどん飲んじゃいましょうよ。って、メニュー見ても、俺、ワインとか全然わかんないんだよな……
capovoro:ボトルをお持ちします。特徴を書いたラベルも付けておりますので、ご覧になってください。
たけもこ:わ~、これはわかりやすくて親切ですね!
高山:じゃあ俺、赤のいちばん高いの!
西久保:俺、白のいちばん高いの!
たけもこ:ラベルの意味ないじゃないですか。私も白がいいな。あ、「魚介・野菜料理に合う」って書いてあるから、これにします。生産者についても書かれてますよ!
一同:じゃあ、もう一回、カンパ~~~~イ!
たけもこ:ワインも美味しいなぁ。あっ、そういえば、西久保さんに文句言いたいことあるんですよ。
西久保:ええっ、なに?
たけもこ:自分の書きたいことを書ける場を作ろうと思って、noteのメンバーシップ を始めたんですよ。それで、お二人に「がんばるので、応援してください!」ってメッセージを送ったんです。私の言い方も回りくどかったんですが、要は有料メンバーになってほしかったんです。そしたら、西久保さんから「応援しました!」って返信があったんですけど……
西久保:うん。メンバーになったよね?
たけもこ:それが……単にフォローしてくれただけで、メンバーになってないんですよ。「うわ~、天然おじさんムーブでかわされた」と思って!
西久保:え~っ、なんか俺、クレジットカードの番号も入力したような気がするんだけどな。できてなかったんだ?
高山:それは天然とかじゃなくて、真のおじさんだから。ガチでわかってないんだよ。さっきのワインのラベルみたく、親切に「こうやってメンバー入会してください」って書いときゃよかったのに。
たけもこ:そう言う高山さんは……ねぇ?
高山:うん、なにもしてない!
たけもこ:応援してください!
西久保:すみません、必ず入ります。ここでも宣伝しときますんで。
『なやみ区立 たけもこ公園』
高山:最高のnoteです。絶対に有意義なことが書いてありますから、将来への投資と思って、みんなでメンバーになりましょう!
たけもこ:ありがとうございます! きっといつか300倍になって返ってきます!
●デートでは「会員制」を強調しないほうがスマート?
高山:なんか、どんどんお腹空いてきたな。前菜って、お腹が減るためのもんだよね?
と言ったところで、タイミングよく、アラカルトで注文した料理が次々と運ばれてきた。
西久保:このポモドーロ、味が濃くて美味い!
capovoro:リガトーニ(太い円筒状のパスタ)は穴の中にソースが入るので、しっかりとソースを味わえるんです。
高山:生しらすのパスタ、絶対に食べたかったやつ!
たけもこ:うん、本当に美味しいです!
高山:こんなの食べたことある? ないでしょ?
たけもこ:いや、なかったですけど……
高山:俺も初めて食ったんだけど!
たけもこ:なんなんですか……
高山:いや、いい感じの感想を言って欲しくて。俺と西久保さんじゃ「美味い!」しか言えないから。
たけもこ:私も「美味しい!」しか言ってないですよ(笑)
西久保:capovoroってデートにも持ってこいだと思うけど、女性の目から見て、その辺はどうですか?
たけもこ:「会員制のお店があるんだよね」って誘われると、場合によっては警戒しちゃう気がしますけど、連れて来られたのがここだったら、絶対に印象いいですよ!
高山:デートに使うとしたら、逆に「会員制」とか言わないほうがいいですかね?
西久保:むしろ自慢げに「会員制だからさ~」とか言うほうがダサいか。
たけもこ:「検索してみたけど、出なかったんだよね」と言ったら、「あ、じつは会員制なんだよ」って言われるくらいのほうがスマートかも。
高山・西久保:めちゃくちゃ参考になります!
謎の男:会員制だからと肩ひじ張らず、気軽に、スマートに使っていただけたら嬉しいですね。
高山・西久保:あっ、だてさんだ!
●いま明かされる衝撃の真実……
だて:どうも、capovoroオーナーのだてと申します。
たけもこ:初めまして。とても素敵なお店ですね!
だて:ありがとうございます。どんどんPRしてください!
たけもこ:はい……って、あれ? 今日は私が接待していただく企画ですよね?
西久保:そういう体で……ぶっちゃけ、これ、お店のPRですから!
たけもこ:え?
高山:ズブズブのお友だちから、うまい飯を好きなだけタダで食べさせてくれる代わりにPRしてます!
西久保:でも、たけもこさんをお祝いする気持ちはガチですから。
だて:私からもおめでとうございます! メイン料理もぜひ召し上がってください。
高山:じゃあ、4人でもう一回、乾杯しましょう!
一同:カンパ~~~~イ!
だて:しかし、さっきから横で聞いてましたけど、たけもこさんはおじさんのしょうもない話を聞くのが上手くないですか?
西久保:そうなんですよ。話しやすくて、年の差もあまり感じないし。
高山:いや、たけもこさんは感じてるだろ?
西久保:「こんな若い女性がおじさんと話すなんて、嫌に決まってる……」という自分の認識を覆してくれる。そういう意味で、生きる力を与えてくれる存在ですよ!
高山:なんか危ないこと言ってない?
だて:相当危ない話じゃない?
西久保:いやいや、そういうんじゃなくて! 「気持ち悪いと思われてない……のかな?」って、おじさんをちょっと安心させてくれるんだよ。
たけもこ:それはですね、私が西久保さんに好感を持てると思う理由と表裏一体かもしれません。「おじさんであることを恥じてる感じ」が謙虚でいいんですよ!
高山:わははは、西久保さん、誰よりも「おじさんであること」を卑下してるもんね。
たけもこ:いつも嘆いてますよね!
西久保:自分がおじさんだと思うと、暗い気持ちになるときあるから。それを許してくれてるっていうか。「おじさんでも生きてていいんだ!」と思わせてくれるのよ。
●西久保のトラウマになった接待プレイとは?
たけもこ:逆に、なんでそんなに卑下してるんですか?
西久保:それは……トラウマになる一件があって。「ヘッチャラ事件」っていう。
高山:あれね。西久保さんが(株)アドウェイズのマネージャーだったときの話で、若手の部下が40人くらいいて。
西久保:俺もまだ30歳過ぎたくらいだったけど、アドウェイズという会社自体が若かったから、急成長した結果、急に若い部下がたくさんできたの。で、部下とカラオケに行って「西久保さん、ドラゴンボール好きですよね? 歌ってくださいよ!」とか言われて、『CHA-LA HEAD-CHA-LA』を歌ったんだけど……それがもうヤバいくらいに盛り上がって。
高山:ドラゴンボールであんなに盛り上がってるの見たことないよ。ただのおじさんが歌っているだけなのに「これ、カート・コバーンが歌ってんのか!?」ってくらいの勢いでさ。若手の目つきとテンションが異様でドン引きしたもん。
西久保:おじさんが「ちゃ~ら~、へっちゃら~♪」とか歌ってるだけなのに、若者が何十人も「ウォオオオオオオオ!」みたいになってんの、どう考えてもおかしいじゃん。そんなに楽しいわけないだろ? っていう……
たけもこ:それがそんなに嫌だったんですか?
西久保:だってさ、俺が彼らの給料とかを決める立場になっちゃったわけですよ……
だて:あぁ、そりゃ、なにがなんでも盛り上げようとするね。
西久保:「俺はもう彼らの仲間じゃないんだ……若い連中からしたら、あんな無理までして、気を遣わなきゃいけない存在……おじさんなんだ!」って気づいて、逆にすごい傷ついたんですよ。
たけもこ:そういうことかぁ(笑)
西久保:だから、今もたまに若い人と飲みに行く機会あるけど、最初に「今日は2時間でお開きにします」とか言っとくの。ダラダラ飲んで、若い人に気を遣わせて、疲れさせたくないから。実際、若い人のほうが自分から「もう帰ります」って言いづらいでしょ?
たけもこ:そこまでしなくていいと思いますが、トラウマから学んだ配慮を感じます。そうやって気遣いできること自体が、すてきです!
西久保:そう言ってもらえただけで、また明日からがんばれます!
たけもこ:私も美味しいものをたくさん食べさせてもらって、がんばれそうです!
だて:では、最後にデザートをどうぞ!
たけもこ:わ~、いただきます!
高山:いや、美味かったなぁ~。
西久保:最高でしたね~。
たけもこ:最高でした!
だて:それは何よりですけど、これ、ちゃんとお店のPR記事になります? なんか途中から、西久保さんが喜んでただけのような気も……
西久保:バッチリです。今後もまだまだ接待を極めていきたいので、よろしくお願いします!
高山:今日はどうもありがとうございました!
たけもこ:ありがとうございました!
本日のまとめ
・capovoroは肩ひじ張らない会員制レストラン
・フルコースと前菜コースのほか、アラカルトでも注文できる
・お酒もこだわりの品揃え、説明も付いて初心者も安心
・乾杯は高い位置にグラスを掲げて景気よく!
・デートでは「会員制」をひけらかさずスマートに
・接待は最高の投資! 極めれば数百倍のリターンも生む
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