熊野山の山号を持つ石手寺ー境内の3

○大日曼陀羅石像群。境外道路脇に、京都市の東寺講堂の立体曼陀羅を模した石像群(大日如来と四仏、金剛波羅蜜と四菩薩、不動明王と四明王の合計15体)が平成30年(2018)に設置され、さらに釈迦如来と如意輪観音と四天王の6体が追加され、令和5年(2023)3月20日に開眼法要が行われました。仏陀研究館の東に入口があり、真っ暗な洞窟を進むと不動明王を中心とする明王室と大日如来を中心とする如来室が2つの計3室あり、座禅や瞑想ができます。ぞれを抜けると石像群のある外に出ます(拝観有料)。東寺の立体曼陀羅は、正式には羯磨曼陀羅(かつままんだら)と言います。空海が曼陀羅をよりリアルに伝えるために構想したものです。大日如来を中心とした五智(ごち)如来。すなわち中心に大日如来、東方に阿閦(あしゅく)如来、南方に宝生(ほうしょう)如来、西方に阿弥陀如来、北方に不空成就(ふくうじょうじゅ)如来が配置されています。大日如来に対面して右側に金剛波羅蜜多(こんごうはらみった)菩薩を中心にした五大菩薩。五大菩薩は金剛波羅蜜多菩薩を中尊に、四方に金剛薩埵(さった)菩薩、金剛宝菩薩、金剛法菩薩、金剛業(ごう)菩薩が配置されています。五大菩薩は『金剛頂経』や『仁王経』などをもとに空海が独自に発案したものともされています。大日如来の左側にはわが国に初めて紹介された不動明王を中心にした五大明王が配置されています。五大明王は、中央に不動明王、東に降三世(ごうざんぜ)明王、南に軍茶利(ぐんだり)明王、西に大威徳(だいいとく)明王、北に金剛夜叉(やしゃ)明王が置かれます。須弥壇の四方には四天王(持国天、増長天、広目天、多聞天)、そして梵天(ぼんてん)、帝釈天(たいしゃくてん)が警護するように配置されています。四天王の東が持国天(じこくてん)、南が増長天(ぞうちょうてん)、西は広目天(こうもくてん)、北が多聞天(たもんてん)です。多聞天は七福神の毘沙門天でもあります。これらが東寺講堂の立体曼陀羅の仏像群です。石手寺の立体曼陀羅には、釈迦如来像と如意輪観音像があり、梵天像と帝釈天像はないようです。
お山四国登り口。本堂に向かって左に登り口があります。 
○ミニ四国八十八箇所 愛宕山(標高115m)の山頂を経て下ると43番(源光山円手院明石寺、げんこうざんえんじゅいんめいせきじ、西予市宇和町明石205)まであり、44番(菅生山大覚院大寳寺、すごうざんだいかくいんだいほうじ、上浮穴郡久万高原町菅生2ー1173)から結願の88番(医王山遍照光院大窪寺、いおうざんへんじょうこういんおおくぼじ、香川県さぬき市多和兼割96)は巨大な西安大師(像高16m)が頂上に立つ東側の常光寺山(標高124m)を巡ります。亡くなった人がいると、四十九日までに白位牌と共に皆で参って供養します。こちらには八十八体の石の地蔵さんが祀られています。
○随求堂(ずいぐどう)。大随求菩薩を祀ります。大随求菩薩は密教における菩薩の一尊で、胎蔵界曼陀羅の蓮華部院にあり、観音菩薩の化身とされます。

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