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石川臨太郎の「生涯パートナー銘柄の研究」昭和パックス(3954) 2017/12/19

※企業情報や数字等は当時のものです。またリンク先の変更によりリンク切れの場合があります。あらかじめご了承の上お読みください。

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        石川臨太郎の「生涯パートナー銘柄の研究」
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            ◆Contents◆

      ◇研究銘柄 昭和パックス(3954)
      ◇コラム 掉尾の一振を確実に取っていきたい

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【お知らせ】

 ■年末年始の配信スケジュールは以下の通りとなります。
 
 年内最終号:12月26日
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◇研究銘柄 昭和パックス(3954)

 本日は、1935年(昭和10年)創業の産業用パッケージのリーディングカンパニーである、昭和パックスを研究銘柄として取り上げます。

 昭和パックスは、創業から82年の歴史を持ち、各種産業用パッケージの製造を行っており、主力のクラフト重包装紙袋は国内トップシェアを確保しています。また、斬新な発想とオンリーワンの技術で、包装資材のトータルソリューションを目指し、液体輸送容器など新しい分野も手掛けています。

 高い技術力と開発力で、常にトップを走り続け、物流包装界のリーダーとして確固たる地位を確立しています。

 昭和パックスは低PERかつ低PBRのバリュー株ですが、2017年8月までは1400円の壁をなかなか超えることが出来ない企業でした。しかし8月から一気に1889円まで右肩上がりで株価が上昇しましたが、そこから利食いで下げて、現在は1700円前後で下げ止まっています。

 昭和パックスの2年間の株価のチャートです。
https://www.nikkei.com/nkd/company/chart/?type=2year&scode=3954&ba=9&n_cid=DSMMAA13

 昭和パックスの2018年3月期第2四半期の業績は良好で、売上高に関しては前年同期比で3.5%とわずかの増収ですが、営業利益は前年同期に13.8%の増益、経常利益は前年同期比16.2%の増益、純利益は前年同期比で15.9%と増収増益となっている状況です。

 一株利益で確認すると前年の上期の一株利益は96.86円であったのに対し、今期の上期は112.26円です。

 通期の一株利益の予想は201.35円であり、上期の進捗率は55.75%で、業績上方修正の可能性があると考えたのが、本日の研究銘柄として選んだ最大の理由です。

 2018年3月期の第2四半期の主要事業セグメントの業績を確認します。

1)クラフト重包装紙袋の製造販売事業

 重包装袋部門の主力製品であるクラフト紙袋は、業界全体の当第2四半期の出荷数量(ゴミ袋を除く)は、前年同期を2.1%下回りました。米の輸送形態の変化で米麦袋出荷数量が昨年より更に減少しました。このほか、製粉、飼料、農水産物などの用途も減少しましたが、化学薬品、合成樹脂、その他鉱産物などの用途は増加しました。印刷用紙など他の製紙価格が値上がりする中で、重包装袋の原材料であるクラフト原紙の価格は比較的安定して推移しました。

 業界全体の出荷数量が減少する中で、昭和パックスは健闘して売上数量は前年同期比+1.3%となりました。

 米麦袋の減少を小幅にとどめ、砂糖・甘味、塩用途はマイナスとなりましたが、主力の合成樹脂用途や製粉用途を増やし、全体では前年同期よりも数量を伸ばしました。

 クラフト重包装紙袋セグメントの2018年3月期の第2四半期の売上高は6,818百万円で、前年同期に対し3.2%の増収となりました。

 前年同期に比べてタイバーツに対して円安となったため、タイ昭和パックスの売上高が円換算では大きく増えたことも影響しています。

2)各種フィルムの製造販売事業

 フィルム製品の業界全体の2018年の第2四半期の出荷量は、産業用、農業用ともに前年同期から少し増加しました。原油価格の変動を受け、主原料であるポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂は、一旦値上がりした後値下がりに転じましたが、直近ではまた上昇気配になっています。

 昭和パックスの売上数量は、一時期の低迷を脱し、全体で前年同期比+5.2%となりました。

 シュリンクフィルムの「エスタイト」、一般広幅ポリエチレンフィルムなど産業用が全般に数量を伸ばしました。しかし、農業用は、ハウス用農酢ビフィルムが落ち込んだことが原因で前年同期比減少となりました。

 各種フィルムセグメントの2018年第2四半期の売上高は1,668百万円で、前年同期に対して3.5%の増収となりました。

3)フレキシブルコンテナの製造販売事業

 粒状内容物の大型輸送用ワンウェイ・フレコンは、業界の出荷量は、国内生産品はほぼすべての用途で前年同期から減少、海外生産品は化学工業品、合成樹脂用途は増加しましたが全体では大きく減少しました。海外からの輸入量の全体は少し増加しています。

 昭和パックスのワンウェイ・フレコン「エルコン」の売上数量は、輸入販売品が減少し、全体で前年同期比▲2.0%でした。大型コンテナーバッグ
 「バルコン」、液体輸送用1,000リットル内袋「エスキューブ」、液体輸送用コンテナーライナー「エスタンク」は、いずれも前年同期から数量を減らしました。

 フレキシブルコンテナセグメントの2018年第2四半期の売上高は939百万円で、前年同期に対して3.8%の減収でした。

4)不動産事業

 賃貸用不動産及び賃貸契約内容に大きな変動はありません。不動産賃貸セグメントの2018年3月期第2四半期の売上高は前年同期から横ばいの131百万円でした。

 フレキシブルコンテナの製造販売事業のみ前期比で減収でしたが、他の製造部門は好調でした。

 昭和パックスの販売先は企業が主体(=企業間取引が中心)ですが、取引相手は大手一流企業が多いです。

[主要取引先]

 トクヤマ、三菱化学、全国農業協同組合連合会、味の素、信越化学工業、
 電気化学工業、旭化成ケミカルズ、プライムポリマー、カネカ、ポリプラスチックス、東レなどです。

 技術力に加え、実質無借金経営の優良な財務内容を誇り、安定した供給力も高い評価を得ています。「常に弛まぬ革新」をテーマに、国内或いは世界における包装分野で大きな貢献をすることが、昭和パックスの目標です。

 昭和パックスは2016年10月1日に2株を1株に統合するとともに、投資単元を1000株から100株に変更したので、従来の5分の一の投資額で投資できるようになりました。

 続いて、本日の研究銘柄として昭和パックスを選んだ他の理由を具体的に説します。

1.昭和パックスは低PERかつ低PBRと投資指標的に割安な企業であること。

 2017年12年15日の終値1717円。

 自社株を除いた時価総額は1717円×4,440,041株=76.24円。

 2018年3月期の予想一株利益201.35円。RER8.6倍。
 2017年9月末の一株純資産は3330.80円であり、PBRは0.52倍。
 自己資本比率は57.3%。

2.昭和パックスは順調に業績を伸ばしている企業であること。

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