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石川臨太郎の「生涯パートナー銘柄の研究」第一建設工業(1799) 2016/10/04

※企業情報や数字等は当時のものです。またリンク先の変更によりリンク切れの場合があります。あらかじめご了承の上お読みください。

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        石川臨太郎の「生涯パートナー銘柄の研究」
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            ◆Contents◆

  ◇銘柄研究 第一建設工業(1799)
  ◇コラム 業績に不安が無い企業に投資家が資金を投下し始めた可能性

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◇銘柄研究 第一建設工業(1799)

 本日は、1942年(昭和17年)創業の、新潟県に本社を置き、関東・信越・東北地方を地盤とするJR東日本系の総合建設会社である、第一建設工業を研究銘柄として取り上げます。

 第一建設工業は74年の歴史がある上に、JR東日本という安定した主力顧客を有する、財務基盤の強い企業です。

〇売上高のうち占めるJR東日本の推移

2009年3月期 67.3%
2010年3月期 70.0%
2011年3月期 72.7%
2012年3月期 68.6%
2013年3月期 70.6%
2014年3月期 68.1%
2015年3月期 76.2%
2016年3月期 71.5%

 JR東日本は、第一建設工業に仕事を出さないと北陸新幹線などで電車を安全に運行できなくなることが大きな理由です。

 もし、第一建設工業の仕事を他の企業が価格競争などで安く受注して奪うことが可能ならば、JR東日本だけに売り上げ面で依存していることは問題があるかもしれません。

 単なる建物の建設ということであれば、ライバルとなる建設業者はいくらでも存在します。しかし、第一建設工業が提供しているサービス(=JR東日本に対する事業)は、他の総合建設会社が簡単に価格競争で奪えるようなサービスではありません。

 JR東日本が電車を安全に運航するためには、第一建設工業に仕事を発注せざるを得ない高い参入障壁を持っているので、他の総合建設会社などが第一建設工業から仕事を奪うことは、コストと設備面などから考えて難しいからです。

 第一建設工業は、JR東日本に売り上げ面で依存していますが、JR東日本も第一建設工業のサービスに鉄道の安全な運行を依存している点で、相互依存の関係にあると考えれば良いのだと判断しています。

 第一建設工業は昭和17年の創業以来、鉄道施設の維持修繕工事を主体に、道路や橋などの交通インフラ、病院、学校といった公共施設、民間のユーザーの事業所や工場、マンションや住宅の建設など、地域に密着した事業を手掛けてきました。

 また、中越地震、中越沖地震、東日本大震災、長野県北部地震、新潟・福島豪雨など大規模災害に地域が幾度となく見舞われる中、災害復旧に際し、社員一丸となって取り組んできました。

 第一建設工業は、JR東日本を主力取引先としていますが、他の企業の仕事も着実に増やしています。新潟、東京、長野、秋田、山形及び仙台を地盤に、道路・橋りょう・トンネルなどの「土木事業」、線路の敷設や補修を行う「線路事業」、住宅、工場、マンションなどの建設を行う「建築事業」の3分野を中心に、各種工事施工を行っています。

 第一建設工業の事業分野は、幅広いフィールドに及びます。たとえばFA事業(=ユーザーの持つ不動産の資産価値を活用するノウハウを提供し、賃貸マンションなどの資産運用を総合的にバックアップする事業)や、コンクリート補修・補強事業(橋りょうなどのコンクリート構造物の劣化の程度や形状、規模に応じた最適な補修・補強工法の診断を実施し、提案から施工までトータルでユーザーをサポートする事業)などがあります。

 まず、本日の研究銘柄として第一建設工業を選んだその他の理由も説明します。

1.第一建設工業は財務内容が良い企業であること。

 無借金経営、自己資本比率83.2%、さらに建設会社を評価する指標である国土交通省の通称「評点Y」において、第一建設工業は1,301点と、抜群の経営安定度を誇ります。

第一建設工業の財務ハイライトのページ
http://www.daiichi-kensetsu.co.jp/ir/highlight.html

2.第一建設工業は、業績を安定的に黒字を確保している企業であること。

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