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石川臨太郎の「生涯パートナー銘柄の研究」 マースエンジニアリング(6419) 2015/03/03

※企業情報や数字等は当時のものです。またリンク先の変更によりリンク切れの場合があります。あらかじめご了承の上お読みください。

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        石川臨太郎の「生涯パートナー銘柄の研究」
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 億の近道の大人気執筆者、石川臨太郎が皆様へお贈りするメールマガジンの第319回目です。週に1回(火曜日)配信いたします。
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            ◆Contents◆

 ◇銘柄研究 マースエンジニアリング(6419)
 ◇コラム 歪んだ「企業の本質的な価値」の先に網を張るのも良い作戦

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◇銘柄研究 マースエンジニアリング(6419)

 本日は、1974年(昭和49年)創業のマースエンジニアリングを研究対象として取り上げます。

 マースエンジニアリングは、非接触型ICカードやICタグを使った無線通信による識別技術などの最先端の認証技術を、他社に先駆けてアミューズメント業界へ導入し、パチンコ周辺機器を中心としたシステム機器を主力製品としています。
 景品管理システム、プリペイドカードシステム、ホールコンピュータ、補給システムなど、パチンコ業界においては業界標準となる画期的で独創的な製品を数多く生み出して、業界をリードするまでに成長してきました。

 特に注目を集めるのは、遊技台ごとに出玉計数機を設置し、ICカードでその管理を行う「パーソナルPCシステム」です。通路を占拠する玉箱の役目をICカードが担うことでスペースやコストも大幅に縮小しました。

 またマースエンジニアリングは、これまで培った技術を元に、さらに新しい技術を活用して、アミューズメント業界から他業界へ展開しようとしています。

 主力製品についてもう少し説明すると、パーソナルPCシステムは遊技台ごとに設置した計数機が玉を数えることで、パチンコホール内から玉箱の積み上げを無くすことを可能にしました。

 さらに遊技者が獲得した出玉は、ICカード一枚に集約することが出来ます。この様な特徴から、ホール経営の面では省スペースやホールスタッフの人件費の削減に繋がるため、経営の効率化になり、プレースタイルは今までにないスマートなイメージのホールとして好評を得ています。

 マースエンジニアリングは、自ら生み出し育ててきた技術をベースにホールを支える様々なシステム機器を開発してきました。その技術と経験をもとに、事業の多角化を進め、RFID事業、そしてホテル事業へと事業領域を広げ、着実に利益を上げている企業です。

 マースエンジニアリングは「市場開拓型企業」です。1974年の創業当時は受託開発型の電機・電子機器メ-カーでした。

 その後、様々な業界や領域に自社技術を携えて挑戦し続け、現在はパチンコ業界における周辺機器開発メーカーとして活躍しています。

 マースエンジニアリングのPOSシステムやRFID技術は、パチンコ業界でトップクラスのシェアを誇っています。しかしそのポジションに甘んずることなく、培ってきた技術力をグループ会社を介してパチンコ業界以外の領域にも展開しています。

 アパレル業界、流通業界、医療業界において、ICカード社員証システムや、顧客管理・販売管理・物流管理の各システムなどを導入しています。流通業界ではRFID技術を活用した顧客・販売・物流の管理システムや、医療業界では健康診断の結果をICカードに集約させるための認証システムなどを提案し、導入事例を積み上げています。

 創業以来積み上げてきた技術力と、M&Aを通じて獲得した新しい技術力を基盤に、市場の拡大を目指しています。グループのシナジーを利用し、セキュリティ事業やX線検査事業を深化させています。

マースエンジニアリングの成長の歴史
http://www.mars-eng.co.jp/whats_mars/mars_history.html

マースエンジニアリングの沿革
http://www.mars-eng.co.jp/company/history.html

 IR(統合型リゾート)推進法案、通称「カジノ法案」が通れば、日本にカジノが登場することになり、パチンコ客がカジノに奪われるのではという論議もありますが、カジノは主に富裕層の外国人観光客を想定しており、庶民の遊び、大衆娯楽であるパチンコとは、そもそも客層が違います。

 人の射幸心を満たすものとしては、我々投資家にはカジノよりずっと身近で、誰でも参加できる株式市場があります。アベノミクスで株価が大きく上昇してNISA口座で株式投資をスタートする人も多いと言われていますが、パチンコの客が株式市場に奪われるということも過去に起こっていません。したがってカジノが出来ても、大衆の娯楽としてのパチンコ市場は生き延びていくと考えられます。

 まず、本日の研究銘柄としてマースエンジニアリングを選んだ理由を説明します。

1.マースエンジニアリングは低PERかつ低PBRで自己資本比率が高い、投資指標から考えて割安な企業であること。

 マースエンジニアリングの1月30日に発表した2015年3月期第3四半期の決算短信を確認すると、第3四半期までの一株利益は145.34円です。

 2015年3月期の一株利益予想は196.33円です。通期業績に対する進捗率は74.0%です。ほぼ計画通りの順調な状況です。

 マースエンジニアリングの2月27日時点の終値は2220円です。
 2014年12月末時点の一株純資産は2699.77円です。

 PERは11.3倍。PBRは0.82倍です。自己資本比率は81.5%です。

2.配当利回りが2.92%と高いこと。

 マースエンジニアリングの配当は65円(9月実績35円、3月30円予定)です。

3.マースエンジニアリングはキャッシュ・リッチな企業であること。

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