見出し画像

石川臨太郎の「生涯パートナー銘柄の研究」かわでん(6648) 2016/04/19

□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
===================================
-----------------------------2016/04/19-
        石川臨太郎の「生涯パートナー銘柄の研究」
-----------------------------------
===================================

 億の近道の大人気執筆者、石川臨太郎が皆様へお贈りするメールマガジンの
第377回目です。週に1回(火曜日)配信いたします。
 なお、この有料メルマガの売り上げの一部は、億の近道の発行運営に活用さ
れます。
 どうぞよろしくお願い申し上げます。

□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

            ◆Contents◆

   ◇銘柄研究 かわでん(6648)
   ◇コラム 焦りは禁物だが業績の良い割安企業をポートフォリオに


□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□


◇銘柄研究 かわでん(6648)


 本日は、1926年(大正15年)創業の、カスタム型配電制御設備業界で
専業企業としてはトップシェアを誇る、かわでんを研究銘柄として取り上げま
す。

 かわでんは2000年に倒産し、民事再生を申請して2002年に民事再生手続きが終結して、2004年にジャスダック証券取引所に上場した企業です。

 SBIホールディングスの北尾吉孝氏を民事再生法のスポンサーとして、早期に再生を果たして、ここ数年で大きく業績を伸ばしている企業です。

 かわでんは、平成26年11月分の資材検収において、特定資材の不自然な大量発注を発見したため内部調査を進めた結果、かわでんの元従業員が平成19年11月から平成26年12月までの間に特定資材を不正に発注・転売し、その代金を着服していた事実が判明しました。この事件の発生後にSBIホールディングスの北尾氏が役員を退任したので、状況を見ていましたが、業績は事件の後も著しく伸びているのに、株価は業績の伸びほどには上昇しませんでした。

 しかし、次のようなIRもでて内部調査も進み、内部体制の改善も行われていることが確認できたこと。更に業績が伸びていること。株価は業績が伸びているのに大きく下落していることなどから、かわでんを研究銘柄として取り上げることにしました。


 現在のドル円相場の状況は、円高が一服して1ドル109円台に戻していますが、いつ円高に動き出すか分からない状況です。そのために輸出型の企業より内需型の企業で、業績が着実に伸びているのに株価が大きく下落して、配当利回りが3%を大きく超えてきている、自己資本比率が高い企業の株を研究銘柄に選ぶことにしました。

 2015年10月14日に発表された、かわでんの『東京証券取引所への「改善状況報告書」の提出に関するお知らせ』のIR
http://navigator.eir-parts.net/EIRNavi/DocumentNavigator/ENavigatorBody.aspx?cat=tdnet&sid=1291032&code=6648&ln=ja&disp=simple

かわでんの財務ハイライトのページ。
http://www.kawaden.co.jp/ir_highlight.html

 売上高の成長も堅実ですが、経常利益の伸びは大きくて利益成長力では群を抜いている企業であることが分かります。

【かわでんの財務情報】

<売上高の推移>

2010年3月期 139.2億円
2011年3月期 127.5億円
2012年3月期 142.2億円
2013年3月期 154.8億円
2014年3月期 181.7億円
2015年3月期 192.9億円
2016年3月期予200.0億円

 この予想は2015年10月19日に上方修正されたものです。

<経常利益、純利益、一株利益の推移>
  経常利益/純利益/一株利益

2010年3月期  642百万円/ 314百万円/9841.73円
2011年3月期  267百万円/  81百万円/2551.83円
2012年3月期  278百万円/  88百万円/  27.72円※
2013年3月期  657百万円/ 330百万円/ 103.3円
2014年3月期 1364百万円/ 806百万円/ 252.1円
2015年3月期 2383百万円/1449百万円/ 452.54円
2016年3月期予2280百万円/1580百万円/ 493.21円
※1株を100株に分割


2016年3月期の第3四半期までの9か月間の状況。
http://navigator.eir-parts.net/EIRNavi/DocumentNavigator/ENavigatorBody.aspx?cat=tdnet&sid=1328097&code=6648&ln=ja&disp=simple

経常利益1716百万円(前期比4.9%の増益)
 純利益1151百万円(前期比21.9%の増益)
一株利益359.40円


 かわでんの1年間の株価のチャートです。
http://www.nikkei.com/markets/company/chart/chart.aspx?scode=6648&ba=9&type=year

 株価は2015年8月10日の3300円から下落しており、多くの日本株が玉石混合で強烈に下げた2016年2月12日につけた2010円の安値を大底に、3月28日の配当権利最終日まで戻して、利喰いの売りで300円ほど下げてから、リバウンドをスタートしたような状況です。
 まだ十分すぎるほど割安な状況にとどまっています。


 日本は景気も改善せずに、むしろ後退している状況です。そして4月12日には、IMF(国際通貨基金)は2017年の日本の経済成長率について、これまでの+0.3%の予測を大幅に下方修正し、実質で、-0.1%に転落するとの予測を発表しました。

 これは、2017年4月に予定されている、消費税率の引き上げが影響していて、主要国では、唯一のマイナス成長の予測となっています。

 また、2016年の成長率についても、個人消費が弱いことなどから前回の推定から半減となる、0.5%のプラス成長と、大きく引き下げました。

毎日新聞の記事です。
http://mainichi.jp/articles/20160413/ddm/002/020/089000c


 普通の感覚で考えるなら、参議院選挙を控える安倍政権の消費税引き上げの判断にも影響するとみられます。

 景気対策としての公共投資なども前倒して実施することが見えています。
 オリンピックの2020年開催に向けて、東京を中心とした関東圏では、競技場の建設の他に、ホテルや大型ビルの建設も進んでおり、オリンピックとは関係なく大型物流施設の建設も増加しています。このような建造物の増加は、かわでんの事業の大きな追い風となっています。


 かわでんは配電制御設備業界トップクラスの企業として、ビルや工場などのユーザーのニーズに合わせたカスタムメイドの製品を提供しています。

 設計、製造、販売、アフターサービスまでの一貫体制を国内でいち早く確立し、全国各地に販売・サービス網を展開するとともに、生産拠点を山形・九州に置いています。全国各地に多数の納入実績があり、伝統と信頼のブランド「KAWADEN配電制御システム」が大型プロジェクトに納入されています。

http://www.kawaden.co.jp/office.html

 例えばスカイツリー、新歌舞伎座、KITTE、フジテレビ、日本テレビ、ユニバーサルスタジオジャパン、東京都庁など、知名度の高い日本を代表する日本を代表する建築物や商業施設、官公庁で使用されています。

 これらの納入先はごく一部で、かわでん製品は全国各地様々な分野で採用されています。多くの大学や病院などにも納入されています。


 大正15年3月に創設されて以来、配電盤専業のリーディング・カンパニーとして、コンサルティング、設計、製造、販売、アフターサービスの一貫事業体制を日本で最も早く構築してきました。

 高品質で信頼性の高い製品の開発と、充実したサービスを追及してきました。
85年近くの歴史の中で営々と積み上げてきた納入実績は、業界トップクラスです。日本各地のランドマークとなっている著名な建築物、公官庁・地方自治体の施設、地域再開発など数々の大型プロジェクトで、<かわでん>の配電制御システムが使用されています。

一度挫折を味わいましたが、高い技術力と北尾氏というスポンサーを得て、素早く再生し、新しい時代の配電盤メーカーへと生まれ変わりました。

 新しい会社として、来るべきマルチメディア社会における電気エネルギーの安全性、クリーン性、省資源・省力性のニーズに応えるべく、国際水準、環境重視、先端技術の3つのテーマをさらに追求し続けます。

 すでに技術力、品質管理、環境管理において国際水準を業界に先駆けて達成しています。世界市場で通用する研究開発力と技術力に磨きをかけています。

 平成8年12月、山形工場が品質管理の国際規格であるISO9001、平成9年1月には九州工場がISO9002(後にISO9001)を取得するなど、品質管理のたゆまぬ努力を続けてきました。

 また、環境重視の方針に基づき山形工場は、平成10年2月にISO14001を取得し、国際水準を誇る配電盤工場として確固たるものにしています。

 まず、本日の研究銘柄としてかわでんを選んだ理由を具体的に説明します。


1.かわでんの業績はすこぶる順調に伸びており、2015年10月19日に 上期と通期の増益修正を発表しました。

続きをみるには

残り 18,421字

¥ 290

期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?