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石川臨太郎の「生涯パートナー銘柄の研究」マースエンジニアリング(6419) 2016/02/23

※このレポートは2016年2月に作成されたものであり、企業情報や数字等は当時のものです。またリンク先の変更によりリンク切れの場合があります。あらかじめご了承の上お読みください。

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        石川臨太郎の「生涯パートナー銘柄の研究」
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            ◆Contents◆

     ◇銘柄研究 マースエンジニアリング(6419)
     ◇コラム 業績不安のない企業に分散投資を進めていきたい


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◇銘柄研究 マースエンジニアリング(6419)


 本日は、1974年(昭和49年)創業のマースエンジニアリングを研究対象として取り上げます。

 マースエンジニアリングを本日の研究銘柄として取り上げる理由は、2月16日から3月31日までの間に100万株の自社株買いを行うと発表したことが最大の理由です。

http://www.nikkei.com/markets/ir/irftp/data/tdnr/tdnetg3/20160215/9qmho5/140120160215414933.pdf

 マースエンジニアリングは、この自社株買いを行う前に、すでに自己株式を5,921,312株保有しています。

 キャッシュ・リッチな企業であり、100万株程度の自社株買いを行っても、事業にまったく問題は生じません。日銀のマイナス金利導入で、大手銀行は法人に対して預金をすると管理手数料を取ることを検討しており、一株純資産より低い価格で自社株買いを実施することは、マースエンジニアリングの株主にもメリットが高いと考えました。


 マースエンジニアリングは、自ら生み出した技術を様々な業界、領域に展開していく「市場開拓型企業」です。

 1974年の創業当時は、受託開発型の電機・電子機器メーカーでした。
 その後、様々な業界や領域に自社技術を携えて挑戦し続け、現在はパチンコ業界における周辺機器開発メーカーとして活躍しています。


 マースエンジニアリングは、非接触型ICカードやICタグを使った無線通信による識別技術などの最先端の認証技術を、他社に先駆けてアミューズメント業界へ導入し、パチンコ周辺機器を中心としたシステム機器を主力製品としています。つまり内需型の企業です。

 景品管理システム、プリペイドカードシステム、ホールコンピュータ、補給システムなど、パチンコ業界においては業界標準となる、画期的で独創的な製品を数多く生み出して、業界をリードしています。


 マースエンジニアリングのPOSシステムやRFID技術は、パチンコ業界でトップクラスのシェアを誇っています。しかしそのポジションに甘んずることなく、培ってきた技術力をグループ会社を介して、パチンコ業界以外の領域にも展開して成長を続けている企業です。

 一例をあげれば流通業界、医療業界などでRFID技術を活用した顧客・販売・物流の管理システムや、健康診断の結果をICカードに集約させるための認証システムなどを提案し、導入事例を積み上げています。

 マースエンジニアリングで特に注目を集めるのは、遊技台ごとに出玉計数機を設置し、ICカードでその管理を行う「パーソナルPCシステム」です。
 通路を占拠する玉箱の役目をICカードが担うことで、スペースやコストも大幅に縮小しました。


 主力製品についてもう少し説明すると、パーソナルPCシステムは遊技台ごとに設置した計数機が玉を数えることで、パチンコホール内から玉箱の積み上げを無くすことを可能にしました。

 さらに、遊技者が獲得した出玉はICカード一枚に集約することが出来ます。この様な特徴から、ホール経営の面では省スペースやホールスタッフの人件費の削減に繋がるため、経営の効率化になり、プレースタイルは今までにないスマートなイメージのホールとして好評を得ています。

http://www.mars-eng.co.jp/products/msd.html

 売上・利益を確保していくため、顧客の各ホールでも対策を練っています。
 その中でも経費削減は優先課題です。特に機械台の購入には多額のコストがかかり、無駄や失敗を可能な限り減らすための取り組みや、それに必要となるデータ分析は重要となります。

 マースエンジニアリングの提供するマース戦略データ「MSD」は、全国の店舗から台データおよび客層データをセンターへ収集し、営業指針の立案に役立つデータを提供するサービスです。

 従来のサービスにはない「客層データ」には、会員データ以外に一般(非会員)データがあり、これまでにはなかった視点からデータ分析が可能になります。

 またマースエンジニアリングは、自ら生み出し育ててきた技術をベースに、パチンコホールを支える様々なシステム機器を開発してきました。その技術と経験をもとに事業の多角化を進め、RFID事業、そしてホテル事業へと事業領域を広げ着実に利益を上げている企業です。

 創業以来積み上げてきた技術力と、M&Aを通じて獲得した新しい技術力を基盤に、市場の拡大を目指しています。グループのシナジーを利用し、セキュリティ事業やX線検査事業を深化させています。


マースエンジニアリングの成長の歴史
http://www.mars-eng.co.jp/whats_mars/mars_history.html

マースエンジニアリングの沿革
http://www.mars-eng.co.jp/company/history.html

 自社株買い以外にも、本日の研究銘柄としてマースエンジニアリングを選んだ理由があります。いつものように最初にその理由を説明します。


1.マースエンジニアリングは、低PERかつ低PBRで自己資本比率が高い、投資指標から考えて割安な企業であること。

 マースエンジニアリングは、2月1日に2016年3月期第3四半期の決算短信を発表しました。

 第3四半期の一株利益の実績は142.76円です。

 なお、第3四半期時点のマースエンジニアリングの2016年3月期通期の一株利益予想は243.58円です。

 100万株の自社株買いを実施するので、最終的には一株利益の数字は増加することが期待できます。

 マースエンジニアリングの2月19日時点の終値は1949円です。
 2015年12月31日時点の一株純資産は2839.79円です。

 PERは8.0倍。PBRは0.53倍です。
 自己資本比率は83.4%です。


2.配当利回りが3.07%と高いこと。

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