見出し画像

石川臨太郎の「生涯パートナー銘柄の研究」萩原電気(7467) 2016/09/06

※企業情報や数字等は当時のものです。またリンク先の変更によりリンク切れの場合があります。あらかじめご了承の上お読みください。

□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
=================================
---------------------------2016/09/06-
        石川臨太郎の「生涯パートナー銘柄の研究」
---------------------------------
=================================

 億の近道の大人気執筆者、石川臨太郎が皆様へお贈りするメールマガジンの第397回目です。週に1回(火曜日)配信いたします。
 なお、この有料メルマガの売り上げの一部は、億の近道の発行運営に活用されます。
 どうぞよろしくお願い申し上げます。

□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

            ◆Contents◆

  ◇銘柄研究 萩原電気(7467)
  ◇コラム どうせ投資するならば、財務面・販売先で信頼できる企業

□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□


◇銘柄研究 萩原電気(7467)

 本日は、1948年(昭和23年)創業の、メーカーと商社の機能を併せ持つ総合エレクトロニクス企業である、萩原電気を研究銘柄として取り上げます。

 本日の研究銘柄に萩原電気を選んだ一番の理由は、9月に米国の利上げが行われる可能性がでてきたことから、業績が良いのに株価が下落して、リバウンドできなかった自動車関連銘柄の株価が、少しずつ浮上し始めていること。

 しかし、米国の利上げが本当に実施されるのかは分からないことと、利上げが行われても米国株が下げたら、また日本株もトバッチリで下げさせられる可能性があること。だから一時的に下げても、業績が良い上に、売上高のうちデンソーとトヨタ自動車の2社への売上が総売り上げの64%を超えていることで、事業的に不安のないこと。この理由で萩原電気を研究銘柄に選ぶことにしました。

 萩原電気はデンソーおよびトヨタ自動車の2社だけで売上高のうち約64%を占めるとともに、その他の販売先もトヨタ系の部品メーカーなど自動車関係・工作機械関係のメーカー企業が多いです。

 業績も、デンソーやトヨタ自動車の売上が伸びるとともに、売上も利益も伸ばしており、配当も業績に連動して増やしてきました。
 しかし株価だけはPER10倍以下で、株価が企業価値の増加に追い付かない割安株の一社です。特に2016年になってから円高が進んだことで、萩原電気の割安さは、ますます高まってきています。しかし8月末からは風向きが変わってきました。

 萩原電気の株価も8月末から少しずつリバウンドを始めました。

 萩原電気の株価のチャートです。
http://www.nikkei.com/markets/company/chart/?type=3month&scode=7467&ba=1&n_cid=DSMMAA13

 萩原電気は、1948年に無線機の製造・修理を手がけるメーカーとして創業し、その後、NEC製半導体製品の販売店として、今日の事業の基盤を築きます。

 現在の萩原電気は、電子部品やシステム機器の提案・販売を行う「技術商社」、そして産業用コンピュータの設計・開発を行う「研究開発型メーカー」二つの顔を持っています。

 そして、「デバイス事業」「ソリューション事業」「開発生産事業」の3事業を展開しています。

 デバイス事業部門とソリューション事業部門が、ユーザーの製品開発・生産現場を中心に多種多様な課題を解決し、必要なデバイスやシステムが既存品になければ開発生産部門が新たにつくり出す――というように、3部門の連携により取引先の要望に多面的に応えることで、信頼を得て業績を伸ばしています。これが萩原電気の大きな特長です。

 また、自社製品であるFAコンピュータや、計測制御機器を自社工場で使用し、性能も使い勝手も本当に良いものだけを取引先に勧めることは、メーカー機能を持つ萩原電気の強みです。

 ユーザーの製品企画・設計段階から参画できる、確かな技術提案力を持つ商社として、また、自動車電装に求められる品質やジャストインタイム納入などのビジネススタイルを熟知した企業として、自動車業界を中心とするユーザーから高い評価を得て業績を伸ばしています。

 萩原電気は、創業以来3つの分野(デバイス事業、ソリューション事業、開発生産事業)を事業領域として成長してきました。

 21世紀に入り、エレクトロニクスはIT(情報技術)やネットワーク技術(通信技術)の飛躍的な向上による新たなコミュニケーション、情報の交換共有の実現を可能にし、生産・物流・交通・医療・教育など様々な分野において大きな進化、発展が始まっています。

 また、自動車・住宅産業においてもエレクトロニクスがトリガーとなり、新たな領域への拡がりに大きな期待が寄せられています。

 萩原電気は3つの事業の持つ技術・情報・経験の融合から生まれる総合力を最大限に発揮し、ユーザーの多種多様なニーズに応えることができるトータルソリューション企業として、成長を続けています。

 直接消費者の目につく事は少ないですが、様々な場面で「快適な社会」をサポートしています。

 例えば、現在の自動車の主役、ハイブリッド車では、その複雑な機能を制御するマイコンの設計・開発を行っています。また、オフィスや工場に向けて、産業用コンピュータやITシステムの設計・開発・運用サポートを行っています。
 身近な所では、ATM、自動改札などの社会インフラでも萩原電気の開発した産業用コンピュータが使われています。取引先を技術・提案力でサポートし、その結果作り出された製品で、世の中をもっと便利に快適にすることが、萩原電気の事業価値を高めています。

 まず、本日の研究銘柄として萩原電気を選んだ理由をより具体的に説明します。

1.萩原電気は、低PERかつ低PBRで配当利回りが高い企業であること。

2017年3月期の一株利益予想は224.98円です。

2017年3月期の配当予想は1株70円です。

2016年3月末の一株純資産は2928.30円です。

9月2日の終値1913円で計算したPERは8.5倍。
PBRは0.66倍。
配当利回りは3.66%です。

2.萩原電気の主要販売先であるデンソー、トヨタ自動車など、自動車関連メーカーの世界展開の動きは継続しており、自動車部品メーカーの設備投資も増えているので、萩原電気の業績は、今後も伸びることが期待できること。

ここから先は

24,158字

¥ 290

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?