【経済】長いものには巻かれろ!ドルぺッグ制ってなに?
これまで生きてきてずっとドルベックかと勘違いしてました。
おまえ・・・ドルベックの皮を被ったドルペッグだったのか。紛らわしい奴め。
そんなわけで今回はドルペッグ制について自己流にまとめたことを書きます。
ドルペッグ制とは、「自国の為替レートを米ドルの為替レートと連動されること」です。多くの国では変動為替制を取っていますが、香港ドルやサウジアラビア、UAEなどの中東の産油国はドルペッグ制を取っています。
ペッグ=Pegは釘で留めることを意味します。つまり、米ドルを留め杭として自国通貨の為替を大きく変動しないように抑えているのです。
発展途上国では政局や経済の不安定さから自国通貨の信用が低いです。また、お金が自国に少ないため発展するためには海外からの投資を呼び込む必要があります。
そのためにドルペッグ制を採用すると、「我々の国の通貨は大きくブレない(リスクが低い)ので安心して投資してね」というメッセージになります。
当然、もともと信用の低い通貨は金利が高いので、投資する側からすると魅力的。問題のリスクをドルペッグ制で補ってくれるのであれば、投資しちゃおっかなと思ってもらえるわけです。
ここまで見ると旨味しかないようですが、デメリットも当然あります。世の中にフリーランチはないのです笑
デメリットは「米国の金融政策の意向に合わせないといけない」ことです。
自国の望む金融政策を取りづらい点がデメリットであり、多くの国がドルペッグをやめて変動為替制に変更してきました。(日本は終戦後長らく1ドル=360円の固定相場制でした)
米国への影響度が高いといえば、アジア通貨危機が挙げられます。
1985年のプラザ合意で米国はドル安を希望したので、各国は仕方なく米ドルを売りました。するとドルは安くなるので、米国はドル安で輸出好調。一方、日本は円高に苦しみ、輸出企業はコスト削減のためにアジアへ工場を建てに出ていきました。そうするとアジア各国では現地の雇用が生まれ、経済発展します。このときはドル安なのでアジア各国も通貨安による輸出好調で春を謳歌していました。
しかし、春は終わり冬の時代がやってきます。
引き金を引いたのは、米国が強いドルを提唱しドル高を希望したのです。すると、ドルペッグ制を導入している国も連動して通貨高になり、輸出は伸び悩みます。すると経済成長が弱まり、投資家からの人気も下がり、売られるようになります。売られると通貨は安くなり、どんどんどんどん売られる。値下がりを見た人がさらに売って下落は止まりませんでした。この結果、アジア危機を迎えることとなりました。
まとめると、
長いものには巻かれろ!政策であるドルペッグ制はメリットもあるけど、柔軟性がないというデメリットがある。G-0時代を迎え、不確定な現代ではリスクの大きい手法なのかもしれません。
以上。おーしまい。
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