ネットニュースの非難コメントに心を痛める

「車道を歩く非常識な高齢者」という見出しのネットニュースを目にした。

この見出しだけを見ると、迷惑な行動をとる高齢者の姿を想像する人が多いのではないだろうか。私も、横断歩道のない場所を横断する高齢者のことかと思った。そこで、映像を確認してみると、煽ったような記事見出しとは違う印象を自分は受けた。

映像に映っていたのは、道路を横断しているのではなく、車と同じ進行方向に歩いている高齢者。しかも車道の端ではなく、２車線道路のど真ん中。車を運転していてその場に遭遇すると、たしかに衝撃的で驚いてしまう。

あくまでも自分の憶測ではあるが、この高齢者は非常識な行動をしている「迷惑な人」ではなくて、「認知機能の低下があるんじゃないか」と思った。

ネットニュースのコメント欄には、「なぜ歩道を歩けないのか」「迷惑」といった、高齢者を非難するようなコメントが多く目立った。なぜこのような行動をしているのかという理解を示す意見があまり無いことに胸が痛くなった。

さらにモヤモヤとしたことが、記事を掲載したメディアの姿勢。
この記事では、撮影者のコメントがそのまま載せられているだけで、メディア側の意見などがまったく無かった。「危険な行為」を報道するだけでなく、その出来事の背景などについて触れるのが重要なのではないか。それを怠るのは、メディアとしてどうなんだろうと感じた。