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実践、情報デトックス

日々どれだけ毒に侵されているんだろう?
そう考えさせられるほどデトックス(解毒)という単語を耳にしますよね。

本来は心身に作用する中毒治療の意味で使われていた単語も、今ではもっとライトな扱いをされています。
一昔前は半身浴がもてはやされ、水素水や酵素みたいな健康補助食品界隈は熱い視線が注がれています。
やはり体調管理の重要性をしっかり認識しているようですね。
最近だとサウナや筋トレがブームですかね?
ちなみにもやしは両方とも実践中です。

1:加速度的に増す情報

さて、今回はそんなデトックスの中でも情報デトックスについてお話したいと思います。
たった百年前までは口コミや新聞程度しか情報に触れる機会はありませんでした。
それが今ではネットにさえ端末が繋がれば、どれだけでも情報を引き出せます。

このたった百年ほどで……いいえ、五十年前にはテレビやラジオ。
三十年前はパソコンが現れ、直近の十年で考えてもスマホが幅を利かせています。
このようにたった一世代を待つことなく、情報量は圧倒的かつ爆発的にアクセスしやすくなってしまいました。
当然、この情報量に対して人体は何ら変わっておらず、ついていけている人はほとんどいません。

実際に高齢者が情報を得るのはテレビが主です。
四十代くらいまでだとパソコン・スマホで、二十代以下だとスマホ・タブレットが主流でしょう。
それぞれ自分が生まれた時に広がっていた端末を使い続けている印象でしょうか。
まぁ、スマホは通信に加えてあらゆるメディアを内包しているデバイスなので別枠になっちゃいますけどね。
といったように、特に気にせずに生きていても、得られる情報量は加速度的に膨大になっています。

2:人の身の限界

けれど陸上の大会やオリンピックの記録が毎回塗り替えられないように、人体の限界は既に頭打ちしています。
パソコンのように容量や処理速度が簡単に上がると考えているは非常に危険なのです。
だというのに環境的に情報量は増える一方……これでどんな弊害出てくると思いますか?
最も簡単な症状は『思考停止に陥る』ことです。

たとえば起きている間は蛇口(環境)から水(情報)が出ていて、バスタブ(自分)が受けて溜まった水を常に濾過(判断)して汲み上げています。
日中は水がバスタブに供給され、排水の形でアウトプットや忘却が行われるイメージですね。
そして睡眠と共に蛇口が閉まることで、バスタブに残っていた水もゆっくりと処理され、きれいさっぱり空っぽになります。
翌日、目が覚めると同時に蛇口が開き――とサイクルが繰り返えされています。
ちなみにバスタブからの汲み上げは、人によって量に差があり、しかも増減させられる特徴があります。
極力排水能力(アウトプット)が高い人物になりたいものですね。

さて、ここで問題です。
日中開いている蛇口の口径が、日に日に大きく、しかも数が増えていった場合はどうなるでしょう?
答えは簡単、何処かのタイミングで排水量を上回るばかりか、行動しなくてはいけない日中にバスタブから水が溢れます。
これは押し出されているだけで、自分で排水(アウトプット)していません。
つまりは判断を経ずに反射的な言動を行うため、矛盾していても気付かず、そればかりか正当化すら始めます。
これがもやしの言う『思考停止』の状態です。

また、日中にバスタブ一杯になったことで、寝ている間にすべて排水できなくなります。
寝起きが一番頭がすっきりしているはずなのに、重かったり朝一から憂鬱だったりしますよね。
これがその現象にあたります。

さらに悪化すると蛇口(情報源)の選別も疎かになり、排水管や下水管が混じり込んでも気付きません。
つまり刺激的な汚水(デマ・フェイクニュース)がバスタブに混じり込み、汲み上げる管が詰まりを起こしはじめます。
これが一層の排水(アウトプット)を阻んで停滞を助長し、汚水が急激にバスタブ内の環境(自身の判断・価値基準)を悪化させていきます。
イメージ的には水が濁り、藻が付いたり腐食したり、底には汚泥が溜まって悪臭を放ってる、みたいな感じでしょうか?

この状態は、日々を穏やかに過ごしているはずなのに、『何だかよくわからない焦燥を感じる』のが当てはまります。
『自分は何かにならなくては』『こんなことをしていていいのか』なんてね。
他者を羨んだり、嫉妬したり、憎んだり、逆に自分を卑下したり、とにかく何かやろうと焦ったりする状況です。
誰が見ても危険な兆候ですよね。

こうして汚染は最終段階に入ります。
劣悪なバスタブ内の水が濾過(判断)されずに汚水となってあふれ出ます。
水質(情報)汚染によって汲み上げ管は故障し、より純度を増した汚水を吐き出し毒へと変貌させます。
つまりは周囲にまで汚染をまき散らす迷惑な人が出来上がります。

ここまでいくと手の施しようがなく、もはや洗脳を受けたような状態です。
外部からの情報の真否を判断する能力はありません。
そもそも判断基準自体が狂っているので、情報の真否さえ関係ありません。
自身に心地の良いことしか受け入れませんからね。

そして最大の問題が、人に感染するんですよね。

ほら、『蛇口(情報源)の選別ができなくなる』って話をしましたよね。
あそこにこの汚染された人からの水(情報)も含まれるわけです。
拡大していくってやばいですよねぇ……。
しかもこうした人はある意味無敵で、事実を無視して『強い主張』を行えます。
これが判断に迷っている人にぶっ刺さり、信者を増やしていくのです。
自己表現の塊であるインフルエンサーって、かなり際どいところに位置しているわけですね。


――というのは、あくまでフィクションですからね。
もやしの妄言を盲信しないんでくださいよ?


ともあれ、これらは全部が大げさな話ではないというのも事実です。
たとえば陰謀論なんかはまさにこうした綺麗な水(正しい情報)に汚水(デマ)が混じった刺激的な排水(アウトプット)ですよね。
ある程度の事実を含めているから否定しづらく、だからと別にその情報を知ることで得るものはありません。
ただ不快感を持つか、世界の裏側を知っている気になるかのどちらかでしょう。
どちらにしてもあまりいいことにはならなそうですよね。


さて、少しばかり長くなりすぎました。
まさか問題提起でこんなにも文字数を使うとは……。

次回は解決編。

実践、情報デトックス2

やることは簡単ですので、是非ともお付き合いください。


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