カスタマーサクセスにおけるRenewal業務とは

こんにちは、freeeカスタマーサクセスで契約更新(Renewal)を担当しているokkun_32です。
先日から始まったfreee Success Advent Calendar 2021の第三日目を担当します。
なかなかイメージしづらいSaasの契約更新業務について、二年間の僅かな経験を元に仕事の全体像、並びにRenewalという業務の持つ可能性について少しだけお話できればと思います。
お時間ある方はサクッとお付き合いください。

カスタマーサクセスにおけるRenewal業務(契約更新)とは

超ざっくりですが、現代のサブスクリプションビジネスにおいては、各社個別の様々な事情はあれども
「単価×顧客数(契約数)×契約期間」
が基本の構成要素となってなり、これらをいかにして伸ばすかがSaas企業の至上命題になります。
特にSaasで特徴的なのは「契約期間」の概念で、買い切り型のビジネスモデルと異なり「使い続けてもらえばもらうほど、自社収益が上がり続ける」という特性がありますが、当然ながら使い続けてもらうためには魅力的な製品のリリース、顧客体験の向上、そして何よりもスムーズな契約更新が欠かせません。

カスタマーサクセス並びにSaasにおけるRenewalは、このスムーズな契約更新が第一に求められます。契約状況の確認、顧客とのコミュニケーション、契約の締結、これらのオペレーションを最小限の工数でいかにスムーズに、かつ高い水準の顧客体験を伴いながら実行できるかが肝要です。
また営業、導入コンサルタントによる支援があり、そして一番最後に顧客と接するのがRenewalとなります。会社に良い印象を持ってもらえるかどうかはRenewalにかかっているわけです。
後述しますが、契約期間の最後に顧客と必然性を持って接する特性を活かし、アップセルやクロスセル、活用支援など顧客の価値を最大化出来るような企画を考えることもRenewalの仕事です。

スムーズかつ良い顧客体験を伴って契約更新を行い、自社製品を末永く愛用してもらえるようあらゆる手を考える。
これがカスタマーサクセスにおけるRenewalの仕事です。


Renewal業務特有の特徴・やりがい


最初にRenewalに取り掛かる前は「オペレーションを突き詰めるだけでは?」と舐めてかかっていたのですが、やっていく中で固有の大変さがあることがわかってきました。
この大変さにはいろいろな理由があるのですが、一番は「一連のバリューチェーンにおける最終工程」であることが要因です。
カスタマーサクセスそのものがマーケ・営業の後の最終工程にあたりますが、その中でも一番最後がRenewalとなります。
サブスクリプションビジネスあるあるな「新プランへの改定」や、「契約規約の変更」などもRenewalの対応領域となり、これらを既存契約で存在する全ての顧客へ他部署と連携しつつ展開していく必要があります。
成長企業であれば既存顧客は増え続ける一方であるため、常に上記のような全社的な対応をしつつオペレーションも回し続ける、パワフルな戦いが求められるわけです。

一方でやりがいですが、これは上記の大変さがそのままやりがいになるかと思います。
つまり、バリューチェーンの最後の領域を担うからこそ経営へのインパクトが大きい業務や施策に大きくコミットメントが出来る、ということです。
特にプラン改定に伴うアップセルや、より魅力的なプランの再提案などは、前述の通りサブスクリプションビジネスにおいて重要な「単価×顧客数(契約数)×契約期間」を底上げすることも可能であり、ひいては顧客への本質的な価値提供に繋がります。
高速でオペレーションは効率化と高品質化を進めつつ、既存契約ユーザーへの大規模なアプローチ設計も出来る、実は地味に見えて意外にスリリングで面白い領域なのです。

Renewalの持つ可能性

Renewal領域が持つ可能性は実は目に見えている以上に大きいのですが、まだ黎明期でもあるためか詳細を記した情報や資料などは現時点ではあまり数が多くないというのが実情です。
そういう意味では深海に眠る宝箱(?)のようなものかもしれませんが、思いつく限りでも下記のような施策がRenewalで実行できるかと思います。

■アップセル/クロスセルによる顧客単価の向上
→既存顧客へのより魅力的なプラン・製品の提案

■活用支援によるLT(契約期間)の伸長
→必然的に顧客とのコミュニケーション機会を得られるアドバンテージを活かした利用・活用支援

■更新業務の自動化による顧客体験の向上
→プロダクト画面の改修等によるスムーズでストレスのない契約更新

■プロダクト改善のフィードバック
→顧客とのコミュニケーション機会を活かしたFB収集等

あくまで上記は代表的なものの一例に過ぎませんが、このようなRenewalとは単にオペレーションを回すだけではなく、顧客と契約期間の最後に接するRenewalだからこそ、ユーザーに対して様々なアプローチ設計が出来るというわけです。


最後に

カスタマーサクセス、並びにSaasにおけるRenewalという仕事がどんなものかをお伝えしたく少しざっくりした内容になってしまいましたが、少しでもイメージが伝わっていれば幸いです。
やればやるほどに他にも沢山やれることはあるんじゃないかと考えることが出来るスルメのような領域です。
今後もこの「SaasにおけるRenewalとは何か」を突き詰めて考え、いずれは自分の中に落とし込んだ上で体系的な形に出来れば…というのが小さな野望です。
その際はまた同じ形かはわかりませんが、何かしら共有が出来れば嬉しいなと思っていますので、その際は是非よろしくお願いいたします。
ここまでお読みいただき、誠にありがとうございました!

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