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誘惑★オフィスLOVER2 登場人物
相沢美月(デフォルト名):オズマジック(Oz Magic)のCMプランナー。地味だからという理由で担当していたプロジェクトから降ろされてしまい・・・?
山縣翔:オズマジック(Oz Magic)の新社長。美月を担当から降ろしたというが・・・?
上条健一郎:美月の上司。美月が担当から降ろされた時、懸命に庇った。部下たちから信頼され、頼られている。
夏目晴人:美月の先輩。普段はひょうひょうとしてい
*試し読み:誘惑★オフィスLOVER2―プロローグ01―
「これが、私・・・?」
鏡に映るのは、魔法にかかったシンデレラ。
「そう、12時をすぎても解けない魔法だ」
「・・・お前は自分の魅力を知らな過ぎる」
「俺の女に、なってみないか?」
***
広告代理店で、2年目のCMプランナーとして働く主人公・相沢美月。
ある日、地味だという理由でCM担当をおろされてしまい!?
見返してやろうと最高に美しく装い、社内パーティーに参加することに。
*試し読み:誘惑★オフィスLOVER2―プロローグ02―
* * *
相沢美月「相沢、美月です」
横澤部長は、もう一度、今度は値踏みをするように、無遠慮な視線を私に注ぐ。
居心地の悪さから、隣の四宮さんに視線をそらすと・・・なぜか『ごめん』と、私に向かって小さく口を動かした。
相沢美月(どういうこと・・・?)
横澤「相沢くんには残念だが、今日限りで、輝雪堂のCMから外れてもらうことになった」
相沢美月「・・・え?」
上条健一郎「待ってくださ
*試し読み:誘惑★オフィスLOVER2―プロローグ03―
夏目さんと一緒に制作部を出て、私はエレベーターの到着を待っていた。
相沢美月「ごめんなさい」
夏目晴人「『どうして私が、田部ちゃんの仕事の穴埋めをしなくちゃいけないんですか!?』」
相沢美月「えっ?」
夏目晴人「くらいの文句は、許してやる」
相沢美月「・・・ふふ! 言いません、そんなこと。デスクで手持ち無沙汰になるより、百倍マシです」
夏目晴人「とりあえずの応援、てことだから。今後のこ
*試し読み:誘惑★オフィスLOVER2―プロローグ04―
* * *
夏目晴人「ははは・・・! あー、苦しい」
相沢美月「もう、いつまで笑うつもりですか?」
カーテンの向こうにいる夏目さんに、抗議をする。
キッズモデルのひとりから、水鉄砲の攻撃を受けた私は、着ていたブラウスが濡れてしまい、試着室に避難していた。
用意してもらった水色のストライプのワンピースは・・・なんだか少し、くすぐったい。
夏目晴人「でも助かったよ。あそこで、お前が怒鳴った
*試し読み:誘惑★オフィスLOVER2―プロローグ05―
* * *
──その夜。
キッズモデルの撮影は無事に終了して、別案件の打ち合わせがあるという夏目さんと別れた私はOz Magicに戻ろうと最寄りの駅まで歩いていた。
いつもは感じない足元の涼しさに、違和感を覚える。
相沢美月「なんだか、着慣れない・・・オシャレに興味がない訳じゃ、ないんだけどね」
いつからか、それほど必要性を感じなくなっていたのは確か。学生時代のバイトも、女手一つで育てて
*試し読み:誘惑★オフィスLOVER2―プロローグ06―
* * *
今日は低く見積もっても、最低最悪な運勢。
身も心も疲れ切った状態で、ひとり暮らしの部屋に帰る度胸はなくて、私の足は意識をする前から実家に向かっていた。
相沢美月「ただいま・・・」
鍵を開けて玄関に入ると、廊下の先に明かりが見える。なんだかものすごくホッとして、思わず顔がほころぶ。
リビングのドアを開けると、ソファに座って携帯を操作していた妹の陽向が、顔を上げて目を大きくする。
*試し読み:誘惑★オフィスLOVER2―プロローグ07―
相沢美月「陽向にもアドバイスもらったのに、ごめんね?」
陽向「・・・嘘つき」
絞り出すような声は、微かに震えていて、のぞき込むと、陽向の大きな目に雫が溢れていた。
陽向「やっぱり、なんかあったじゃん」
相沢美月「・・・バレてた?」
陽向「妹の観察眼、見くびらないでくれる? お姉ちゃんが平日に泊まりに来るのは、必ず嫌なことがあった時って、決まってるし。それに、特に何もなかったら『ない』って
*試し読み:誘惑★オフィスLOVER2―プロローグ08―
* * *
──そして、3日後。
新社長就任のパーティを控えているとあって、いつもはまだ慌ただしい17時過ぎのフロアが、閑散としていた。
私は、夏目さんにお願いされていた仕事をこなして、クライアントにメールを送って、深呼吸をして伸びをする。
相沢美月(陽向の計画に乗ったはいいけど・・・私が着飾ったところで、復讐になるのかな?)
???「美月ちゃーん」
やわらかな声に顔を上げると、自然と
*試し読み:誘惑★オフィスLOVER2―プロローグ09―
* * *
約束の時間より少し前に到着した私を、頼れる助っ人は、既に待ち構えていてくれて、駅の改札を抜けて元気な声に駆け寄って行く。
佐伯和佳子「美月~、こっちこっち!」
相沢美月「和佳ちゃん! 突然無理なお願いしちゃって、ごめんね」
佐伯和佳子「なーに言ってんの! ひなちゃんから電話もらった時、本当に嬉しかったんだから、美月は顔だってスタイルだって元々いいんだから。もうずっと、うずうずし
*試し読み:誘惑★オフィスLOVER2―プロローグ10―
* * *
和佳ちゃんと北澤さんがピックアップしてくれたドレスを順番に試着することになったのだけど・・・。
鏡の前には、ドレスアップしているものの伏し目がちで所在なく立っている、私の姿が。
相沢美月「せっかく用意してくれたのに、ごめん。やっぱり、慣れないことするものじゃないね」
佐伯和佳子「そんなこと・・・」
北澤臣「自分には似合うはずない」
相沢美月「えっ?」
北澤臣「そう思ってい
*試し読み:誘惑★オフィスLOVER2―プロローグ11―
* * *
相沢美月「・・・ここだ」
ホテルの宴会場の前で、深呼吸。
ブルーのワンピースドレスの胸元には、シルバーに光る小さなハートのネックレスが、キラリ。邪魔にならない光沢のクラッチバッグは、アクセントに。
仕上げに、ガラスの靴・・・ではないけれど、眩い白のヒールが私を支えてくれる。
髪とメイクも和佳ちゃんにしてもらって万全、のはずだけど。
(なんだか、見られてる気がする・・・)
*試し読み:誘惑★オフィスLOVER2―プロローグ12―
* * *
相沢美月「わからない、ものかな?」
高級ホテルのお化粧室は、清潔な上に広々としていた。
微かに絞られた照明の下に浮かぶのは、ひとりの女性。
普段は絶対に着ないようなワンピースに身を包んで、学生の頃に試して以来、滅多にしなかったコンタクトをつけて、いつもは仕事の邪魔にならないようにと、一本に結んでいる髪も今日は顔の周りに、やわらかなウェーブをつけて下ろされている。
大きな鏡の下
*試し読み:誘惑★オフィスLOVER2―プロローグ13―
* * *
相沢美月「もう一杯、同じものをくださいっ!」
バーテン「かしこまりました」
『すぐに戻ります』
その言葉とはウラハラに、私は最上階のバーで、気づけばグラスを何杯も空にして、フワフワになっていた。
居酒屋で飲むカクテルとは格段に違うおいしさに、酔いはすぐに身体を包み込んで、押し込めていた本心がこぼれる。
相沢美月「だいたい、会ったこともない人に地味なんて言われたくありません・