支援事例「利益率低く経営悪化続く」
令和 2 年 6 月 14 日(日)沖縄タイムス 経済面掲載
家族一致で改善策協議
◆ 企業名 非公表
◆ 業 種 飲食店
◆ 所在地 沖縄県内
◆ 資本金 個人事業
◆ 創 業 非公表
◆ 従業員 非公表
【相談】
売り上げは何とか確保できているが利益率が低く、経営が悪化している。要因は家賃負担が大きいことだと考えている。2019年1月に借り入れた資金も残りわずか。このままでは資金ショートする恐れがある。家賃交渉に同席してもらえないか。
【回答】
相談者は、2代続くレストランとテークアウト専門の2店舗を経営している。いずれも地域に愛される店で、両親が始めた事業を兄弟で承継して経営している。
相談では売り上げや店舗数、店舗粗利、借り入れ状況など基本的な情報から聞き取りを始めた。両店舗の売り上げは悪くないが、9カ月ほど前に金融機関から調達した運転資金を切り崩しながらしのいでいることが分かった。
経営が厳しい要因は「家賃が高いことが一因」との説明があり、家主との家賃交渉への同席を求められた。よろず支援拠点としては公平な立場でしか動けないことを説明し、同席できないことを伝えた。その上で、折衝方法などをアドバス。1店舗閉鎖など抜本的な改革も必要である事を伝え、家族で協議して頂くように依頼した。
しかし1カ月後、経営悪化が止まらないというので店を訪ねて話を聞くことになった。経営状況について家族の共通認識がなければ事態が改善されないとの考えたからだ。このままでは経営者、家族の生活がどうなるのかを他社の事例を交えて具体的に説明した。
相談を重ねるうちに、改善策が見えてきた。具体的には店舗粗利を数字で明確にし、これをベースにした①滞納家賃交渉②レストラン閉鎖の是非についての家族会議③銀行との交渉―の3つに取り掛かる事となった。
まず家族会議でレストラン閉鎖の結論が出た。先代の両親から「閉鎖もやむなし」との意向を確認できた。それを踏まえて滞納家賃交渉に入った。交渉先との関係がこじれていた事から、弁護士を通した交渉に切り替えた。弁護士には資金繰りに考慮した分納を軸に交渉してもらった。
訪問相談から半年後の現在、レストランは閉鎖し、テークアウトの店は継続契約できた。滞納家賃の分納も合意でき、順調に返済している。新型コロナウイルスの影響もあるが、地元客に支えられ、資金繰りは順調に回復している。家族経営の底力、地域密着型経営の強さを感じた。
(県よろず支援拠点コーディネーター・赤嶺輝昌)
詳しくはコチラ >> https://yorozu.ti-da.net/e11580606.html
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