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ドキュメンタリーの音編集

自分はドキュメンタリー作品が大好きです。
このジャンルは音の編集が相当大事で、時間軸の嘘は極力避けたいと考えてます。

撮影時に狙って撮れる事も少ないし、
演技はないので、再撮影はありえません。撮影も録音も一発勝負です。

なので、録音出来たセリフの裏に、別の音が被っていたり
撮影現場で音楽が鳴ってしまっていたりと、音の編集は大変になります。

今取り掛かっている作品は、映像編集でかなり細かく編集してくれて
その仕上げを行う程度でしたが
音の繋ぎ目のショックを和らげるとかは、こちらが本業になりますので編集し直したりします。

今作で勉強になったのは、この作品は
「視聴者が殆どイヤホンで聞いている」との事。
この確認方法は、細かいノイズが凄く気になるんですよね。

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今作はノイズの聞き取り安いヘッドホンも使いました。

このイヤホンやヘッドホン、スピーカーで聞くより
「音の大小の差を感じやすい」ので、より細かい編集が必要になる上に
BGMバランスがスピーカーで聞くのとは変わります。

通常BGMは、ダッキングと言って、セリフが入る手前で音量を下げます。
これは、その動きが横から見た🦆の形ににている事から、この名前になってます。
このダッキングを行う事により、主線が音楽から、セリフに変わり、また音楽へ戻る訳です。

日本国内作品の多くは、このダッキングをあまり行いません
これ、日本人の特徴と捉えているのですが
大きな変化を嫌う特徴があるのだと思います。

自分は海外作品を多く見て聴いて育っているので
このダッキングが派手ですが、それでも海外と仕事すると
「足りない、仕事してない」と言われる事が偶にあります。

で、このダッキングですが
イヤホンで聞くと凄く派手に音楽が動いているように聞こえるのです。
セリフが入る寸前と書きましたが、実際には音楽のタイミングに合わせて
音量を下げていきます。
これは感覚の問題なので、人によって変わるものと考えてます。

さらにこのダッキング、CMのエンジニアは殆ど行いません。
音楽は小さく、ナレーションが大きい方が
今のテレビ(ラウドネス納品)では大きくOAされるからです。

ここら辺の事は、以前の記事をご覧ください。↓

上記の理由から、CMプロダクションで育った監督とかは
音楽の音量が変わると、驚く方も居ます。
「音楽の音量が上がったり下がったりするのは、なんでですか?」
と質問された事もありました。

これ、上映や納品がフィルムなうえ、スピーカーが高音質では無かった時代に主旋律の入れ替えをしないと聞こえなくなるからが理由と考えてます。

今はスピーカーが高音質なのであまり必要なくなった技なのかもしれません。

これからは、必要なのか、またどの程度必要かを確認して作業をしたいと思います。



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