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店長三浦と家族の話

こんにちは、「はじまりのトマトソース」です。今回のnoteのテーマは『家族』。トマト事業に一直線の店長三浦が、家族とどんなふうに接してきたのか、店長三浦と妻の真由美、二人で振り返ります。

毎日言い争い。でも続いた20年の夫婦経営

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――オホーツク食堂『たまごのじかん』を夫婦二人で経営されていますが、仲良く続けてこられた秘訣はありますか?

三浦 「仲良く……いや、夫婦経営は血で血を洗う戦いだから。毎日が言い争い!」

真由美 「本当にそう。日常会話はほぼ仕事の話です。この人ね、仕事について自分の意見を言いたいだけ言って『どっか行っていいよ』なんて言い出すんですよ(笑)。」

三浦 「それは俺なりの優しさなんだけどな。仕事の話ばっかり聞きたくないだろうから、外でも行って気分転換してくれば?って……。」

――いい関係ですね(笑)。お互い遠慮なく言い合える関係性を築くきっかけはありましたか?

真由美 「うーん……それこそ、言いづらいことも全部言ったから、壁を乗り越えられたのかもしれません。」

三浦 「経営を始めた頃、俺が強権を振るってたんだけどね。それについて正直な意見を言われたのがきっかけだったかな。」

真由美 「当時はとてつもなくストレスを抱えていました。言い返したって全然意見を聞いてくれないし……『このヤロー』って。その気持ちを正直に伝えました。あなたのこと、すごく憎んでるよって。」

三浦 「ワインボトルを叩き割って刺してやりたいって言われたことあったもんね。いや、俺だってさ、そのくらいストレスをかけてることぐらい、わかってたのさ。でも悠長なことを言っている場合じゃなかった。とにかく経営のことで必死だったからさ……。」

――そんな修羅場を乗り越えられた理由は?

三浦 「子どもがいたことが大きいね。」

真由美 「仕事の話だと意見が割れてばかりですが、子育てに対する意識は一緒でした。」

三浦 「なんだかんだ言って、本格的にトマトソース事業のために動き出したのは2014年のこと。三人の子どものうち一番下が高校を卒業して、子育てが終わってからなんだ。」

子育ては実験、飽きるまでやり尽くせ

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――そういえば三浦さんは、『子育ては最高のエンタメだ』って以前におっしゃってましたね。

三浦 「育てる面白さはビジネスも子育ても一緒だからね。子育ては実験と検証の繰り返し。こう言ったらどんな反応が返ってくるだろう、どうすればより良くなるだろうって。」

真由美 「子育てに関しては、私のやり方に口出しされたことがほとんどないんです。だから夫婦一緒に子育てを楽しめたし、私は私なりにできることをやり尽くせました。」

三浦 「お互いそうだと思う。だから、今は全然子どもに興味ないのさ(笑)。」

――えっ。そんな大切に育ててたのに、興味なくなっちゃう……?

三浦 「だって、もう自立したから。親としては育て終えたでしょ?ビジネスもそうなんだけれど、ある程度育ったら手放したくなるんだよね。」

真由美 「私も。大人になった息子や娘たちに、自分からは連絡を取りませんね。向こうから連絡が来ることはありますけど。

正直、孫にもそこまでは興味がないんです。私が心から愛して育てたのは、自分が産んだ三人の息子や娘たちだけ。孫は、次に親になる彼ら自身が愛する子どもだから、そこまで私たちが過剰に愛する対象でもないかなって。

突き放すわけじゃないですよ、相談されたら乗ります。でも、必要以上には近づかない。

――親離れ・子離れの理想的な形のように感じます。

三浦 「子離れできない親は、時代の流れや経済的な事情で満足な子育てができなかったんじゃないかなぁ。だから、時間やお金に余裕ができた老後に、できなかったことをやろうとする。成人した子どもや孫をかわいがることでさ。後悔の念もあるんだと思う。

そうならないためには、子育てをとにかくやりきる。自分ができることを、自立するまでに全部やることが大事。やり切れたから、今はトマトソースのことに身も心も集中できているのさ。」

高校時代の友人みたいに最期の日まで

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――「はじまりのトマトソース」プロジェクトが動き出して、二人の関係性は変わりましたか?

真由美 「最近は、『もう俺から卒業していいよ』って言われます。彼は私のこと満足するまで育て上げたから、卒業していいんですって。」

三浦 「だって、夫婦生活30年、経営パートナーになってから20年だよ。もう、体感的には50年間一緒にいるみたいな気分なんだもん。親とだってこんな長くいないよ、他人同士がなんでこんなに長くいるんだよ……(笑)。」

――感覚としては夫婦というより、仲間みたいな……?

三浦 「高校時代の友人みたいな関係性でいたいってのはよく話してます。例えばお互いが死んだときに『ああ、あいつ死んじゃったのか~……いいやつだったね』って言えるような感じがいい。

正直、あんまりにも近しすぎて、死なんて想像できないのさ。看取られるのも、看取るのも、悲しむのも、悲しまれるのも嫌だなあって。」

真由美 「お互い、依存しない。そう決めてるのは、死ぬときに悲しまないためかも。私たち、最近よく『離婚しても別にいいかもね?』って話もします。でも、離婚しない。別にどっちでもいいって思える関係性が一番いいですね。」

――ありがとうございました。“体感的には50年”の月日を共に過ごしてきた二人の言葉に、私も自分の未来を重ねながら家族について考えられました。

編集後記

三浦さんご夫妻に『家族』について話を聞きたいと思ったのは、最初のnoteを書いたときです。

ビジネスがやりたくて脱サラしたこと、店舗を構えながらオンラインでトマトソースを売り始めたこと。大胆な決断をする三浦さんの話を聞けば聞くほど、そばにいる家族の存在が気になりました。

そして、奥様であり経営パートナーである真由美さんの声を届けるnoteが生まれました。三浦さんと真由美さんの関係性、好きだな。お二人の話をそれぞれ聞いて、改めて感じたことです。

今回、三浦さんご夫妻は、ほんとうに友だちのように笑い合って、ハードな苦労話も冗談として話してくれました。ビジネスパートナー、夫婦という肩書にとらわれない、もっと深いものを感じさせてくれる姿。かっこよくもあるし、あたたかくもあると思いました。

そんな二人が届ける「はじまりのトマトソース」に携われることを改めてうれしく思い、これからもこのnoteから届けていきたいと感じています。

最後に、数ヵ月の時を経て対面取材が実現したことに感謝します。私と同じく北見に足を運び、オホーツク食堂『たまごのじかん』でひとときを過ごす方が増えることを願います。

―INFORMATION-
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取材・文 宿木雪樹
デジタルマーケティングプロデュース ふぉろかる合同会社

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