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歯医者さんで歯ブラシ指導受けたことあります?

皆様、こんにちは
群馬県太田市の医療法人大川歯科医院 大川孝平です。

今回は、歯医者さんでよくお話を聞いたことがあると思います。
「歯ブラシ指導」についてお話しします。

[目次]

  • 歯ブラシ指導とは?

  • どうして必要なのか?

  • プロから見た歯磨きのやり方

  • 何回聞いてもできないよ!って方へ

  • 歯磨きしなくても虫歯にならないの!?


歯ブラシ指導とは?

歯ブラシ指導とは、
文字通り日常の歯ブラシがしっかりできているかを確認し、
足りない所は歯科衛生士さんによる説明が入ります。

  1. お口の中を確認

  2. プラーク(歯垢)のみ色がつく液で染め出す

  3. いつものハミガキをやってもらいます

  4. 色が残っている所を中心に、歯ブラシの当て方を一緒に確認します

  5. 次回に来院時に1〜4の繰り返し

この様に、正しい歯磨きの方法を歯科衛生士さんと一緒にトレーニングするという昔からある大事なお話です。

どうして必要なのか?

この歯ブラシ指導は、我々の業界では「 T B I 」と言います。

Tooth Brushing Instructionの略です。
これ、一体どうして必要なんでしょうか?

それは、虫歯や歯周病にならないためでしょうよ

はい、そのとおりです。
病気を予防するために必要なんです。

私たち歯科医療スタッフは、残念ながら1日、1週間、1ヶ月の間、患者様のライフスタイルに介入して歯磨き監視することは不可能です。(もちろん、される側も絶対イヤでしょう)

ですから、私達が確認できない時間は患者様に頑張ってもらうしかないのです。
予防には、セルフケアがとても重要なんですね。

そうは言っても
毎回毎回同じ歯ブラシの話を聞かされて、もうヤダ
20分以上歯磨きしてくださいって言われても、ムリ

そう思う患者様も少なくないと思います。

私達が伝える力をもっと向上させることができれば、
興味を持って聞いて頂けると信じて精進します。

プロから見た歯磨きのやり方

細かい話をすると、キリがないので要点をまとめます。

  • 歯ブラシは、力いっぱいやっても傷つくだけです。

例えば、手を洗う時に皆さんどうしてます?
「たわし的な物」で強めに擦りますか?
(オペに入る前の術者は、このくらいやります)

普通は、ハンドソープで表面を軽く擦るくらいです。
トイレや炊事のたびに「たわし的な物」でゴシゴシやってたらきっと3日しないうちに手が傷だらけになりますよね。

じゃあ、どうやるの?

お答えします、心配になるくらいソフトタッチです。
これ、ちゃんと汚れ落ちてるんかな?くらいで丁度良いです。

手のひらに歯ブラシを当てて、ソワソワ揺らしてみてください。くすぐったいなくらいのパワーを使うのが宜しいですね。

そうする事で、無駄に歯の表面や歯茎を傷つけずに済みます。

  • 歯ブラシのみだと、いつか細菌達に負けます。

お口の中の病気(虫歯や歯周病など)は、ほぼほぼ細菌による感染が原因です。

私たち人間は生きている中で、様々なウイルスや細菌に晒されています。その都度、自身の免疫システムによって守られています。

時に、免疫システムを突破してくるウイルスや細菌がいて感染が起こります。

最初の免疫を突破された(負けた)→発症する
内部の強力な免疫でも歯が立たない(負けた)→重症化

これは、自身の免疫の強弱も関係してますが大きな感染の要因は細菌やウイルスの種類とそのボリュームです。

簡単に申し上げますと、歯ブラシのみで細菌達に挑むのはちょっと無理があります。(無理ゲー)

なぜなら、歯ブラシだけでプラークを落とせる割合は40%程度です。
我々プロでも歯ブラシだけで綺麗にするのは非常に難しいです・・・

可能であれば、清掃補助用具であるデンタルフロスや歯間ブラシ、舌ブラシや口腔粘膜用スポンジなどを併用することを強くお勧めします。

何回聞いてもできないよ!って方へ

歯ブラシ指導のお話を通院のたびにされるけど、できてなくて・・・
何度も言われるから、歯医者に行きたくなくなる・・・
長い時間、歯ブラシすると気持ち悪くなってできない・・・
忙しくて、せいぜい2〜3分程度で歯ブラシ終わりにしちゃう・・・

こんな悩みをお持ちの方、少なくないと思います。
解決策としてあくまで、私の個人的な見解をお話します。

私:「歯ブラシしなくて良いですよ」
患者様:「えっ!?」

はい、歯ブラシやめてもらって良いですか?
その代わり、デンタルフロスをやってください。

もう長く自己流で歯ブラシをされてる方は、そう簡単に日々のルーティンを変えることはできません。最初は、歯ブラシ指導を受けた通りにやろうと頑張りますがなかなか続かないのが実情です。
それを改善するために歯ブラシ指導を何度もされ、それ自体がストレスになってしまうこともあると思います。

ですから、まずはリスクの高い場所から優先的にお掃除することをお勧めしています。

リスクの高い場所は、歯と歯の間です。
そこを効率的にお掃除できる道具がデンタルフロスです。

一度でいいので、全ての歯をフロスでお掃除してみてください。
結構時間かかります。汚れているところはヌルヌルしてますので、
キュッキュッするまでやってください。

もちろん、歯ブラシを永続的にやらなくていいという事ではありません。
余裕があれば、歯ブラシも同じ時間やってみてください。
まずはリスクの高い歯と歯の間からお掃除しましょうということです。

それが習慣になれば、必ず歯ブラシも長い時間お掃除できるようになるでしょう。

歯磨きしなくても虫歯にならないの!?

結論から申し上げますと、「虫歯になりません。」
もっと正確に表現するならば、

「虫歯にならない人のお口の中には、虫歯の原因菌が非常に少ないから。」

虫歯も歯周病も全て細菌感染が原因です。
つまり、それらの原因菌が非常に多いために感染しやすくなっている状態です。

菌が非常に多くなっている背景には、増殖しやすい環境があります。

現在の私たちの生活環境は、容易にかつ日常的に精製された糖製品(甘い食べ物や飲み物、白米、パン、麺類)を摂取しやすい状態です。

普通に生活していても、過剰摂取してしまう世の中なんですね。
糖質を取りすぎると太ることは、みなさんご存知だと思いますが虫歯や歯周病のリスクまで高めてしまうことにぜひ気付いてください。

それでは、また

噛める喜び、創ります。
医療法人 大川歯科医院
理事長 大川孝平

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