クリスマスに咲く花をきみへ
花屋で働く彼からその花をもらったのは一週間前。
それを花というのかさえも私は知らなかった。
リューカデンドロン。
その花を覚えるまで、何回スマホのメモを確認しただろう。
茶色くて、硬い鱗に包まれた蕾を渡されて、心ときめく乙女はいるのだろうか。彼が花屋だと知らなければ、私もなぜこの花を、いや植物を選んだのか疑問に思い、若干の嫌悪感さえ抱いていたかもしれない。
「毎日水換えしてやって、茎も少し切ってあげて。きっと良いことあるからさ」
そう言われながら一本だけそのリューカデ