マガジンのカバー画像

読み切り小説の棚

12
読み切りの小説をまとめます。その時思ったこと、感じたこと、思いつき、色々なテーマから書いていきます。
運営しているクリエイター

記事一覧

【小説】 続・次の春もあなたとともに

 この物語は、「次の春もあなたとともに」のつづきです。 「ごめんね。お母さん」  そう言…

24

【小説】雨色の香りを君に届けて

 「すごい雨だね」  暗い窓に映る自分を見ながら画面の向こう側へと話しかけた。ガラスに当…

33

【小説】大嫌いで大好きな花

 「わたしはいつまで経っても開かない蕾なんだよ」  どこかでそう思っていたのかもしれない…

18

【小説】テレワークに恋して

 在宅勤務サイコウ!!テレワーク最高ー!  政府の緊急事態宣言により、在宅勤務を言い渡さ…

14

【小説】二枚のマスクとおじいちゃん

 「あれは、ワシが三十二の頃じゃ」  二〇八〇年四月。空中ビル群とエアタクシー、配送用の…

18

【小説】次の春もあなたとともに

 「ごめんね、すーちゃん」  幼い頃、お母さんにそう言われたことだけは覚えている。その後…

143

クリスマスに咲く花をきみへ

花屋で働く彼からその花をもらったのは一週間前。 それを花というのかさえも私は知らなかった。 リューカデンドロン。 その花を覚えるまで、何回スマホのメモを確認しただろう。 茶色くて、硬い鱗に包まれた蕾を渡されて、心ときめく乙女はいるのだろうか。彼が花屋だと知らなければ、私もなぜこの花を、いや植物を選んだのか疑問に思い、若干の嫌悪感さえ抱いていたかもしれない。 「毎日水換えしてやって、茎も少し切ってあげて。きっと良いことあるからさ」 そう言われながら一本だけそのリューカデ

サマーガール

夏が。おわった。 飯塚みさきは、畳の上で大の字になり天井を見つめている。 電灯のスイ…

15

お初天神裏参道・ウラサンのために書いた小説<3>

この度、お初天神裏参道、ウラサンのパンフレット内に小説を掲載させていただくことになりまし…

5

お初天神裏参道・ウラサンのために書いた小説<2>

この度、お初天神裏参道、ウラサンのパンフレット内に小説を掲載させていただくことになりまし…

2

お初天神裏参道・ウラサンのために書いた小説<1>

この度、お初天神裏参道、ウラサンのパンフレット内に小説を掲載させていただくことになりまし…

4

今夜、キミと、“裏”のセカイへ

身体の火照りを冷ますように、冬の気配が服の隙間から時折忍び込んでくる。 ポケットの中から…

9