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【コマースチャンネル】プレミアムトレカCtoC/決済×銀行仮想通貨PF/次世代不動産賃貸PF/語学個人指導マケプレ/アパレル仕入れPF

先週のEC/OMO/マケプレ領域の注目資金調達ニュースをお届けします(日本でも投資したいなぁと思う企業をpickしてます。関連領域で起業している方、準備中の方ぜひ、ご連絡ください) 

①プレミアムトレカのCtoC取引所「Alt

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設立年:2020/米国
調達額/Val:$31M/不明
シリーズ:シリーズA
投資家: First Round Capital、Seven Seven Six、SV Angelほか
事業概要:
 スポーツカードの売買取引所を運営してます。昨今流行りのオルタナティブ投資としてのスポーツカード投資の取引所です。$50~$100k+の価格帯のカードが取引されており、全て本物であることが第三者(PSA or BGS)の鑑定で保証されています。取引手数料が売主からの1.5%のみとかなり安価なのが特徴です(ebayやオークションハウスでは12.5-25%の料率)。また、カードの保管サービスを実施しており、保管資産額の0.4%/年の料金で利用可能です。倉庫に預けることで写真撮影から画像のアップロードまでAlt側で対応します。基本的には倉庫に保管した状態で売買取引がされ所有権が移動していくようですが、手元に実物のカードが欲しい場合は別途、送料を支払うことで取り出しが可能です。また、ポートフォリオ機能も提供しております。”Alt Vvalue"という独自の価値算定アルゴリズムを提供しており売買判断を手助けする相場観をユーザーに提供しています。これまで数カ月間に渡りベータ版で1000人のユーザーに利用されてきましたが、今後は資金調達を機にさらなる拡張、カテゴリの拡大に取り組んでいくようです。
一言コメント:
  2週連続コレクターズアイテムCtoCがランクイン。手数料自体は安くし、”保管料”でマネタイズしているのが面白いです。カードはサイズが小さいので保管原価は安そうです。また、”Alt Value”という参照価格を提示することで、2次流通を活性化する機能があるのも妙ですね。上記2つの施策のように2次流通を生み出すことがアルタナティブ投資系商材では重要と言えそうです。NFT含め投資領域としても注目です。
英語記事:
https://techcrunch.com/2021/03/11/sports-trading-card-platform-alt-launches-with-31-million-in-funding-and-plenty-of-market-hype/

②決済、銀行機能を持つ仮想通貨PF「eco

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設立年:2018/米国
調達額/Val:$26M/不明
シリーズ:シリーズA
投資家: a16z crypto,Founders Fund, Coinbase Ventures
事業概要:
 決済、預金などの機能を併せ持つ仮想通貨プラットフォームを提供しています。決済という観点ではEcoを通じた決済により、アマゾン・uber等で取引すると最大5%のキャッシュバックを得ることができます。また、貯金という観点ではEcoプラットフォームにお金を預けることで、利回りのような形で資産が増えていく機能を構築してます。なぜ、これがビジネス上可能なのかというと、既存の金融企業、ECマケプレ企業等の中抜きを実現しているためです。既存のシステムにおいて小売店はVISAのような決済業者に売上の3%程度、ECモールや広告に10%以上支払っています。また、既存の銀行は預金の運用(貸付等)で預金残高の3%程度収益がある一方でユーザー還元としての金利は0.1%とかだったりします。Ecoは、これらの既存システムを除外し、自社として決済・銀行機能を提供するポジションをとることで、ユーザー還元の高さを実現してます。従業員は一部Ecoポイントで給与が支払わると行った取組もされているようで面白いですね。
 一言コメント:
  決済、銀行、送金、資産運用等をワンストップで実現する次世代的経済圏を目指しておりとても面白いです。特に既存システム(VISAや銀行、ECモール)の粗利を中抜きし、それをユーザー還元している点は、ユーザーメリットが大きくすケースしそうでワクワクします。日本だとPayPayが同様の世界観を目指しているかもしれないです。 
日本語記事:
https://jp.techcrunch.com/2021/03/07/2021-03-05-eco-raises-26m-in-a16z-led-round-to-scale-its-digital-cryptocurrency-platform/

③家主、借り手、家周りの職人をマッチングするPF「belong

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設立年:2018/米国
調達額/Val:$40M/不明
シリーズ:シリーズB
投資家: a16z、Battery Ventures、GGV Capital
事業概要:
 不動産賃貸領域で3者間のマーケットプレイスを運営しています。3者とは、①家主、②借りる人、③お家周りの職人です。①家主に対しては、テクノロジーを活用した不動産管理、長く住んでくれるいい借り主の発掘、運用作業の巻き取り(借り主のバックグラウンドチェック、家賃回収etc)、そして、$1Mまでの損害補助等を提供してます。②借り主に対しては、30日間のお試し期間付き物件の紹介から、引越し業者の紹介等サポートします。③お家周りの職人に対しては、課題を抱えた家主や借り主の顧客紹介をしてます。①家主のターゲットとしては家をとても大切にしている人であり、②借り主のターゲットも長く大切にすみ続けたい人とのことです。現在40%の新規家主は口コミで集まっており順調に伸びているようです。ちなみに起業家はa16zのEIRs出身とのこと。belongはクレイグリストのアンバンドルサービスの位置付けです。不動産領域において、短期滞在はairbnb、売買はzillow、opendoorが現れている中で、まだ未開拓である賃貸領域においてのプレイヤーであり、成長が期待されています。
 一言コメント:
  ヤフオク/メルカリ、youtube等の総合プラットフォームのアンバンドリングサービスは日本でも注目領域です。アンバンドリングする際は、belongのように、特化するからこそ実現できる付加価値をプロダクトに落とし込むのが重要と言えそうです。不動産領域にように一見サービスが出尽くしたように感じる領域でもまだまだチャンスがありそうです。 
英語記事:
https://a16z.com/2021/03/09/investing-in-belong/

④アパレル領域のBtoBマケプレ「NuORDER

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設立年:2011/米国
調達額/Val:$45M/不明
シリーズ:シリーズD
投資家: Brighton Park Capital、Imaginary Ventures
事業概要:
 アパレル等のブランドと小売店を繋ぐBtoBプラットフォームを運営しています。バーチャルショールーミング技術(360度画像、動画埋め込みetc)仕入れ管理ツールなどを提供することで、グローバル仕入れ市場のDXに取り組んでいます。またブランド毎にファッションショーイベントも開催されているなど、仕入れに紐づくオフラインの取組が全てデジタル化されています。同プラットフォームは3000以上のブランド、50万以上の小売が利用しており、$38Bのトランザクション実績があるそうです。中でもSaks Fifth Avenue, Nordstrom など大手小売が、全てのBtoB取引をNuORDER上で実施しているとのことで、システムとしての入り込みが凄いですね。また、直近”NuORDER Payments"をリリースしBtoB取引においてもクレカ決済を可能にするなど、仕入れマッチングのみならず、決済領域のインフラも強化しております。マネタイズはサブスク型(無料プラン有り)
一言コメント:
  BtoBのプラットフォームは返品無料で急成長しているfaireの事例も含め日本でも注目領域です。コロナ禍でリアルの展示会・ファッションショーが難しくなっている中でのオンライン最適化仕入れは今後のスタンダードになりそうです。同分野はビジネスモデルとして、取扱高の手数料型モデルと、月額課金モデルに分けられますが、普段の仕入れから利用してもらうツールになるには月額課金モデルをうまく導入できると良さそうです。
英語記事:
https://www.pymnts.com/news/b2b-payments/2021/nuorder-raises-45-million-toward-b2b-ecommerce/

⑤言語学習の個人指導マケプレ「Preply

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設立年:2012/ウクライナ
調達額/Val:$35M/不明
シリーズ:シリーズB
投資家: Owl Ventures、Full in Partnersほか
事業概要:
 語学学習のための個別指導マーケットプレイスを運営してます。1年前の予約実績200万件が今では1000万件超になるなど急成長中で、講師陣も1万人から190カ国4万人に拡大したそう。価格帯は$15~$25/時間程度。語学学習は競合も多い領域ですが、CEO曰く「生徒と個人指導教師を結びつけるAIアルゴリズムによって差別化ができた」とのことです。生徒側は講師ごとに、何ヶ国語話せるか、レビュー、動画自己紹介、アクティブ生徒数、価格、予約表、バックグラウンド等が閲覧できます。講師側も、Preplyを利用することで集客からレッスン配信ツール、決済まで提供されますし、講師向けのトレーニング動画も閲覧可能で、スムーズにビジネスを開始することができます。マネタイズは講師側から講師料の18~33%を貰うモデルで、レッスンを開催するほど手数料率が下がる仕組みが導入されてます。現在では法人顧客の開拓も強化しており今後は法人セグメントも成長の柱になると考えているようです。
一言コメント:
 サービスEC領域のPFは、SNSの発達、コロナ禍の影響もあり注目されています。いわゆるクリエイターエコノミー文脈です。個人が簡単にビジネスを開始できるサービスはPareonを始めとして注目されており、国内においても、Patreonのようにツールとしてクリエイター支援に特化するプレイヤー、Preplyのように集客もセットでPF化するプレイヤーが登場しており期待大の領域です。
日本語記事:
https://jp.techcrunch.com/2021/03/10/2021-03-09-preply-raises-a-35-million-series-b-as-demand-for-language-learning-grows/

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