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【コマースチャンネル】EC/OMO/マケプレ領域 ~vol2,2/28週~

先週のEC/OMO/マケプレ領域の注目資金調達ニュースをお届けします(日本でも投資したいなぁと思う企業をpickしてます。関連領域で起業している方、準備中の方ぜひ、ご連絡ください

①コレクターズアイテムのライブコマースCtoC「whatnot

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設立年:2019/米国
調達額/Val:$20M/不明
シリーズ:シリーズA
投資家: Andreessen Horowitz、YC、Steve Aoki他
事業概要:
 ポケモンカード・おもちゃ等のライブコマースマケプレを展開してます。元々はフィギュアからスタートしポケモンカードに参入後急成長したとのこと。インスタライブで先行して立ち上がったライブコマース市場を、ECに最適化するUX提供でプロダクト化したのがwhatnotの初期仮説。通常のCtoC売買も可能ですが、チームとしてはライブコマースに全集中モード。購入者は事務局による真贋判定があるので安心してプレミア商品を購入できます。マネタイズは売り主から(手数料率8.5%+決済手数料率3%+$2.5配送毎)を貰う形。調達した資金はカテゴリー拡大に投下する予定。
一言コメント:
 私自身、モノカブ社を担当しておりますが、日本でもコレクターズアイテムのCtoCはまさに大注目領域です。whatnotに関しては特にライブコマース推しになっておりますが、商品がライブでbidされ価格がつり上がっていく様子とかはコンテンツ性もありとても面白く、相性が良いと感じました。ポケモンカードユーチューバーも出てきている米国では自然な流れかもですね。
日本語リンク:
https://jp.techcrunch.com/2021/03/06/2021-03-04-whatnot-raises-20m-for-its-live-streaming-platform-built-for-selling-pokemon-cards-and-other-collectibles/

②10分でお届けするダークストア型グローサーリーEC「Flink

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設立年:2020/ドイツ
調達額/Val:$52M
シリーズ:シード
投資家:Target Globa.,Cherry Ventures 他
事業概要:
 倉庫・配送員を内製化するなどバーティカルを突き詰めたいわゆる"ダークストア型"のグローサリーECを提供しており、なんと注文から10分で届くそう。”instant shopping"とも称される即配の秘訣は、ロジスティクスをすべて内製化し徹底的に効率化することであり、既存の小売店に対する参入障壁になります。起業家はシリアルアントレプレナー集団だそうで今回の調達はリリースからたった6週間とのことです。現在はドイツに10拠点あり、今後はフランス・オランダに拡大予定。EUにはGorillasCarjooDijaweezyzapp等の即配系のグローサリーが急拡大しており戦国時代のようです。
一言コメント:
 海外だと、①ダークストア型②お買い物代行型、③大型センター配送、④既存小売の配送サービス、⑤産直系といった分類がありそうです。日本においても多様な切り口で各社参入しており、どの切り口がfitするか注目ですね。昨今ギグワーカーのエコノミーが発達しているので②、④も発展余地がありそうですし、10分配送といった、コンビニを超える利便性を追求する①も期待してます。
英語リンク:
https://techcrunch.com/2021/03/02/flink/

③アマゾン出店者向け商品リサーチツール「Jungle Scout

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設立年:2015/米国
調達額/Val:$110M/不明
シリーズ:PE
投資家:Summit Partners
事業概要:
 アマゾン出店者向けに、商品リサーチツール・データ分析・広告最適化ツール・在庫管理等多種多様な支援プロダクトを提供してます。50万+の事業者が利用し、10億商品をモニターしており、年間$80BにあたるGMVを支えている規模感。今回の資金調達でアマゾン上の広告運用最適化ツール「Downstream」を買収し、出店者支援を加速していく模様。両社とも元アマゾン出身起業家。。一番人気は月$49のプラン。現在はウォルマートのマケプレにも対応しており、今後はグーグルやフェイスブックへの対応を強化することも視野にいれています。昨今大流行のアマゾンブランドをM&Aして成長している Thrasio, SellerX, Branded, Heyday, Heroes, Perch, Berlin Brands Groupといった企業とは別のアプローチでアマゾンの急拡大の恩恵を受ける切り口と言えそうです。
一言コメント:
 アマゾンの成長・SMBブランドの出店数の急増するなかで、①M&Aによるブランド数拡大モデル、②多数の事業者の支援モデル、といった2つのビジネスも急成長しています。日本においては①、②のいずれのモデルを実施するにしてもアマゾンのみならず、楽天・ヤフーへの対応が求められそうですね。EC市場はマクロで拡大し続けるので、新しいビジネスモデルがこれからも登場し続けそうですね。
英語リンク:
https://techcrunch.com/2021/03/04/jungle-scout-raises-110m-acquires-downstream-impact-to-help-3rd-parties-sell-on-marketplaces-like-amazon/

④SMSマーケティング支援SaaS「Postscript

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設立年:2018/米国
調達額/Val:$35M/不明
シリーズ:シリーズA
投資家:Greylock、YC
事業概要:
 Shopifyストア向けにSMS(ショートメール)マーケティング支援プロダクトを提供してます。具体的には、「コンテンツのリッチ化」「テキストマーケの自動化」、「ターゲティングキャンペーンの作成・自動化」、「チャット機能」、「詳細なデータ分析」等が可能となります。今後は、「サブスク管理」、「SMSからのレビュー投稿」等の機能を強化していくそうです。19年12月にクライアント数が530だったのが、現在は3,500クライアントまで急成長しています。マネタイズは配信数に応じた従量課金で、1通、1セント程度の金額だそうです。
一言コメント:
 日本においても、SMSのチャネルは昔からあまり変化ない印象で、チャンスが眠っている気がします。日本だとLINEアカウントとかが昨今の1to1マーケトレンドですかね。ただ昨今は、電話番号認証が増えていることもあるのでSMSチャネルをUpdateする企業の登場に期待です。
日本語リンク:
https://jp.techcrunch.com/2021/03/04/2021-03-03-postscript-raises-35m-to-give-shopify-stores-sms-superpowers/

⑤ライブの配信プラットフォーム「Maestro

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設立年:2015/米国
調達額/Val:$15M/不明
シリーズ:シリーズB
投資家:NetEase、Sony Music Entertaiment、Twitch創業者、他
事業概要:
 配信者とファンのコミュニケーションをリッチ化する配信プラットフォームを提供してます。Katy Perry、Billy Eilish、the Golden State Warriorsなども利用しているサービスです。元々ゲームコミュニティ向けにリリースされたサービスでしたがコロナを契機に著名アーティストに利用され盛り上がりを見せています。業種としてはアーティストの他にEC、教育、カンファレンス等幅広いプロダクト展開です。機能として会員機能、コミュニティマネジメント機能、チケッティング、EC、顧客分析、コミュニケーション等、様々な事が可能なようです。今後は3rdPartyの開発者がMaestro上でアプリ開発を可能とすることによりshopifyのようなエコシステム構築を目指すそうです。ライブコマースに特化した企業としては「NTWRK」、「mikmak」などが有り、中国のみならず米国でもライブコマースは注目されだしてます
一言コメント:
 ライブコマース市場の企業を大きく2種類に分けると、前述したwhatnotのようにtoCに直接ライブコマースを提供するタイプと、Maestroのように、配信機能をクリエイター・事業社に提供するtoBタイプがあるかと思います。日本においてはどういった切り口でライブコマースが立ち上がるのか楽しみですね。
英語リンク:
https://www.musicbusinessworldwide.com/netease-and-sony-music-join-15m-investment-round-in-live-streaming-platform-maestro/
 

その他先週の注目こまちゃんheadline

・後払い決済「Klarna」が$1B調達し企業価値$31Bに(日本語)
https://forbesjapan.com/articles/detail/40074
・買い物代行サービスのInstacartが283億円を調達、評価額は5カ月で2倍以上の4兆円超に(日本語)
https://jp.techcrunch.com/2021/03/03/2021-03-02-instacart-raises-265m-at-a-39b-valuation
・チェコの食品EC「Rohlik」が$230M調達(英語)
https://techcrunch.com/2021/03/02/czech-on-demand-grocery-delivery-startup-rohlik-bags-230m-to-expand-across-europe
・最安値保証のチャットコマース「Snapcommerce」が$85M調達(英語)
https://news.crunchbase.com/news/snapcommerce-bags-85m-growth-round-for-commerce-messaging-platform
・速達ロジスティクスをEC事業者に提供する「Deliverr」が$170M調達(英語)
https://techcrunch.com/2021/03/03/deliverr-scores-170m-to-bring-fast-delivery-to-every-e-commerce-vendor
・ラグジュアリーファッションの2次流通「Vestiaire Collective」が$216M調達しユニコーンに。(英語)
https://techcrunch.com/2021/03/02/vestiaire-collective-raises-216-million-for-its-second-hand-fashion-platform

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