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【コマースチャンネル】NFTトレカ/Amazon買収リテイルDX/オンデマンド倉庫兼SCM一括管理/データフィード一括管理SaaS/買い物代行

先週のEC/OMO/マケプレ領域の注目資金調達ニュースをお届けします(日本でも投資したいなぁと思う企業をpickしてます。関連領域で起業している方/準備中の方ぜひご連絡ください!!)

①クラウドPOS&ミニアプリ出店SaaS「Perpule

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設立年:2016年/インド
調達額:Amazonが買収(16億円)
シリーズ:M&A Exit
投資家:Amazon
事業概要:
 オフライン店舗のDX支援プロダクトを提供してます。具体的には、クラウドPOS、無人チェックアウトシステム、EC構築システム、paytm等のミニアプリ構築システム等の、店舗のDX、EC進出の際に必要となる一連のプロダクト郡を提供しています。オンオフ横断で顧客データを分析することも可能でOMO時代をDXエネイブラーのポジションとなってます。顧客には、スタバ、OYO、KFCなど大手も存在しているようで2020年からは東南アジアにも事業拡大しています。Amazonの巨大成長市場への注力がわかる買収ですね。ちょうど先週、Googleがインドの類似会社DotPeに$27.5M出資するなど、インドの小売のデジタル化の覇権争いは今後も要注目です。
一言コメント:
 日本においても、独立店舗のEC進出、OMOが急速に進んでいます。インドの場合はリープフロッグ的に一気にデジタル化できそうで背景は違いますが、日本でも間違いなくオンオフ横断で一括でデジタル化できるようなサービスは今後より求められてくる気がします!Z venture capitalの注力領域でもあります
日本語記事:
https://jp.techcrunch.com/2021/03/31/2021-03-30-amazon-acquires-indian-retail-startup-perpule/

②商品データフィード一括管理SaaS「Productsup

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設立年:2014年/ドイツ
調達額:$20M
シリーズ:-
投資家:Nordwind Capital
事業概要:
 マルチチャネルでの商品データフィード一括管理SaaSを提供してます。具体的には、Productsup上で商品コンテンツ(商品名、画像、価格etc)を編集すると2000を超えるチャネル(Google、Amazon、Facebook、Walmart ほか多数)に最適なフォーマットに瞬時に変換されます。これにより、EC企業は商品の市場投入機関の短縮、データのサイロ化解消が可能となります。顧客はIKEA、Farfetchを含む500にも及ぶそうです。
一言コメント:
 ヘットレスコマースの文脈とも共通ですが、現在は顧客タッチポイントの多様化がどんどん進んでいます。その中で、データフィードの一括管理のニーズはますます増していくと思います。日本でもLINEやpaypayなど国内特有のタッチポイントがあるので国内プレイヤーでもこういった切り口は誕生するかもしれません。
英語記事:
https://tech.eu/brief/berlin-based-e-commerce-data-integrator-productsup-raises-20-million/

③NFTトレカゲーム「DapperLabs

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設立年:2018年/米国
調達額:$305M/$2.6B
シリーズ:
投資家:Cootue、a16zほか
事業概要:
 NBAのNFTトレカゲーム「NBA TOP SHOT」/クリプトキティなどを提供しています。平たく言うと”NBAハイライトシーンのデジタルコンテンツ”のCtoC取引所のようなものです。なんとレブロンジェームズのダンクシュートのアニメーションは$500M以上の売上を記録しているとのことで垂直での立ち上がりが凄まじいです。今回のラウンドにはマイケル・ジョーダン等の有名スポーツ選手・セレブも参加しているとのこと。当社はFlowという独自のブロックチェーンを提供しており、これをもとにワーナーやUFC等企業を始めとした何千ものサードパーティーの開発者が独自のNFT製品を開発しているとのことです。
一言コメント:
 NFT is now!ここ数週間NFTに関するニュースが活発ですね。NFTが市場として成立するには、投機目的の需要ではなくNBA Top Shotのように実需(この場合はファン)があるということ重要そうですね。2次流通が生まれることで取扱高はミルフィーユ的に積み上がっていくので恐るべきポテンシャルです。日本ではゲーム課金やオタク文化が強く相性が良さそうで今後の立ち上がりが楽しみな領域です。
日本語記事:
https://jp.techcrunch.com/2021/04/01/2021-03-30-nba-top-shot-maker-dapper-labs-is-now-worth-2-6-billion-thanks-to-half-of-hollywood-the-nba-and-michael-jordan/

④地元スーパー買い物代行「Everli

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設立年:2014年/イタリア
調達額:$100M
シリーズ:シリーズC
投資家:Verlinvestほか
事業概要:
 スーパーマーケットのモール、買い物代行サービスを提供してます。ギグ・エコノミースタイルのパーソナルショッパーが店舗に出向き、ピッキングした後、即日配達するサービスです。米国のインスタカートモデルですね。マネタイズは、店舗からの広告・手数料、ユーザーからの配達依頼料金の請求となっております。既に、70都市で30万商品以上を提供しているようです。またカルフール等との連携をしており、売上は143億円(YOY4倍)に達しているようです。昨今欧州ではダークストア型でのグローサリー進出が増えていますが、ダークストア型は自社倉庫拠点から数キロしかカバレッジできないのに対して、買い物代行型はスーパーと連携することでエリア拡大が容易でありカバレッジを広げられると考えているそうです。なお、今週もダークストア型「Zapp」が調達しています。
一言コメント:
 食品EC領域は今週も複数調達ニュースがでており非常に盛り上がっていますね。①買い物代行型②ダークストア型③センター倉庫型④産直型⑤ネットスーパー型等多様な切口それぞれで強み・弱みがありそうですね。日本での各企業の取り組みが期待されます。
日本語記事:
https://jp.techcrunch.com/2021/03/31/2021-03-29-everli/

⑤オンデマンド倉庫&SCM一括管理SaaS「STORD

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設立年:2015年/米国
調達額:$65M
シリーズ:シリーズC
投資家:Bond,Salesforce Ventures, Founders Fundほか
事業概要:
 メーカーに、倉庫・運び手をネットワーク化し提供、また、SCMを統合管理できるSaaSを提供しています。新興D2C含めどんなブランドでもアマゾンのような物流システムを構築できることを目指しています。そのために、自らが全国500+の倉庫、30+のフルフィルセンター、20k+の配送会社をネットワーク化し、彼らにSTORD開発のSaaSを導入させることで、垂直統合でのデータ一括管理を可能にしています。また、ブランド側からすると全国にあるネットワークが利用可能なので迅速にロジのキャパを拡張することが可能となります。既に全米の99%のエリアは2日以内での配送が可能というカバレッジのようです。起業家は当時学生起業とのことでも注目されています。類似企業でオンデマンドフルフィルメントセンターを提供する、FLEXEFlowspaceも年末から調達しており注目されている領域です。
一言コメント:
 AWS、GCPのようにオンデマンドで使える倉庫サービスは日本でも注目領域ですね。オンデマンドの価値だけではなく、一気通貫でのデジタル化も非常に良いですね。市場規模も大きく国内物流業界全体のDXもまさにこれからなので注目領域です
記事:
https://www.bizjournals.com/atlanta/news/2021/03/31/logistics-startup-stord-raises-65m.html

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おまけ:その他のこまちゃん調達ニュース

・家庭教師マーケットプレイス「GoStudent」/$70M調達
https://jp.techcrunch.com/2021/03/31/2021-03-30-tutor-marketplace-gostudent-raises-e70m-series-b-round-led-by-new-us-investor-coatue/
・アマゾン買収企業「Thrasio」/$100M調達
https://techcrunch.com/2021/04/01/thrasio-raises-100m-for-its-amazon-roll-up-play-appoints-retail-cfo-heavyweight-for-its-next-steps/
・フードデリバリー「Glovo」:$528M調達
https://techcrunch.com/2021/03/31/spains-glovo-picks-up-528m-as-the-food-deliver-market-continues-to-heat-up/
・NFTアードのマケプレ「SuperRare」:$9M調達
https://jp.techcrunch.com/2021/03/31/2021-03-30-nft-art-marketplace-superrare-closes-9-million-series-a/
・シーズン終了商品の販売「Otrium」:$120M調達
https://jp.techcrunch.com/2021/04/01/2021-03-30-otrium-raises-120-million-for-its-end-of-season-fashion-marketplace/
・コミュニティ型食品共同購入「Nice Tuan」:$750M調達
https://www.techinasia.com/alibaba-coleads-750m-chinese-egrocery-startup-nice-tuan
・ダークストア「Zapp」:$100M調達
https://techcrunch.com/2021/03/31/zapp/
・大型商品特化の即日配送「PICKUP」:$15M調達
https://news.crunchbase.com/news/pickup-raises-15m-series-b-for-big-and-bulky-deliveries/
・在庫切れ商品を共有在庫から販売可能にする「Stockly」:€5.1M調達
https://jp.techcrunch.com/2021/03/31/2021-03-30-stockly-lets-e-commerce-websites-sell-out-of-stock-items-from-a-shared-inventory/
・キャッシュバックサービス「Fetch Rewards」:$210M調達
https://www.prnewswire.com/news-releases/fetch-rewards-closes-210-million-round-of-funding-led-by-softbank-vision-fund-2-301260323.html
・キャッシュバックサービス「Price.com」:$10M調達
https://news.crunchbase.com/news/briefing-3-31-21

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