【MUP】サブスクの威力!
皆さんこんにちは!ういんぐです。
今日は「サブスク」ビジネスについてアウトプットしていきたいと思います。
この記事を読んでいただければ、サブスク導入による次のメリットを理解していただけます。
・経営の質、スピードが格段に向上する。
・より長期的視野で、企業経営を行うことができる。
・顧客との関係性が深まり、ライバル企業との差別化につながる。
では、今日も学び狂っていきましょう!
1.サブスクとは
サブスクとは「サブスクリプション」の略で簡単に言うと「月額課金」や「定額制」で利用できるサービスのことです。身近な例では、NetflixやAmazon music、dマガジンなど、サブスクは僕たちの日常に広く浸透しています。
サブスクにおいて、顧客は毎月支払っている家賃と同じ感覚で「無意識」に料金を支払っています。皆さんの通帳にも同様に、サブスクで毎月決まって引き落とされているものが1つや2つはあるはずです。
これこそが「サブスクの威力」です。
サブスクが台頭する以前は、いわゆる売切型のビジネスが主体でした。売切型では、顧客が料金を支払う度に所有権を与えますが、サブスク型では継続支払を求める代わりに利用権を与えます。
サブスクの魅力は、顧客に提供するモノ全てが「サービス」になるということです。かつては、モノを所有することがステータスでしたが、今の世の中は、「所有」より「利用」という価値観に重きを置く消費者が増えています。
要するに、売り物がサービス化される時代にあるのです。
これまでのビジネススタイルは、ハリウッド型ビジネス(Hollywood Business)が中心で、ハリウッド映画のように大金をかけても市場に受け入れてもらえるか分からない、リスクの高いものでした。
しかし、これからの時代はストック型ビジネス(Stock Business)が主流となり、小さく始めることができる、いわゆる「ちりつも」でビジネスをスタートすることができます。
このちりつもビジネスにおいて、サブスクは相性抜群で絶大な効果を発揮してくれます。
2.サブスク事業化の為の4ステップ
どんな事業を行うにせよ、ステップは次の4つに分類できます。
これをサブスクで展開していくことが成功への道となります。
では、順番に解説していきます。
(1)事業企画→事業改善
これまでの売切型ビジネスでは、商品・サービス開発毎にプロジェクトチームが立ち上げられ、企画→制作→販売→顧客の基本プロセスを経る必要がありました。組織が大きくなればなるほど、社内の経営会議や複雑な決裁ルートがあり、スピード感に欠ける構造でした。
今の時代は、とにかくスピードが求められます。
テーブルの上でひたすら時間をかけてアイデアを巡らせる「Table-In」ではなく、顧客が求める商品・サービスをいち早くマーケットに投入し、顧客の要望に沿ってタイムリーに改善していく「Market-In」の考え方が重要です。「Market-In」の思考において、完璧な完成品を売ろうとしてはいけません。
例えば、GrabやUberも顧客のニーズを聞きながらサービスを拡大しています。
この「Market-In」の考え方において、ハリウッド型ビジネスはリスクが大き過ぎます(莫大な予算をかけてギャンブルのようなビジネスはできません)。だからこそ、サブスクのようにストック型ビジネスで、スモールスタートをするのが最も適しているわけです。
サブスクであれば、顧客が毎月継続して料金を払っている以上、改善や要望もリアルタイムで伝えられてきます。その声に対して、いかに早く応えられるか、このスピード感が必要です。
また、サブスクには、毎月一定の売上げを確保することができ、将来の収益見通しが立ち易いというメリットもあります。より長期的な視野で経営を行うことができ、安心して人材の確保、投資を行うことができます。
サブスクほどリスクがなく安定的なビジネスはありません。
つまり、「いくら貯まったら〇〇しよう」という考えではなく、「いくらあるから○○しよう」という未来P/Lで、より積極的な先行投資が行えるので、ライバル企業と明確なスピード差が生まれます。結果、市場をいち早く開拓していくことができるようになり、競争優位の仕組みを構築することが可能になります。
(2)市場獲得
続いて市場獲得です。どのように実際のビジネスにサブスクを導入するのかを説明していきます。
市場獲得において重要な要素は次の3つです。
①価格優位性(利益率を保った価格)
②製品クオリティの優位性
③心理的優位性(従業員の心理)
①価格優位性(利益率を保った価格)
なぜ、サブスクを導入することで、ライバル企業に負けない価格優位性を確立することができるか。ポイントはPPC(Profit Per Customer)=0の勇気です。
※SPC(Sales Per Customer)、CPC(Cost Per Customer)、PPC(Profit Per Customer)の詳細は「ビジネスモデルの考え方」で解説しています。
ビール販売を例に考えてみましょう。
PPC=0、つまり原価割れをしないラインを把握する為には、CPCをビールの原価に加え、人件費(ビールを提供するまでにどれだけの時間がかかるか)まで含めて検討しなければなりません(でないと赤字になってしまいます)。
仮に、CPC=ビールの原価200円+人件費100円=300円(実原価)とすれば、サブスクにおけるSPCも300円を目線に設定します。
これじゃ利益が出ないよ!と思われた皆さん。「規模の経済性」という言葉をご存知でしょうか。規模の経済性とは、「スケールメリット」とも言われます。事業規模が大きくなればなるほど、単位あたりのコストが小さくなり、競争上有利になる効果のことです。
下の図を見てください。
今回の例では、SPCを300円としてサブスクをスタートすれば、当然ながら立ち上げ当初、利益は出ません。
しかしながら、ライバル店との価格競争力は勝りますので、サブスク利用者は順調に増えていき、それに伴って「規模の経済性」が作用する為、CPCは低下していきます。分かりやすい例で言うと、ビールを10本仕入れる場合と、100本仕入れる場合では、100本仕入れる方が1本当たりの仕入原価を抑えることができます(※そのような交渉が可能です)。
つまり、PPC=0でサブスクをスタートしても、利用者が増えて規模の経済性が働きCPCが低下する分、徐々に利益を生む仕組みが構築できるということです。
②製品クオリティの優位性
サブスクのモデルには次の4種類があります。
A. 補充型:定期便(Amazon Dash ボタン等)
B. アクセス型:利用権利(Photoshop等)
C. レンタル型:レンタル(カーシェアリング等)
D. パーソナライズ型:改善型(IPSY、エアークローゼット等)
この中で、サブスクの魅力を最大限に発揮でき、なおかつ重要視すべきは「パーソナライズ型」です。
皆さん「IPSY」をご存知でしょうか。これは化粧品のサブスクサービスです。
月額$12で個人の肌の色や髪の色、ライフスタイルに応じてアレンジされた化粧品が毎月送られてきます。
「エアークローゼット」は、洋服のサブスクサービスで、自分の体型や好みのテイスト、着るシーンに合わせてプロのスタイリストが選んだ洋服が借り放題になるサービスです。
これらのサブスクを通じて、顧客が得ているのは商品ではなく「体験」です。
だからこそ、サブスクを提供する側は「お客様の為に選びました、カスタマイズしました」という見せ方が大事です。このポイントはしっかり押さえておかなければなりません。
特に、サブスクであればお客様の情報を蓄積していくことができます。名前や住所、好みの色や香り、ファッション等...。これらの情報は企業にとって貴重な財産です。
③心理的な優位性(従業員の心理)
従来の売切型ビジネスでは、売上げの主構成は「モノの売上げ何個×金額」でした。
しかしながら、サブスクビジネスでは「お客様とどれだけ深く関われたか」が売上げに直結します。では、実際に現場で、お客様にサービスを提供するのは誰でしょうか...従業員ですよね。なので、従業員の満足度もしっかりと高めていかなければなりません。
お客様の関係値(=売上げ)と従業員の満足度は比例します。
従業員をどれだけ幸せにできるかも、サブスク時代の経営に欠かせない視点です。
お客様の関係値を上げる為には、徹底的な意見反映しかありません。
お客様が何を求めているのか、何が欲しいのか、どうして欲しいのか...そうして得た要望に対して、即座に施策に反映させます。
サブスクで提供するのは自社で作ったモノではありません。
お客様が作ったモノをお客様に提供するからこそ、サブスクに大きな価値が生まれるのです。
(3)収益維持
これまで、サブスクをどのように導入するのかについて解説してきました。
でも、せっかくサブスク利用者になってもらっても、1ヶ月で解約されてしまったら意味がありません。ここでは、収益維持、つまり「お客様をどれだけ維持するか」について解説していきます。
例えば、皆さんが居酒屋のオーナーで、サブスクをはじめると仮定しましょう。そこで、いきなり1万円のサブスクを始めても絶対にうまくいきません。
人は不確実性を嫌います。
だからこそ、まずは「無料」で、自社のサービスをお客様に体験してもらうことが重要です。これを「Freemium Model」と呼びます。基本的なサービスや製品は無料で提供し、さらに高度な機能や特別な機能については料金を課金する仕組みのビジネスモデルです。
【参考】
Freemium Modelは、次の4タイプに分類することができます。
A. 時間:1ヶ月限定等
B. 顧客タイプ:学生限定等
C. 人数:3人以降は無料等
D. 機能:エクセルやPhotoshopのような機能制限
サブスクを導入した当初は、なるべく体験のハードルを下げ、とにかくお客様を驚かせます。居酒屋であれば、500円のハイボールを注文したお客様に対して「今なら月々500円でハイボール飲み放題。初月無料です!」や、美容院であれば「1回あたり4,500円のヘッドスパが利用し放題で月々4,500円。初月無料です!」等、お客様が聞いて「えっ!?!?」となるような仕掛けを行います。
最初はなるべく幅広いセグメントの顧客層に向けて、サブスクを宣伝し囲い込みを図りましょう。
お客様が継続して、サービスを利用してくれるようになれば、必ず次の提案機会が生まれます。先ほどの居酒屋であれば、月々500円のハイボール飲み放題に加え、「月々5,000円の食べ放題」等を提案できます。美容院であれば、月々4,500円のヘッドスパ利用し放題に加え、「月々10,000円でカット・セットが利用し放題」等を提案できます。
サブスクを始めた当初は一旦収益が落ちますが、長期的な視野で見ると、一定の人数を上回ると必ず黒字化します。
赤字になるのを避けたいのであれば、人数を一気に増やす為の施策を行い、規模の経済性を活かすこともできます。例えば、「1人なら月々10,000円、2人なら月々8,000円」等の施策です。
また、契約期間が長期になるほど利用料が安くなるサブスクもあります。1ヶ月目は月々10,000円、以降は1,000円ずつ値下がりし、6ヶ月目以降は5,000円になります」等の施策です。
サブスクのメリットは、長期契約が見込めることによって、顧客に「新提案」ができることです。
時代は目まぐるしく変化していきます。ジムのブームが過ぎ去った後は食事改善のブームが来たり…でも、サブスクであれば、こうした時代の変化に応じてサービスを柔軟に変えていくことができます。
まさに、不確実性の高い時代だからこそ、サブスクの魅力が高まっていますし、この潮流はしばらく続くでしょう。
3.まとめ
皆さん、いかがでしたでしょうか。
サブスクの威力について、ご理解いただけたのではないでしょうか。
ここで今回のセッションのまとめです!
★消費者はモノを「所有」するより「利用」することに価値を見出している。サブスクの魅力は、顧客に提供するモノ全てが「サービス」になるということ。
★顧客が求める商品・サービスをいち早くマーケットに投入し、顧客の要望に沿ってタイムリーに改善していく「Market-In」の考え方が重要。サブスクのようにストック型ビジネスで、スモールスタートをするのが時代の流れに適している。
★サブスクは毎月一定の売上げを確保することができ、将来の収益見通しが立ち易い。未来P/Lで、より積極的な先行投資が行える為、ライバル企業と明確なスピード差が生まれる。
★サブスクでは規模の経済性を活かし、圧倒的な価格競争力でマーケットを獲得することができる。
★サブスクで提供するのはモノではなく「体験」。お客様に驚きを提供し続けることで強固なリレーションを構築できる。
最後に一つ、このサブスクビジネスは世界のどこでも通用するものではありません。
例えば、近年、急成長を続ける東南アジアの国々では、まだまだモノを所有することにステータスを感じる消費者が多い為、売切型ビジネスが主流です。
ビジネスは柔軟に、その地域のマーケットに応じた展開を行うことが必要です。
日本の常識は世界では通用しません。幅広い視野で、世界の潮流を見極める目も、しっかり養っていく必要があると感じました。
本日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました🙇♂️
おわり。
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