アラサー喪女が不正出血と過多月経で初めて婦人科に行った話

ちょうど排卵日あたりだった。2日続いたおりものが、血に変わった。

不正出血というやつだろう。
ストレスで「先っちょ」から「ケツ」までとことん全身パウチされたみたいな生活をしているから、きっとそれが原因だ。
以前にも何度かあったし気にしなくていいっしょ。

そんな感じで構えていたら、それは15日続いた。
流石に長い。これは長い。
妙だな……。某名探偵少年のように頭を捻る。

これは異常なのでは？病院に念のため行った方が良いのでは？

気になるならさっさと行けばいいと思うだろう。
だいたいお小遣いの半分が病院代に消えるような女だ。
一度身体を壊したこともあり、疑わしきは罰せよ、じゃないけど疑わしきは病院、な貧弱系小ゴリラのくせに。
でも、そうもいかなかった。

だってギリギリアラサー。
見た目が童貞に「お願いします！」と頭を下げられるタイプの癖に
私は性交渉を最後まで出来たことが無かった。

つまりは高齢処女だから婦人科が怖くて仕方が無かった。のだ。

だって器具とか器具とか器具を入れられるんだろ？
こちとら毎回違うメンズとチャレンジしては
「痛い痛い痛い痛い……」と泣き言を言い、
相手の気を萎えさせては結局距離を置かれてきたビビりである。

入らなさ過ぎて「頭強めに殴って気絶させてくれ」と無茶を言ったこともあるくらい痛がり。勿論ドン引きされた。

「うわぁあん！やだよー！！器具突っこまれて痛い痛い言って暴れて！その見た目で⁉って怒られるよお……」

脅えているうちに予定通り生理がきた。いつもの生理痛。めっちゃ痛い。
そして気分の沈み。いつも通り。良かった。

緩やかに経血が減っていき、そろそろ終わりかな。
でもまた不正出血続くのかな。。。なんて思っていた生理7日目。

普段なら元気はつらつぅ！と言わんばかりに清々しい気分のはずが、なんだか血が「出ますよ」とノックしている気配。

はいはい、これはトイレに行った方が良いですね。と軽い気持ちでトイレに入った。
しかし。


(※ここから生々しい血の描写になります。苦手な人は飛ばしてください)

排尿かな？みたいな勢いで薄い血がシャーっと出た後、今まで見たことが無い大きさの、レバー状の塊がブルン！！と飛び出す。
それも何個も。出る感覚が気持ち悪い。

普段の生理でも親指くらいの塊は毎回出る。でも今回のこいつらはちょいとレベルが違う。モンキーバナナくらいあったぞ。

結局トイレに4回駆け込んだ。ナプキンで受け止められる量じゃないぞこれ。どんどん出る血と零れ出る気持ち悪さに眩暈がしてきた。

（※血の描写終わり）

同居人が間違って買ったアップルケーキ【730kcal】をもそもそ食べ、プルーンジュースを飲み、マルチミネラルを摂取して貧血に負けないボディ作り。

その間も頭の中で流れるエマージェンシー。
これは本格的ヤバいやつなのでは。脅えるのには訳があった。
うちの母が42歳で子宮筋腫になり、子宮を全摘出しているのだ。
遺伝した可能性も高い。

もう婦人科が怖いとか言ってられない。ちゃんと行かねば。
決意し、運の良いことに家から徒歩すぐにある婦人科へ2日後行くことにした。※即日じゃなかったのはその日が日曜・次の日祝日で開いてなかったから。

当日、朝。

血はすっかり落ち着いてきた。
やだなあ。行きたくないな…。そうぼやきつつ、スカートが良いと聞いたので手持ちのロングスカートを引っ張りだしてノソノソ出発。

暑いおかげで足も止まらず、さっさと病院に到着した。
女医さんの個人医院なので気は楽である。
まずは受付で予約なし・初診の有無を伝えると問診票を渡されて記入。

身長、体重に前回の生理だったり初潮の年だったりアレルギーだったりを記入していくと最後の方に現われた項目

・性交渉の経験はありますか？（なし/あり）

良かった…ちゃんと項目あった。
それに【なし】が前に来てるのありがてえ…。

なしに○を付けて、受付に提出すると
「性交渉なしとのことでしたら、お尻から器具を入れるか、お腹側からエコーになりますので安心してね」
小声でそう教えてくれた。

よっしゃー！！器具入れられない！！！正直この期に及んでビビってたんだよね！！！

ホッとした気分で呼び出しを待ち、順番が来て診察室の中へ。
症状を伝え、きた、子宮の検査。

「あなたエッチしたことないのよね、じゃあお尻から器具入れて、子宮見ますから」

そう来たか～。尻か～。

そっちも未経験なんだけど…と顔に出ていたのか。
「普段排泄してたら大丈夫な大きさだから！お腹の上からより情報量があるから、ね？」と諭され隣の内診部屋へ。ここまできたら仕方あるめえ！

スカートは穿いてても良いけど下は全部脱いで、腰まで捲ってね。と指示され診察台の上へ。

下半身側に目隠しが施されているので、目が合って会釈するというような気まずい思いをしなくて済む。

足を乗せた台がミーーっと開き「お。話に聞いたことあるやつ」とその様子を見守ると。
完全なる丸出しで全開。
だが永久脱毛でVIOを何度も焼き払っているので、お医者さん相手に特に恥ずかしさもない。

痛み止めのジェルを尻に塗られ、完全にBLのやつやん…と自分のビビリを逸し、いよいよ器具が。

位置を合わせ、確認したと思ったらズルンと一気に塊が入ってきた。やっぱりBLか。
違和感ッ！圧倒的違和感！！でも痛いかどうかで言われたらそこまでじゃない。とにかく違和感。

そこからエコーを見つつ「ここに筋腫が2つあって…大きさはこれくらい。ちょっと後ろに寄ってるけど良性だから…」

と説明してくれるけれど尻に異物が入った状態なので
「はい！」「はい！」「なるほど！」「良かった！」
と元気のいいバカみたいな返事しか出ない。

どうやら問題なさそうです胸を撫でおろして。
検査が終わり、ずるん！と器具が抜かれた時の排泄感がまた気持ち悪い。まさかそっちを先に喪失するとは。

抜けた後も変な感じが凄い。うおぉ…私は今まで推しにこんな真似をさせていたのか。
反省しつつ、尻周りを人に拭われるという奇妙な経験を食らい服を着て。今度は写真とパンフレット付きで説明して貰う。

「子宮筋腫はあるけど良性で悪さはしてないし、筋腫は三人に一人あるくらいだから気にしないで」

「良かったです！！」
元気よく返事をする。

「血の塊がボタボタ出てたかもしれないけど、見た感じもう出ないと思う。身体に異常はないけど…貧血があったり、変に血が出るのが気になるなら薬を飲んでコントロールも出来ますが」

「大丈夫です！！」
これ以上薬を増やしたくない。

「今回の症状はホルモンバランスがおかしくなったのが原因かな。ストレス凄いんじゃない？」

「…凄いです。納得しました」

こんな感じで診察を終え、がん検診にも是非来てね。と言われついでなのでどんな検査なのかを聞いておいた。

綿棒くらいの器具を入れて、ウイルスで見るそうな。
それぐらいなら耐えられる気もする。

お礼を言い、診察室を出るとすぐに受付に呼ばれてお支払い。2450円。

この金額で安心が買えたら安いものよ…！

ずっと血に散々怯えていたよしきちは
大丈夫と言う太鼓判を得て安心し、
血みどろでお馴染みな【進撃の巨人】の
新刊を買いにその足で本屋へ向かった。
（発売日延期で売ってなかった）

婦人科、自分の為にも行きましょう。

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